「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

【郷人の善者 之を好み、其の不善者 之を悪むに如かず】 Vol.328

子貢(しこう)問いて曰わく、郷人(きょうじん)皆 之を好めば、何如、と。子曰わく、未だ可ならざるなり。 郷人皆これを悪(にく)めば何如、と。子曰わく、未だ可ならざるなり。郷人の善者 之を好み、其の不善者 之を悪むに如(し)かず、と。(「子路第…

【君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず】 Vol.327

子曰わく、君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず。(「子路第十三」23) (解説) 孔子の教え。教養人は、和合するが雷同しない。知識人は雷同するが和合しない。(論語 加地伸行) 社会は多様な人間が存在して成立する。その中に、君子や小人も含まれる…

【其の徳を恒にせざれば、或に之に羞を承くるのみ】 Vol.326

子曰わく、南人(なんじん)言える有り。曰わく、人にして恒(つね)無くんば、以て巫医(ふい)を作(な)す可からず、と。善いかな。其の徳を恒にせざれば、或(つね)に之に羞(はじ)を承(う)くるのみ、と。子曰わく、占わざるのみ、と。(「子路第十…

【中行を得て之に与せずんば、必ずや狂狷か】 Vol.325

子曰わく、中行(ちゅうこう)を得て之に与(くみ)せずんば、必ずや狂狷(きょうけん)か。狂者は進みて取り、狷者は為さざる所有り。(「子路第十三」21) (解説) 孔子の教え。中庸(中行)の道を行く人と出会えず、その人とともに歩むことができないな…

【噫、斗筲の人、何ぞ算うるに足らん】 Vol.324

子貢(しこう)問うて曰わく、何如(いかん)ぞ斯(すなわ)ち之を士と謂う可き、と。子曰わく、己を行なうに恥ずる有り。四方に使いして、君命を辱(はずかし)めず。士と謂う可し。 曰わく、敢(あ)えて其の次を問う、と。曰わく、宗族(そうぞく)孝を称…

【処に居りては恭、事を執りては敬、人に与しては忠】 Vol.323

樊遅(はんち)仁を問う。子曰わく、処に居(お)りては恭(きょう)、事を執(と)りては敬、人に与(くみ)しては忠、夷狄(いてき)に之(ゆ)くと雖(いえど)も、棄(す)つ可からざるなり、と。(「子路第十三」19) (解説) 樊遅が仁とは何でしょう…

【父は子の為めに隠し、子は父の為に隠す。直は其の内に在り】 Vol.322

葉公(しょうこう)孔子に語(つ)げて曰わく、吾が党に直躬(ちょっきゅう)なる者有り。其の父、羊を攘(ぬす)みて、子 之を証せり、と。孔子曰わく、吾が党の直なる者は是れに異なり。父は子の為めに隠し、子は父の為に隠す。直は其の内に在り、と。(「…

【速やかならんと欲する無かれ。小利を見ること無かれ】 Vol.321

子夏(しか)筥父(きょほ)の宰と為り、政を問う。子曰わく、速やかならんと欲する無かれ。小利を見ること無かれ。速やかならんと欲すれば則(すなわ)ち達せず。小利を見れば、則ち大事成らず、と。(「子路第十三」17) (解説) 子夏が筥父という地の長…

【近き者説び、遠き者来たる】 Vol.321

葉公(しょうこう)政を問う。子曰わく、近き者説(よろこ)び、遠き者来たる、と。(「子路第十三」16) (解説) 葉殿が政治とは何かと質問した。孔子は答えた。「近隣の者が喜び、遠地の者が移ってくるような政治です」と。(論語 加地伸行) 「葉公」、…

【君為ることの難きを知れば、一言にして邦を興すに幾からずや】 Vol.320

定公(ていこう)問う、一言にして以て邦を興す可きもの、諸(こ)れ有りや、と。孔子対(こた)えて曰わく、言(げん)は以て是(かく)の若(ごと)くなる可からざるも、其れ幾(ちか)きか。人の言に曰わく、君為(た)ること難(かた)く、臣為ること易…

【如し政有らば、吾を以いずと雖も、吾其れ之を与り聞かん】 Vol.319

冉子(ぜんし) 朝(ちょう)を退く。子曰わく、何ぞ晏(おそ)き、と。対(こた)えて曰わく、政(まつりごと)有り、と。子曰わく、其れ事(じ)ならん。如(も)し政有らば、吾(われ)を以いずと雖(いえど)も、吾其れ之を与(あずか)り聞かん、と。(…

【其の身を正しくする能わずして、人を正すを如何せん】 Vol.318

子曰わく、苟(いやし)くも其の身を正しくせば、政に従うに於いて何か有らん。其の身を正しくする能(あた)わずして、人を正すを如何せん。(「子路第十三」13) (解説) 孔子の教え。もし為政者自分自身を正しくしたならば、行政はたやすいものだ。自分…

【如し王者有らば、必ず世にして而る後に仁ならん】 Vol.317

子曰わく、如(も)し王者有らば、必ず世にして而(しか)る後に仁ならん。(「子路第十三」12) (解説) 孔子の教え。もし王者があるとするならば、きっと三十年にしてあまねく人の道を守る社会となるであろう。(論語 加地伸行) 「世」、俗体では「丗」…

【善人 邦を為むること百年ならば、亦以て残に勝ちて殺を去る可し】 Vol.316

子曰わく、善人 邦を為(おさ)むること百年ならば、亦(また)以て残(ざん)に勝ちて殺を去る可し、と。誠なるかな、是(こ)の言。(「子路第十三」11) (解説) 孔子の教え。善人が為政者となって百年もの時があれば、残忍な連中も感化し、死刑も不要と…

【苟し我を用うる者有れば、期月のみにして可なり】 Vol.315

子曰わく、苟(も)し我を用うる者有れば、期月(きげつ)のみにして可なり。三年ならば成る有らん。(「子路第十三」10) (解説) 孔子がいった。もし私を用いて政治を担当させれば、一年でよろしい。三年ともとなれば、完成できよう、と。(論語 加地伸行…

【既に富めば、又 何をか加えん、と。曰わく、之を教えん】 Vol.314

子、衛に適(ゆ)く。冉有(ぜんゆう)僕(ぼく)たり。子曰わく、庶(おお)いかな、と。冉有曰わく、既に庶し。又 何をか加えん、と。曰わく、之を富まさん、と。曰わく、既に富めば、又 何をか加えん、と。曰わく、之を教えん、と。(「子路第十三」9) …

【少しく有るに、曰わく、苟に完し、と。富みて有るに、曰わく、苟に美なり、と】 Vol.313

子 衛の公子荊(けい)を謂う。善く室に居(お)る。始め有るに、曰わく、苟(かりそめ)に合(かな)えり、と。少しく有るに、曰わく、苟に完(まった)し、と。富みて有るに、曰わく、苟に美なり、と。(「子路第十三」8) (解説) 孔子は、衛の国の公子…

【魯、衛の政は、兄弟なり】 Vol.312

子曰わく、魯、衛の政(まつりごと)は、兄弟(けいてい)なり。(「子路第十三」7) (解説) 孔子の教え。魯国と衛国との政治は兄弟のようなものだ。(論語 加地伸行) 周王朝を建てた武王には2人の兄弟があった。魯の始祖「周公旦」と衛の始祖の「康叔封…

【其の身正しければ、令せずとも行なわる】 Vol.311

子曰わく、其の身正しければ、令(れい)せずとも行なわる。其の身正しからざれば、令すと雖(いえど)も、従われず。(「子路第十三」6) (解説) 孔子の教え。上に立つ者は、己のあり方が正しければ、命令しなくとも、人々は方針に従う。そのあり方が正し…

【多しと雖も亦奚を以て為さんや】 Vol.310

子曰わく、詩を誦(しょう)すること三百、之に授くるに政を以てして達せず、四方に使いして、専対(せんたい)する能(あた)わざれば、多しと雖(いえど)も亦(また)奚(なに)を以て為さんや、と。(「子路第十三」5) (解説) 孔子の教え。「詩を三百…

【小人なるかな、樊須や。上 礼を好めば、則ち民は敢えて敬せざること莫し】 Vol.309

樊遅(はんち)稼(か)を学ばんと請う。子曰わく、吾は老農(ろうのう)に如(し)かず、と。圃(ほ)を為(つく)ることを学ばんと請う。曰わく、吾は老圃(ろうほ)に如かず、と。樊遅出(い)づ。 子曰わく、小人なるかな、樊須(はんす)や。上(かみ)…

【君子は其の知らざる所に於いては、蓋し闕如たり。名正しからざれば、則ち言順ならず】 Vol.308

子路(しろ)曰わく、衛君 子を待ちて政を為さば、子 将(まさ)に奚(なに)をか先にせんとする、と。子曰わく、必ずや名を正さんか、と。 子路曰わく、是れ有るかな、子の迂(う)なるや。奚(いずくん)ぞ其れ正さん、と。 子曰わく、野(や)なるかな、…

【有司を先にし、小過を赦し、賢才を挙げよ】 Vol.307

仲弓(ちゅうきゅう) 季氏の宰と為り、政(まつりごと)を問う。子曰わく、有司(ゆうし)を先にし、小過(しょうか)を赦(ゆる)し、賢才(けんさい)を挙げよ、と。 曰わく、焉(いず)くんぞ賢才を知りて之を挙げん、と。曰わく、爾(なんじ)の知る所…

【子路 政を問う。子曰わく、之に先んじ、これを労す】 Vol.306

子路(しろ) 政(まつりごと)を問う。子曰わく、之に先んじ、これを労す。益(ま)さんことを請う。曰わく、倦(う)む無かれ、と。(「子路第十三」1) (解説) 子路が政治とは何でしょうかと質問したところ、孔子はこういった。「先頭に立って働くこと…

【君子は文を以て友を会し、友を以て仁を輔く】 Vol.305

曾子(そうし)曰わく、君子は文を以て友を会し、友を以て仁を輔(たす)く。(「顔淵第十二」24) (解説) 曾子の教え。「君子 教養人は、学芸を通じて友人と交わる。その友誼によって、お互いに人格を高めることを助け合う」。(論語 加地伸行) 曾子は、…

【忠告して之を善道し、可かれざれば則ち止む】 Vol.304

子貢(しこう) 友を問う。子曰わく、忠告して之を善道し、可(き)かれざれば則ち止(や)む。自ら辱(はずかし)めらるること毋(なか)れ、と。(「顔淵第十二」23) (解説) 子貢が友人との人間関係について質問した。孔子はこう教えた。「まごころを尽…

【直きを挙げて諸を枉れるに錯けば、能く枉れる者をして直から使む】 Vol.303

樊遅(はんち)仁を問う。子曰わく、人を愛す、と。知を問う。子曰わく、人を知る。樊遅未だ達せず。子曰わく、直(なお)きを挙げて諸(これ)を枉 (まが)れるに錯(お)けば、能(よ)く枉れる者をして直から使(し)む、と。 樊遅退き、子夏(しか)を…

【事を先にして得ることを後にするは、徳を崇くするに非ずや】 Vol.302

樊遅(はんち)従いて舞雩(ぶう)の下に遊ぶ。曰わく、敢えて問う、徳を崇(たか)くし慝(とく)を脩(おさ)め惑いを弁ぜんことを、と。 子曰わく、善いかな問いや。事を先にして得ることを後にするは、徳を崇くするに非(あら)ずや。其の悪を攻(せ)め…

【夫れ達なる者は、質直にして義を好み、言を察して色を観、慮って以て人に下る】 Vol.301

子張(しちょう)問う、士は何如ぞ斯(すなわ)ち之を達(たつ)と謂う可き、と。子曰わく、何ぞ、爾(なんじ)が所謂(いわゆる)達とは、と。 子張対(こた)えて曰わく、邦に 在りても必ず聞こえ、家に在りても必ず聞こゆ、と。 子曰わく、是(こ)れ聞(…

【君子の徳は風なり、小人の徳は草なり。草 之に風を上うれば、必らず偃す】 Vol.300

季康子(きこうし)、政を孔子に問いて曰わく、如(も)し無道を殺して、以て有道を就(な)さば、何如、と。孔子対(こた)て曰わく、子 政を為すに、焉(いずく)んぞ殺(さつ)を用いん。子 善を欲すれば、民 善なり。君子の徳は風なり、小人の徳は草なり…