2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧
子曰わく、古者(いにしえ) 民に三疾(さんしつ)有り。今や或いは是(こ)れ亡きなり。古(いにしえ)の狂や肆(し)、今の狂や蕩。古の矜(きょう)や廉(れん)、今の矜や忿戻(ふんれい)。古の愚や直、今の愚や詐(さ)なるのみ。(「陽貨第十七」14)…
子曰わく、鄙夫(ひふ)は与(とも)に君に事(つか)う可(べ)けんや。其の未だ之を得ざるに、之を得んことを患(うれ)え、既に之を得るや、之を失わんことを患う。苟(いやし)くも之を失わんことを患うれば、至らざる所無し。(「陽貨第十七」13) (解…
「道に聴きて塗に説くは、徳を之れ棄つるなり」。他者から中途半端に知り得た知識(道徳)をそのまま説こうとすれば、中途半端な話になってしまい、自分を安売りするようなもので、自分の「徳」を傷つけるということであろうか。知行合一....
子曰わく、郷原(きょうげん)は徳の賊なり。(「陽貨第十七」11) (解説) 孔子の教え。「八方美人の者の言動は、道徳にとって害になる」。(論語 加地伸行) 「郷原」は、 善良を装って、郷里の好評を得ようとする小人。 にせの道徳家。 偽君子。「原」は…
子曰わく、色 厲(はげ)しくして、内 荏(やわ)らか。諸(これ)を小人に譬(たと)うれば、其れ猶(なお)穿窬(せんゆ)の盗のごときか。(「陽貨第十七」10) (解説) 孔子の教え。「外見ばかり格好つけ、その実、中身はだめ。これを小人 知識人に譬え…
子曰わく、礼と云い、礼と云う。玉帛(ぎょくはく)を云わんや。楽と云い楽と云う。鐘鼓(しょうこ)を云わんや。(「陽貨第十七」9) (解説) 孔子の教え。「礼式、礼式、とやかましく言うが、大切なのは、並べる玉、帛であろうか。同じく音楽、音楽、とや…
子曰わく、小子(しょうし)、何ぞ夫(か)の詩を学ぶ莫(な)きか。詩は以て興こす可(べ)く、以て観る可く、以て羣(ぐん)す可く、以て怨む可し。之を邇(ちか)くしては父に事(つか)え、之を遠くしては君に事え、多く鳥獣草木の名を識(し)る、と。 子…
子曰わく、由(ゆう)や、女(なんじ) 六言(りくげん)、六蔽(りくへい)を聞けるか、と。対(こた)えて曰わく、未(いま)だし、と。居(お)れ、吾 女に語(つ)げん。 仁を好みて学を好まざれば、其の蔽(へい)や愚。知を好みて学を好まざれば、其の…
仏肸(ひつきつ)召す。子 往(ゆ)かんと欲す。子路曰わく、昔者(むかし)由や諸(これ)を夫子(ふうし)に聞けり。曰わく、親(みずか)ら其の身に於いて不善を為す者には、 君子は入らず、と。仏肸 中牟(ちゅうぼう)を以て畔(そむ)く。子の往かんと…
子張(しちょう) 仁を孔子に問う。孔子曰わく、能(よ)く五者を天下に行なうを、仁と為す、と。之を請い問う。曰わく、恭、寛、信、敏、恵なり。恭なれば則(すなわ)ち侮られず。寛なれば則ち衆を得。信なれば則ち人 任ず。敏なれば則ち功 有り、恵なれば…
公山弗擾(こうざんふじょう)費(ひ)を以て畔(そむ)く。召(よ)ぶ。子 往(ゆ)かんと欲す。子路 説(よろこ)ばず。曰わく、之(ゆ)く末(な)きのみ。何ぞ必ずしも公山氏に之(こ)れ之かんや、と。子曰わく、夫(そ)れ我を召(め)す者にして、豈…
子 武城(ぶじょう)に之(ゆ)き、弦歌(げんか)の声を聞く。夫子(ふうし) 莞爾(かんじ)として笑いて曰わく、雞(にわとり)を割(さ)くに、焉(いずく)んぞ牛刀(ぎゅうとう)を用いん、と。子游(しゆう)対えて曰わく、昔者(むかし) 偃(えん)や…
子曰わく、性 相(あい)近し。習い相遠し。子曰わく、唯(ただ)上知(じょうち)と下愚(げぐ)とは、移らず。(「陽貨第十七」2) (解説) 孔子の教え。「人は先天的に差はない。後天的に差が生まれてくるのだ」。 孔子の教え。「天才と凡才とは、どのよ…
陽貨(ようか) 孔子を見んと欲すれども、孔子見(まみ)えず。孔子に豚(ぶた)を帰(おく)る。孔子 其の亡きを時(うかが)いて、往(ゆ)きて之を拝さんとす。諸(これ)に塗(みち)に遇(あ) う。孔子に謂いて曰わく、来たれ。予(よ) 爾(なんじ)…
邦君(ほうくん)の妻、君 之を称して、夫人(ふじん)と曰う。夫人 自ら称して、小童(しょうどう)と曰う。邦人 之を称して君夫人(くんふじん)と曰い、諸(これ)を異邦に称して、寡小君(かしょうくん)と曰う。異邦人 之を称して、亦(また)君夫人と…
陳亢(ちんこう) 伯魚(はくぎょ)に問いて曰わく、子も亦(また)異聞(いぶん)有るか、と。対(こた)えて曰わく、未(いま)だし。嘗(かつ)て独り立てり。鯉(り) 趨(こばし)りて庭を過ぐ。曰わく、詩を学びたるか、と。対えて曰わく、未だし。詩…
斉(せい)の景公(けいこう) 馬千駟(せんし)有り。死するの日、民 徳として称(ほ)むる無し。伯夷(はくい)、叔斉(しゅくせい)は首陽(しゅよう)の下(もと)に餓(う)う。民 今に到るまで之を称む。誠に富を以てせず、亦(また)祗(まさ)に異を…
孔子曰わく、善を見ては、及ばざるが如くし、不善を見れば、湯(とう)を探る如くす、とあり。吾 其の人を見、吾 其の語を聞けり。隠居して以て其の志を求め、義を行なって以て其の道を達す、と。吾 其の語を聞けども、未だ其の人を見ず。(「季氏第十六」11…
孔子曰わく、君子に九思(きゅうし)有り。視(し)には明を思い、聴(ちょう)には聡(そう)を思い、色(しき)には温を思い、貌(ぼう)には恭を思い、言には忠を思い、事(じ)には敬を思い、疑(ぎ)には問(もん)を思い、忿(ふん)には難を思い、得(…
孔子曰わく、生まれながらにして之を知る者は、上(じょう)なり。学びて之を知る者は、次なり。困(くる)しみて之を学ぶものは、又其の次なり。困しみて学ばざる、民 斯(こ)れ下(げ)と為す。(「季氏第十六」9) (解説) 孔子の教え。「生まれつき道…
孔子曰わく、君子に三畏(さんい)有り。天命を畏(おそ)れ、大人(たいじん)を畏れ、聖人の言を畏る。小人は天命を知らざれば、畏れず。大人に狎(な)れ、聖人の言を侮る。(「季氏第十六」8) (解説) 孔子の教え。「君子 教養人が畏れ慎むものに三つ…
孔子曰わく、君子に三戒(さんかい)有り。少(わか)き時は、血気未だ定まらず。之を戒(いまし)むるは色に在(あ)り。其の壮なるに及びては、血気方(まさ)に剛(つよ)し。之を戒むるは闘(たたか)いに在り。其の老ゆるに及びては、血気既に衰う。之…
孔子曰わく、君子に侍(じ)するに三愆(さんけん)あり。言(げん)未だ之に及ばずして言う、之を躁(そう)と謂(い)う。言 之に及びて言わず、之を隠(いん)と謂う。未だ顔色を見ずして言う、之を瞽(こ)と謂う。(「季氏第十六」6) (解説) 孔子の…
孔子曰わく、益する者の三楽(さんらく)あり。損(そこ)なう者の三楽あり。礼楽(れいがく)を節するを楽しみ、人の善を道(い)うを楽しみ、賢友(けんゆう)多きを楽しむは、益するなり。驕楽(きょうらく)を楽しみ、佚遊(いつゆう)を楽しみ、宴楽(…
孔子曰わく、益する者の三友あり。損(そこ)なう者の三友あり。直なるを友とし、諒(りょう)なるを友とし、多聞(たぶん)なるを友とするは、益するなり。便辟(べんへき)なるを友とし、善柔(ぜんじゅう)なるを友とし、便佞(べんねい)なるを友とする…
孔子曰わく、禄(ろく)の公室を去ること五世(ごせい)。政(まつりごと)の大夫に逮(およ)びて四世(しせい)。故に夫(か)の三桓(さんかん)の子孫 微(おとろ)う。(「季氏第十六」3) (解説) 孔子はこう述べた。「臣下の待遇(棒禄)を決定する…
孔子曰わく、天下道有れば、則ち礼楽(れいがく)征伐は、天子自(よ)り出(い)づ。天下道なければ、則ち礼楽征伐は、諸侯自り出づ。諸侯自(みずか)ら出づれば、蓋(けだ)し十世(じっせい)失わざる希(まれ)なり。大夫(たいふ)自ら出づれば、五世…
季氏(きし) 将(まさ)に顓臾(せんゆ)を伐(う)たんとす。冉有(ぜんゆう)、季路(きろ)、孔子に見(まみ)えて曰わく、季氏 将に顓臾に事あらんとす、と。 孔子曰わく、求(きゅう)、乃(すなわ)ち爾(なんじ) 是れ過つ無きか。夫(そ)れ顓臾は…
師冕(しべん) 見(まみ)ゆ。階に及ぶや、子曰わく、階なり、と。席に及ぶや、子曰わく、席なり、と。皆坐(ざ)す。子 之に告げて曰わく、某は斯(ここ)に在(あ)り、某は斯に在り、と。師冕出づ。子張問うて曰わく、師と言うの道か、と。子曰わく、然…
子曰わく、辞(じ)は達するのみ。(「衛霊公第十五」41) (解説) 孔子の教え。「文章を書くなら、達意であれ」。(論語 加地伸行) ことばは、その意味が相手に伝わることが大切なこと。 「辞」、ことばはシンプルにして、それで伝わるのがいいことなのか…