「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

裏金疑惑、浅はかな政治

  自民党安倍派の裏金疑惑、政府自民党の狼狽ぶりは一体何を物語っているのでしょうか。

「国民から厳しい目が向けられており派閥だけではなく自民党の信頼を揺るがすような大変大きな問題で危機感を感じている」と自民党幹部は語ります。

<独自>首相、政務三役から安倍派の全員交代を検討 官房長官、経産、総務、農水の4閣僚ら - 産経ニュース

 首相は安倍派を一掃することになるのでしょうか。安倍政治を礼賛するかのように振舞ってきた首相の豹変ぶりに戸惑います。一体何を考えているのでしょうか。深い思慮もなく、安易な政治が行われてきたように感じるばかりです。 

 慢心が過ぎれば、好き勝手に振舞うようになり、危機感もなくなっていくのでしょう。それは驕った態度と映ります。

 

 

集団浅慮

「集団浅慮」という言葉があるそうです。集団が持つ同調圧力等によって、その集団で考えていることに対しての判断能力が損なわれ、好ましくない、非合理な結論を出してしまう傾向のことをいうそうです。

集団浅慮|グロービス経営大学院 創造と変革のMBA

 組織の閉鎖性や同調圧力によって、傍から見れば無謀な拡大政策を経営陣が止められずに経営破綻に至った例、明らかな不正行為や隠ぺい工作を組織的に行い経営破綻した例なども少なくない。 (出所:グロービス経営大学院

「集団凝集性が高い、外部からのプレッシャーが強い、閉鎖性・秘密性が高い、強いリーダーや専門家の存在等、いくつかの条件が重なった時に集団浅慮が発生しやすい」とジャニスは指摘しているそうです。

 政権奪還後の自民党がこんな状態に陥ったのではないのでしょうか。また、それに引きずられて政界全体が同じようなになっていたとようにも感じますし、それが社会へも伝播するようになったのではないかとも思えます。

 

 

論語に学ぶ

子貢(しこう)問いて曰わく、師と商とは孰(いず)れか賢(まさ)れる、と。子曰わく、師や過ぎたり。商や及ばず、と。曰わく、然(しか)らば則ち師は愈(まさ)れるか、と。子曰わく、過ぎたるは猶及ばざるがごとし、と。(「先進第十一」16)

 弟子の子貢が「師(子張)と商(子夏)と、どちらが優れていますか」と尋ねました。孔子は「師は多いな、商は及ぼす」と答えました。子貢は「では師のほうがすぐれているのですか」と尋ねました。孔子は「どちらも均衡がとれていないので、頃合い、中庸がないという点では、多いも及ぼずも同じことだ」と教えました。

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 度が過ぎるもの、足りないもの、どちらもよくないといいます。不十分なのも困るが、過剰なものには弊害があり、物事にはほどよさが大切であるとの意味といいます。

 集団浅慮から抜け出るには、一度導いた結論に対して、集団で決めたからよしとするのではなく、集団で決めたが故に意思決定の内容やプロセスに重大な落とし穴がなかったか、冷静に見極める姿勢を持つことが重要になるそうです。

 こんな視点で現状を総点検して、政治改革につなげない限り不信を払拭することはできないのでしょう。健全な政治が求められます。今の政治家たちによって、それが実現することはあるのでしょうか。 

 

「参考文書」

自民党の派閥政治資金問題めぐり与野党が議論 NHK日曜討論 | NHK | 政治資金

【ニュース裏表】岸田内閣支持率低下「解散できない首相」の烙印 伊藤達美 - 産経ニュース

 

選挙資金寄付にオープンな米国、裏金疑惑で狼狽する日本政府と自民党

 米国では、来年の大統領選に向け野党共和党の候補者選びが白熱化してきているのでしょうか。トランプ前大統領がトップを独走しているようですが、2番手争いでヘイリー元国連大使とデサンティス フロリダ州知事がしのぎを削っているそうです。

トランプ対抗馬の最右翼、ヘイリー候補を支援する富豪たち | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 米国経済界の有力者たちがヘイリー氏を支持する声を上げ、その中にはJPモルガン・チェースのダイモンCEOもいるそうです。「あなたがたとえリベラルな民主党支持者であっても、彼女を支援してほしい」と、ヘイリー氏がトランプ前大統領よりも良い選択肢になる可能性を示唆、そう呼びかけているそうです。

 

 

LinkedIn(リンクトイン)の共同創業者で民主党献金者であるリード・ホフマンは、米大統領選に向けて共和党候補者の指名争いに名乗りを上げているニッキー・ヘイリー元国連大使の政治資金管理団体に25万ドル(約3600万円)を寄付したと、12月5日付のニューヨーク・タイムズ紙が報じた。(出所:Forbes)

 オープンであることが米国らしさのでしょうか。隠すことなく、誰々に、選挙のためにいくら寄付したことをオープンにする、それが透明性ということなのかもしれません。日本とは大きく異なっているところのようです。

 

 

 ただ激しい言葉で罵り合うことはいただけないような気もします。しかし、それによって、その人物の人となり、人格も明らかにしようとする試みなのでしょうか。行き過ぎた率直さ、誠実さと感じなくもないですが。

イーロン・マスク

 X(旧ツイッター)のイーロン・マスク氏に対する批判、バッシングも過熱しているようです。自身が投稿した反ユダヤ主義的な見解が問題視され、多くの企業が広告の出稿を停止する事態となりました。これに対し、マスク氏が広告主に対し暴言を吐き、それが波紋を広げる事態となっているようです。

マスク氏、広告停止に憤りの投稿-ディズニーはアイガー氏「即解雇を」 - Bloomberg

 かなり厳しい状況に追い込まれているのでしょうか。広告が戻ってこなければ、倒産もあり得るのではないかとも言われています。そうでもあるにもかかわらず、依然マスク氏の怒りは収まらないのか、Xで激しい口調で投稿を続けているようです。

 あくまでもオープンに、透明性をもって、議論しようとの姿勢なのでしょうか。そうであっても、 過ぎる言葉は慎んだ方が良いように感じます。

 

 

論語に学ぶ

子貢(しこう)曰わく、君子の過ちや、日月の食(みちかけ)の如し。過つや人皆之を見る。更(あらた)むるや、人皆之を仰ぐ。(「子張第十九」21)

 君子 教養人は過ちは、日食や月食の姿のようにはっきりしており、隠したりしない。過てば人々はみなそれを知っている。しかし、すぐに改めるので、人々は侮るどころか、かえって尊敬すると、弟子の子貢がいいました。

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 日食や月食のような珍しい自然現象があれば、人はそれを見つめる、また過ちにおいても同様で、人々はそれを凝視する。透明性、オープンであるべきということなのでしょう。

裏金疑惑

 自民党安倍派の裏金疑惑が、日本政府 岸田内閣に激震となっています。その狼狽ぶりが滑稽のようにも映ります。

高木、西村、萩生田氏も更迭へ パー券収入裏金疑惑で首相 | 毎日新聞

 いつものことですが、こちらは闇の中で何がなんだかよく見通せません。もっとオープンになって欲しいものです。このままでは、どんどん厳しい状況に追い込まれていくのではないでしょうか。

 内閣改造との報道もあるようです。またですかと感じます。最大派閥の不祥事で、後任に適任者はいるのだろうかとも感じたりします。

 世間の常識からすれば、もうそろそろ限界のように見えますが、どうなっていくのでしょうか。実態解明をきちんと行い、後戻りできないようにしなければなりません。また、あるべき姿に近づけるよう惜しみなく行動を続けなければならないのでしょう。そうしなければ、日本の衰退に歯止めがかかることはなさそうです。

 

 

「参考文書」

【解説】 マスク氏体制のXは倒産するのか 広告主に対する暴言で波紋 - BBCニュース

Xを破滅に追いやるイーロン・マスクの「破壊衝動」 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

広告主が相次ぎ出稿停止「X」は何がヤバいのか もはやXを使うこと自体が逆宣伝? | The New York Times | 東洋経済オンライン

 

 

荒れる国会、裏金疑惑の官房長官、円高、植田総裁のチャレンジング発言、荒れる市場

 日銀植田総裁の発言をきっかけにして円高が進みました。「チャレンジングな状況が続いている。年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になるとも思っている」と国会で発言したことに市場が反応したためとみられています。

植田総裁発言で早期利上げ観測が浮上か|2023年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)

 この植田総裁の発言には「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになると思っているので、情報管理の問題もきちんと徹底しつつ、『丁寧な説明』、適切な政策運営に努めていきたい」と続いており、過剰反応との見方もあるようです。

 

 

 日銀前総裁の頃に比べれば、市場との対話に改善が見られ、それなりに『丁寧な説明』がなされていると思っていましたが、米国FRBのようにまだそれが十分ではないのかもしれません。

 ただいずれにせよ、時期がいつになるかは別にして、金融政策が転換され正常化に向かうというのがメッセージなのでしょうし、それからすれば円高方向に向かいそうな気がします。それを緩やかにするのも日銀総裁の説明能力にかかっているのでしょうか。

焦点:近づくマイナス金利解除の足音、正常化へ歩み 迎える正念場 | ロイター

 口ばかりで不誠実ばかりがまかり通ることが増えているように感じるだけに、経済に大きな影響を及ぼす日銀においては範となる発言を心がけて欲しいと願うばかりです。

論語に学ぶ

巧言令色、鮮なし仁 (「学而第一」3)

 言葉を巧みに飾り立てたり、外見を善人らしく装うのは、「仁」すなわち誠実な人間愛が乏しいということだと、孔子がいいました。

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 孔子は、この章の「仁」に公の徳、人民の幸福を願う心という意味を込めているのではないかといいます。私的なもの媒介せず、真実ないし誠実が問題がされる領域での話であるといいます。君主などに言葉巧みに、顔色をやわらげて人に気に入られようとする人物に人民の心などわかるものではない、との訓戒といいます。

 

 

 国会が荒れています。裏金疑惑をめぐって官房長官や首相の答弁が誠実さを欠いているからのようです。建設的な論戦によって、イデオロギーの差を超えて、日本が世界からリスペクトされる健全な国になれるよう、適正な合意を形成し、政策推進できるようなって欲しいものです。ただそのためにはやらなければならないことが多々ありそうです。

パーティー裏金疑惑の松野官房長官を更迭へ、首相「役割果たして」から一転・後任調整 : 読売新聞

 首相が官房長官を更迭するようです。それで問題解決することはなさそうです。いつまでこのゴタゴタは続くのでしょうか。残念ですが、これがこの国の実力ということなのでしょう。この窮地から抜け出ることはできるのでしょうか。

 

「参考文書」

日銀 植田総裁 今後の金融政策発言で円高ドル安進む | NHK | 日本銀行(日銀)

2024年は円高の一年に|2023年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)

パー券収入、派閥の重要資金源 ずさん会計、裏金づくり温床か:時事ドットコム

 

ボロボロの政府、街中では防犯グッズ「さすまた」が人気商品

 パーティー開催自粛に、首相の派閥離脱など政府自民党が狼狽しているようです。防衛費の財源確保に向けた増税の開始時期をめぐっては、首相が増税の開始時期を決めるのは見送りたいという意向を示したそうです。

防衛増税の具体的な開始時期 今月中の決定を見送る方向で調整 | NHK | 税制改正

 色々事情があるようですが、こんなことで信頼を回復できるのでしょうか。正しいことをやっているのであれば、正々堂々突き進んでいけばよさそうなものです。これでは、これまでが邪道、邪まな考えで間違っていたことをやっていたといっているようなものです。

 

 

国家予算方針

「政治とカネ」で揺れても、年末が近づけば国家予算を編成せねばなりません。おカネのことになればついつい邪まなことを考えがちな人たちが、ほんとうに国民のための予算編成をできるのか、甚だ疑問です。 

 政府はデフレからの完全脱却と民需主導の「成長と分配の好循環」を目指すそうです。 もっともらしいことを言っても、これまでと同じままではまた同じ結果の繰り返しにならないか心配になります。

日本は「昭和を終わらせる」ことに失敗した…社会心理学が教える「失われた30年」が終わらない本当の理由 変革は何かを「始める時」ではなく、「終わらせる時」に起こる | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

昭和という時代から平成への移行に当たって、「バブル景気の終焉」といみじくも表現される「終わらせる契機」を与えられていたにも拘わらず、結局は「あの時代は良かったね」と、山の頂上を振り返りながら下山する過程に終始してしまったのではなかったか。(出所:プレジデントオンライン)

 経済大国というノスタルジーにしがみつくことなく、何かを終わらせ、何か新しいことを始めるときなのかもしれません。

さすまたが人気商品に

 街中では凶悪な強盗事件が多発するようになり、「さすまた」が防犯グッズとして人気商品になり、飛ぶように売れているそうです。それなりの経済効果はあるのかもしれませんが、こんな社会を目指しているのではないはずです。

 

 

論語に学ぶ

詩に興り、礼に立ち、楽に成る。(「泰伯第八」8)

 詩を朗誦して感動を覚え、礼を基盤として規範を身に着け、音楽の調和に従って均衡のとれた生き方、あり方が完成していくと、孔子は言いました。

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テイラー・スウィフト

 米誌タイムが、米国の世界的人気歌手テイラー・スウィフトさんを「今年の人(パーソン・オブ・ザ・イヤー人)」に選んだそうです。

テイラー・スウィフトさん選出 米誌タイム「今年の人」 - 日本経済新聞

「どの年にも光と闇があるが、ことしは闇の割合が大きい年だった。分断された世界で、国境を越え、人々に希望の光をもたらしている」。今日現在、地球上でこれほど多くの人々を感動させることができる人物は他にいないと評価したといいます。

スウィフトさんが国境を超えて人々に明るい希望を与えていると指摘。公演は大人気のため、開催場所が外交にも影響を与える米国の「ソフトパワー」だとたたえた。(出所:日本経済新聞

 芸術分野での成功が評価された人が「今年の人」に選ばれるのは初めてということです。

 これも米国の強さのひとつなのかもしません。日本に欠けているところのひとつではないでしょうか。

 


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「参考文書」

岸田首相が派閥を離れるのは「無派閥の人も大勢いるので」って…理由になってる? なぜ今? いつもその場しのぎ:東京新聞 TOKYO Web

デフレ完全脱却目指す 予算編成方針を閣議決定:時事ドットコム

 

乱れる社会、無責任発言を続ける政府、カラ出張を繰り返す警察官、人権個別研修を受講させられる校長

 政策次第で社会がどれだけ影響されるかをつくづく感じます。暮らしの余裕が削られていきそうで、働くことが苦役になりそうな気がします。今の政府を見ていると、法律を上手に活用し、世をうまく渡っていきなさいといわれているような気がします。ただそれがほんとうに良いことどこかは別として。まともにそれに倣えば、ますます世の秩序が乱れていくのでしょうが。

安倍派「裏金」9千万円超議員も 特捜部、還流の経緯捜査 | 共同通信

 特定議員に9千万円超とは驚きです。160億円近い政党助成金を受ける自民党は、選挙にはカネがかかるといっては政治資金パーティーを繰り返しています。企業も政界とのパイプを確かなものにしようとしてのことか、積極的におカネを提供しているようです。ロービング活動はあって然るべきです。しかし、理性なき活動は害悪にしかならないということなのでしょう。政治も政治なら、経済界も経済界です。

 

 

 政府が推進するマイナンバーカードの「納期を守るべきだ」と発言し炎上した経済同友会代表幹事の新浪氏が、自身の炎上発言について反省していると語っています。

経済同友会の新浪代表「たたかれたらへこむ、でも私は発信をやめない」:日経ビジネス電子版

私は真摯に反省しています。そもそも経済界が国民の信頼を得ていないと思いました。給料は低く抑えられ、我々の目線で考えてくれていないと思われている。国民の信頼を失っているわけです。表現の仕方がまずかったなと感じています。我々はもっと分かりやすく説明することを心がけなければならない。(出所:日経ビジネス

 企業経営者が国民目線を失ってどのように会社を経営するのだろうかと考えてしまいます。利益の源泉はお客様の購買によって生じるのですから。お客様のためにならなければビジネスは成立しません。強いて言えば、企業のロービング活動も長い目で見れば、お客様のためになる者でなければならないはずです。

「言っていることは自分でも正しいと思っている。でもやられるとへこむ」、「ローソンもサントリーも、お客様は消費者で、ネットでたたかれると本当にへこむ」と新浪氏は言います。自分が正しいと思うことと世の中が正しいとものことを一致させることができていないようです。

公正とは何か、道理とは何か、と言うと、長い目で見ても国民が結果的に納得できるものやと思う。一見、少数者の権利に見えても結果において、多くの国民の利益に共通しているものが正義であり、道理ではないか。(引用:中坊公平の闘い)

 こうした視点があれば、もう少し世の中がよくなっていきそうな気がします。

 

 

論語に学ぶ

大なるかな、堯(ぎょう)の君たる、巍巍乎(ぎぎこ)たり。唯天もて大なりとなし、唯堯 之に則る。蕩蕩乎(とうとうこ)として、民 能(よ)く名づくる無し。巍巍乎として、其れ成功有あり。煥乎(かんこ)として、其れ文章有あり。(「泰伯第八」19)

  高大であるな、堯の君徳は。高山を見上げる感じだ。もちろん、天が最も大であり、堯は天の子として天の意向に従った。その君徳は広々としており、民は名づけることができないでいる。山を見上げるほど高いな、堯の政治の成功は。輝ているな、堯の開いた制度、文化は、と孔子がいいました。

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 ぎすぎすとした職場では、ウェルビーイングが求められています。気も漫ろな経営者が職場環境のことを考えることを忘れてしまったからなのでしょうか。

 教育現場では、特別支援学校の校長が、生徒との接し方について相談してきた教諭に対して「犬を扱うように接すればいい」と指導していたといいます。三重県教育委員会は「人権意識の面で課題があると判断し、校長に対し、障害がある子どもの人権などについて個別研修を実施している」と話しているそうです。校長にまでなって人権の個別研修を受ける事態に驚きます。教育委員会は近く記者会見を開くそうです。

 

 

 広島の警察官が「カラ出張」を繰り返し、旅費などを不正に請求していた疑いがあるとして、詐欺などの疑いで近く書類送検されるそうです。この問題をめぐっては、先月、広島県警察本部を退職した元巡査部長の男性が弁護士とともに記者会見を開き、警部からの指示を受けて「カラ出張」を行っていたことを明らかにしていたそうです。警察官の犯罪が増えていないかと心配です。治安維持に支障はないのでしょうか。

 茨城県では行政に不満を持つ男が市役所で車を暴走させる事件を起こしました。世の中の秩序が乱れ、何かおかしくなっていないかと感じます。

安倍派パーティー券問題 「回答拒否」の松野博一官房長官に報道各社が「要望書」 回答期限は7日17時:東京新聞 TOKYO Web

 首相をはじめ政府要人たちは今日も無責任な発言を続けているようです。世間と同じように記者会見を開いて説明責任を果たしてもらたいものです。政治家だけが許されることはないのですから。こうした行為が社会にどのように影響していくのか、政治家は真剣に考えるべきなのでしょう。

 

 

「参考文書」

「幸せ実感」少ない40~50代男性 日経統合ウェルビーイング調査:日経ビジネス電子版

特別支援学校 校長が生徒の接し方“犬と関わるように”と指導 三重 | NHK | 三重県

広島 福山の警察署 警部ら数人“カラ出張”か 書類送検の方針 | NHK | 広島県

 

 

 

晩節を汚す首相、目立つその不誠実さ

 問題は増えるばかりですが、その解決は一向に進みません。首相を筆頭にして「働かないおじさん」が増殖しているからなのでしょうか。

 首相が自民党政調会長時代に、旧統一教会の友好団体トップと面会していたとされる問題について、その場で撮影されたとみられる写真が報じられました。この件について、「同席者は承知していない。写真があったとしても、認識は変わらない」と述べたそうです。

旧統一教会友好団体トップとの同席報道、岸田首相「写真があったとしても認識は変わらない」 : 読売新聞

 これで説明責任が果たせているのでしょうか。不誠実さの現れのような気がします。

 

 

 また政治資金パーティー問題を巡っては、「国民に疑念を持たれるとすれば遺憾だ」と述べ、国民の信頼回復のために党として必要な対策を講じるまでは、自民党の各派閥の政治資金パーティーなどの活動を、当面自粛するよう求める方向で調整に入ったといいます。

岸田首相 派閥の政治資金パーティー 自粛求める方向で調整 | NHK | 政治資金

 相変わらずスローなアクションですが、それより何より、信頼回復のためにパーティ活動自粛とはずいぶんではないかと感じます。不誠実極まりなく、非常識も過ぎるのではないでしょうか。高給取りでありながら居直り続ける「働かないおじさん」の代表格のように見えます。

論語に学ぶ

巍巍乎(ぎぎこ)たり、舜(しゅん)禹(う)の天下を有(たも)つや、与(あずか)らず。(「泰伯第八」18)

「巍巍乎」、高山を見上げる感じだ。舜や禹は天子となっても、自分が陣頭指揮するわけではなかった、孔子がいいました。

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 伝説の君子聖人「舜」や「禹」は、その徳で人々を感化し、国がよく治まったそうです。誠実さなどの徳を知らなければ、国が治まることもないということなのでしょう。優れた人格、人間性がなければ、そもそも国を治める資格もないということでもあるのでしょう。

 

 

 ライドシェアの導入について、超党派の議員たちが勉強会を立ち上げ、議論を始めているようです。

“ライドシェア”めぐりタクシー会社の団体「慎重な検討必要」 | NHK | 国会

 この勉強会に出席した「全国ハイヤー・タクシー連合会」の川鍋一朗会長が意見を述べ、「タクシーやバスの運転に必要な、2種免許を取得するための規制緩和を行うことを優先すべきだ」と述べたうえで、「ライドシェア」は、導入ありきでなく慎重な検討が必要だと主張しましたそうです。

 しかし、こう述べると既得権益を守っているとみされると、川鍋会長はいいます。

「ライドシェア解禁、タクシー退場」では誰も得しない…タクシー業界代表の「同じ条件で競争させて」という訴え 「タクシー不足の解消」に本当に必要なこと | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

「ライドシェア」という目新しいキーワードを独り歩きさせるのではなく、日本の社会にふさわしい公共交通としての「移動の足を増やす」という本質に向き合うことが肝要と考えます。(出所:プレジデントオンライン)

 既得権益の代表とみなされがちな業界団体のこの会長は、タクシー大手の日本交通の取締役を務め、そのほかにもタクシーアプリGOの会長も務めています。アプリの最大のライバルだったDeNAの事業MOVと2020年に合併させることも実現させていたといいます。

「変化はコントロールできない。できるのは、変化の先頭に立つことだけ」ということを信条とし、自動運転という変化が起きるのであれば、自分がその変化の先頭に立ちたいという思いでタクシー業界を引っ張っていきたいと考えているようです。

 まずは「タクシー業界の規制緩和」という川鍋会長の主張がリーズナブルなような気がします。ライドシェア vs タクシーのような議論にするのではなく、問題を本質から捉えて解決していくのが、顕在化する問題解決の近道のようなのかもしれません。

 

 

自分がタクシーアプリを最初に立ち上げ、トップシェアを取ったかもしれないけれど、それは「オレがやった、だから偉い」というのとは違う。自分はその役割を与えられただけで、これは歴史的必然なんだと。(出所:日経ビジネス

川鍋一朗GO会長「稲盛さんの言葉でエゴを乗り越えられた」:日経ビジネス電子版

 「オレが、オレが」、それが、自分のエゴが増大していく元凶であり、晩節を汚す原因であるという稲盛和夫さんの言葉にハッとして、交渉が難航していたMOVとの合弁が解決したといいます。

 政界における問題を見ていると「オレが、オレが」で問題解決を難しくしているのかもしれません。それがまた政治家自らその晩節を汚しているようにも見えます。

 川鍋会長の日本交通では「後世に徳を残す」を社是にしているといいます。

 ライドシェアは今後どうような議論となっていくのでしょうか。正しいロービング活動で問題解決に導いて欲しいものです。

 

「参考文書」

教団関係者が同席?「承知せず」繰り返す首相 党内からも疑問の声 [自民]:朝日新聞デジタル

米国の旧統一教会元会長も同席か 岸田氏面会時とみられる写真も [自民]:朝日新聞デジタル

「君達もいずれ歳を取る」働かないおじさんの主張 反発の声は若手を優遇する経営陣に対しても | HR | 東洋経済オンライン

 

 

次々と露見する不都合な出来事、腐敗進んだ日本

 要人たちが驚くような発言をしています。政界のスクープ報道も増えているようです。何が何だかよくわかりません。何か箍が外れたかのように色々なことがあらわになります。

首相とギングリッチ氏面会「安倍氏が要請」 教団関係者同席問題 [岸田政権] [自民]:朝日新聞デジタル

 首相の口癖にもなった「説明責任」をきちんと果たしてもらいたいものです。

 

 

 麻生内閣官房長官を務めた河村建夫氏が官房機密費などについて発言しています。

【全文公開】河村建夫・元官房長官、馳浩氏の“機密費を五輪招致に使用”発言に重大証言 「ああいう形で大っぴらにするのはマズイ」|NEWSポストセブン

 自民党の政治資金パーティを巡る問題については、東京地検特捜部の捜査が進んでいるようです。

<独自>安倍派事務総長の聴取検討 経験者にパーティー券収入不記載確認、東京地検 - 産経ニュース

 これまでになかったようなことが報じられるようになったと感じます。よくわかりませんが何か事情があってのことのなのでしょうか。いずれにせよ、捜査を通じて事実が明らかにされ、またそれを正して、政界の健全化を進めるべきなのでしょう。

経団連

 経団連の十倉会長も自民党の政治資金パーティを巡る問題について言及しています。「政治団体の責任者が処理についてしっかりとやるべきだ」と述べ、疑惑解明のために説明責任を果たすべきだとの考えを示したそうです。

自民に毎年24億円献金「何が問題なのか」と経団連・十倉雅和会長 「社会貢献の1つ」:東京新聞 TOKYO Web

国からの政党交付金制度があるにもかかわらず経団連が毎年約24億円の政治献金自民党側に続けていることについては「民主主義を維持していくにはコストがかかる。企業がそれを負担するのは社会貢献の1つだ」と説明した。しかし、日本の政治献金は米国に比べて透明性が著しく低い。企業団体献金が税制優遇に結び付くなど政策をゆがめているとの指摘に対しては「世界各国で同様のことが行われている。何が問題なのか」と正当化した。(出所:東京新聞

 

 

 企業がまっとうにロービング活動をしたり、政治家が活動費を得るため正しく働くのであれば、それは適正なことで何も問題はないのでしょう。ただそれが法から逸脱したり、合理性や道義性を欠くことがあれば、許されることではありません。

 十倉会長の説明は如何なものかと感じます。開き直っての言い訳のようにしか聞こえません。これが財界トップの言葉なのでしょうか。邪推かもしれませんが、企業不祥事が絶えないのもわかるような気になります。

論語に学ぶ

 孔子季氏を謂う。八佾(はちいつ)庭に舞わしむ。是れ忍ぶ可(べ)くんば、孰(いず)れをか忍ぶ可からざらん、と。(「八佾第三」1)

 孔子が季一族について密かに論評され、「季氏が自邸の庭で祖先の祭祀を行なうとき、天子しか許されない「八佾」六十四人による納舞をさせた。こういうことを平気で行なうというのであれば、どのようなことでも平気で行なうことになるであろう」といいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 政界、財界の傍若無人ぶり、好き勝手が過ぎるようにも感じます。ここまで腐敗が進めば、日本が混迷するのもわかるような気がします。

 

 

化石賞

 COP28 国連の気候変動枠組み条約第28回締約国会議で、日本が4回連続で「化石賞」を受賞しました。首相の首脳会合での演説内容から判断されたようです。「グリーンウォッシュ」と揶揄され、「化石燃料への公的資金投入で世界をリードした昨年の受賞戦術に満足していないようだ」と皮肉られたといいます。

日本に「化石賞」4回連続、国際環境NGO「脱炭素見せかけているだけ」 : 読売新聞

COP28では、石炭の使用廃止を訴える約160の国や自治体などでつくる「脱石炭国際連盟」に米国が参加。日本は先進7か国(G7)で唯一の不参加国となり、環境団体などから批判を浴びている。(出所:読売新聞)

 これについて経団連十倉会長は「現地では大したことはなく、日本で騒いでいるだけ」「一種のショー的なもの」と語ったといいます。そのうえで「返上できるよう頑張っていきたい」と述べたそうです。どこまで本心を語っているのやらです。

五輪汚職

 先日IOC 国際オリンピック委員会が2038年までの冬季五輪開催候補地を決めました。しかし、残念ながら34年以降の招致を目指していた札幌市は入りませんでした。

「身を引いた」「それは違う」 IOCと日本側の認識にずれ―札幌五輪招致:時事ドットコム

「残念ながら主にガバナンス(組織統治)上の理由で札幌市は当面の間、身を引く決断をした」と、デュビ五輪統括部長が述べたそうです。東京五輪を巡る汚職・談合事件で日本国内で招致への不信感が強まったことを念頭にしての発言と言われているようです。海外からこういう見方をされているということなのでしょう。厳しいです。

 このまま日本は落ちるところまで落ちていくしかないのかもしれません。

 

「参考文書」

官房機密費「陣中見舞いにも」 河村建夫・元官房長官が明かす [自民]:朝日新聞デジタル

気候・中東外交、見せ場乏しく 挽回図るも「内憂」拡大―岸田首相:時事ドットコム