「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

豊田会長の続投を決めたトヨタ株主総会、反対意見、ガバナンスへの疑念

 トヨタ自動車株主総会が開かれ、会社提案通りに豊田会長ら取締役10人が選任されたそうです。

トヨタ株主総会、豊田会長など取締役10人を選任 株主提案は否決 | ロイター

国の「型式指定」を巡る認証不正が発覚した直後の開催ともあって、株主が企業統治について問いただす場面もあった。豊田会長は再発防止の取り組みを主導するが、不正の責任を問う声も上がっており、企業統治には厳しい視線が注がれる。(出所:日本経済新聞

 米大手議決権行使助言会社2社が豊田会長の選任に反対を推奨し、一部の機関投資家が「安全と法令順守の観点」から事前に反対票を投じ、注目されていたといいます。

 

 

 冒頭、議長を務めた佐藤社長は「豊田会長がグループの責任者として先頭に立ち、現場に根ざした改善を進めている。私も会長とともに現場で再発防止にしっかりと取り組む」と述べ、謝罪したそうです。

 取締役選任反対の背景には、認証制度への責任転嫁など豊田会長の会見時の発言が他人事のような印象を与えことがあるようです。「問題を提起して解決を図る力を有する立場にありながら、全く主体性をもって行ってこなかったことへの反省がみられない」と専門家も語っています。

 率直に語ることは大切なのでしょうが、それは包み隠さずに話すこととは違うような気がします。重大な案件においては、タイミングと言葉を選んで伝えることが重要なのでしょう。コミュニケーション、広報にも問題があるのかもしれません。

経営の怠慢

 今回の不祥事は、トヨタほどの企業であっても多くの問題を抱えていることを浮き彫りにしています。「経営の怠慢」と指摘する人もいます。

トヨタ会長発言を「経営の怠慢」と切り捨てた理由、日本企業がDXでやるべきこと | 日経クロステック(xTECH)

安全性を担保する極めて重要な業務が正しくなされるよう統制し、状況を把握する仕組みが存在せず、経営者はそのことに問題意識すら持っていない。だからこそ、経営の怠慢と批判されてしかるべきなのだ。(出所:日経クロステック)

 誰もが真面目に働いているにもかかわらず、納期などで追い込まれて不正に手を染めている。一方で、認証関連業務は標準化されておらず、属人的であるといいます。そこに現場での独自解釈の余地が生まれ、試験を効率化させて「不正」につながったのではないかといいます。トヨタの強みである「カイゼン」が「罪の意識」の希薄さを産み、不正の温床になってしまったということなのでしょうか。

 

 

日本企業は「勝手にやっている現場の集合体」である。お家芸カイゼンも当然、勝手にやっている現場の部署単位に取り組みが進む。…(中略)… 要するに、全体最適なき部分最適の集合体である。(出所:日経クロステック)

 あながち間違いでもないようにも感じます。全体をシステムとして捉えて上位概念によるコントロールが求められるということなのでしょう。こうなってくると組織論も避け得ず、やはり経営問題にもかかわるということでしょうか。悩ましい問題です。

論語に学ぶ

学びて思わざれば、則ち罔(くら)し。思いて学ばれば、則ち殆(まど)う。(「為政第二」15)

 知識や情報をたくさん得ても思考しなければ、どうして活かせばいいのか分からない。逆に、思考するばかりで知識や情報がなければ、一方的になり独善的になってしまうと孔子はいいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 改善・改革についても同じことがいえるのでしょう。基礎を知らなければ改善は出来ないし、最新の情報がなければ、時代に適合した最善の改善策を思いつくこともありません。結局、現場における改善には終わりはなく、経営においても同様で常に改革することが求められているのでしょう。

 

 

 新車の販売が遅れるなど、今回の認証不正の影響が広がりそうです。この問題はどう収束していくのでしょうか。

トヨタ、新型クラウンの発売延期 不正問題受け、認証取得見送り | 共同通信

 トヨタが主張するように認証制度の見直しが根本対策になるのかもしれませんが、その前にやらなければならないこともありそうです。

 また豊田会長の去就も気になるところです。タイミングを見計らって経営責任をとって身を引くこともあっても良さそうな気がします。これだけの問題に発展しているのですからやはりガバナンスに問題があったと言わざるを得ないのでしょう。

 

 

 日本のいたるところに不正がはびこるようになっているのも気になります。誠実さに欠け政治改革が行き詰まらせる自民党政治がその筆頭なのでしょうが。またもめごとが増えてきた小池都政もそうなのかもしれません。

 真の改革が求められていそうです。「ガラガラポン」、一旦白紙に戻すためにも古い人たちが去り、新たな陣容で再スタート切るべきときなのかもしれません。変わらないこと、変えられないことにほんとうにうんざりです。

 

「参考文書」

トヨタ・豊田章男会長、信頼回復へ「院政も」 現場で改善主導 - 日本経済新聞

焦点:トヨタ会長に相次ぐ反対推奨、統治と認証不正 株主どう判断 | ロイター

 

株主総会のシーズン、押し寄せるアクティビスト 物言う株主たち

 株主総会シーズンを迎え、アクティビスト 物言う株主の動きが活発化、上場企業との攻防が激しさを増しているそうです。英投資ファンドのパリサー・キャピタルは京成電鉄に対し、保有する東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド(OLC)の株式の一部売却を提案しているといいます。

北越コーポに社長解任、京成にディズニー株売却を提案 物言う株主と企業の攻防激化 - 産経ニュース

ガバナンス(企業統治)が弱く、業績が標準以下なら説明責任を問わないといけない。レベルの低いマネジメントを続けさせてはいけない。(出所:産経新聞

 香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントは、株式を保有する製紙大手の北越コーポレーションなどの経営姿勢について批判し、北越コーポには資本提携する大王製紙と相乗効果が生み出せていないとして、岸本社長の解任を求めているといいます。

 

 

「アクティビスト」物言う株主というと、かつて流行った「ハゲタカファンド」がイメージされ、何となくよからぬ存在かと思いがちですですが、趣が異なってきているのでしょうか。主張していることは結構まともで、逆にそれに反対意見を述べる経営陣の方が邪道ではないかと思えたりします。

「まったくシナジー 相乗効果がない」、京成電鉄に対し、保有するOLC株の一部売却を提案している英投資ファンドのパリサー・キャピタルはそう指摘し、その売却益で、運賃値下げや沿線開発などに振り向け、企業価値向上に努めるよう求めているそうです。

 これに対し、京成電鉄は「短期的な売却自体を目的化している」と批判し、真っ向から対立しているといいます。

 優れた事業ポートフォリオ、資産ポートフォリオを持ちながら一方で、企業価値評価が低ければ、経営に問題があると指摘されてもしかたありません。改革できれば価値が向上し、利益が上がるポテンシャルが高ければ、アプローチがあって当然なのでしょう。その上、割安に投資できるのであればなおさらです。

 どちらがほんとうにすべてのステークホルダーためになっているのでしょうか。経営陣は改革を拒み保守的で、一方、ファンド側はステークホルダーに便益還元するために変革を求める.....

 株主の要望に応えるのはもちろんのこと、社会に貢献してこそ企業の存在価値です。賃上げもそこに含まれるものなのでしょう。それらを実現するためには永続的に利益を創出していかねばなりませんし、その成果が上がっていれば企業価値が下がろうはずもありません。

 

 

論語に学ぶ

季康子(きこうし)問えらく、民をして敬、忠にして以て勧めしむには、之を如何せん、と。子曰わく、之に臨むに荘(そう)を以てすれば、則(すなわ)ち敬せん。孝慈(こうじ)もてすれば、則ち忠ならん。善を挙げて不能を教うれば、則ち勧めしめん、と。(「為政第二」20)

 魯を実効支配する季康子が「人民が「敬」「忠」を持つように勧めたいのだが、どうすればよいのか」と問いました。孔子は「人民の前で、「荘」厳かにすることです。そうすれば民は敬います。孝を実践し、民を慈しむことです。そうなれば、民は まごころをこめて、よくつとめを果たすようになります。善人を登用し、不善者に教えることです。そうあれば、善行をするようになります」と答えました。

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 民にあれこれと望むのではなく、まずは権力者が自ら自助せよということでしょうか。そうできないから乱れ、衰退するということでしょうか。

 

 

 裏金事件に揺れる国会がいよいよ終盤となり、政府自民党への風当たりがますます強まっているようです。政治資金規正法改正にあたっては、新たな抜け道作りになっているのではないかと野党が追及、批判しています。

維新、参院では一転して反対へ 規正法改正案 問責決議案も検討 | 毎日新聞

 見え透いた嘘、約束の反故、そうしたことが平然とまかり通るようであれば、誰も信用しなくなってあたり前のなのでしょうし、秩序が崩壊していくのもわかるような気がします。

 昨今の政治や不正まみれの企業を見ていると、リーダー選びに間違いがあるように思えてなりません。権力者、上に立つ者が善人とまでいかなくとも、人格者であれば展開は異なるものになっていたのではないでしょうか。日本衰退の真因がここにあるのかもしれません。

 

「参考文書」

ディズニー株売却迫る英ファンド「京成電鉄は株式トレーダーではない」:日経ビジネス電子版

キーエンス、平均年収2067万円 3年連続2000万円超え - 日本経済新聞

野田元総理が自民党の改革案を“遅すぎる上に小粒すぎる”と指摘 政治資金規正法改正の議論大詰め 与野党攻防は最終局面へ | TBS NEWS DIG

 

 

【世界平和サミット】グローバルサウス台頭、変わっていきそうな国際秩序

 ウクライナが提唱する和平案の実現に向けた「世界平和サミット」が2日間の日程を終え閉幕、ウクライナの「領土保全の尊重」などをうたった共同声明に署名したのは84ヶ国にとどまったそうです。ゼレンスキー大統領は、新興国を中心とする「グローバルサウス」の一部主要国からの支持を取り付けることをできなかったといいます。

ウクライナ「平和サミット」閉幕、グローバルサウスの支持獲得ならず - Bloomberg

 この会議に参加したのは100余りの国と機関、サウジアラビアアラブ首長国連邦UAE)、タイ、インドネシアなどが共同声明に署名しなかったそうです。

 世界が一致してロシアに対し圧力を強めることができればよかったのでしょうが、期待していた新興国の支持は思うように広がらず、目論見通りにはならなかったようです。有力な仲介役が不在だったということでしょうか。問題解決が厳しくなっていそうです。

 

 

 経済規模も大きく平和国家である日本が仲介役に徹するようになれればいいのでしょうが、それも叶わなくなっています。経済はジリ貧で、平和を脅かすような言動を繰り返していては国際的にも信用を失い、影響力を弱めるのかもしれません。

 イタリアで開催されたG7主要7カ国首脳会議に出席した首相はスイスに移動し、この会議に参加していました。しかし、5時間半ばかりの滞在で帰国の途についたそうです。衆院決算行政監視委員会に出席しなければならず、16日には帰国する必要があったといいます。国内政治の乱れが、得意の外交にも影響しているというところでしょうか。

「死に体」化進む岸田内閣 支持率最低を更新◆時事6月世論調査【解説委員室から】:時事ドットコム

 自民党内からも首相批判、退陣を求める声があがるようになってきたようです。

「こういう状況に至った責任は最終的に誰かが取らなければならない」

 政治の乱れは9月の自民党総裁選まで続くことになりそうです。

 政治の乱れは、日本ばかりでなく、英国やフランスにおいても同様のようです。一方、台頭してきたグローバルサウスにおいては、欧米型の自由な民主主義とは一線を画す「オルタナ(代替)民主主義」が広がっているといいます。指導者が自らの正統性を主張するために選挙制度を整備しつつも、実質的に権威主義体制を続ける国が目立ってきたそうです。

多くの国の有権者が民主主義に懐疑的=政府間組織IDEA | ロイター

「議会や選挙に煩わされない強力な指導者」について好意的な見方をする人も増加傾向にあるそうです。一方、多くの国の有権者が自国の民主主義と制度への信頼に危機感を抱いているといいます。

 

 

論語に学ぶ

甚だしいかな、吾が衰えたることや。久しいかな、吾(われ)復(また)夢に周公見ず。(「述而第七」5)

 ひどく衰えてきた、もう長い間、周公の夢を見なくなっていると孔子はいいました。

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 孔子は、周公の政治を理想としていたといいます。兄武王が周王朝を建て、自身は首相格として政権を輔佐し、諸制度を整備したといいます。

 

 

民主主義国家は、ガバナンスを改善するとともに、信頼できる選挙に対する虚偽の告発を助長している偽情報文化に対抗することによって、国民の懐疑心に対応しなくてはならない。(出所:ロイター)

前川喜平氏「小池百合子氏は中身空っぽ」 蓮舫氏支援集会が過熱 革新都政再来への期待も - 産経ニュース

 やらなければならないことが多々ありそうです。しかし、それにまっとうに取り組むことができなくなっているのが今の政治のようです。政治家の能力不足ということなのでしょうか。人格ある政治家の登場が待たれます。

 

 

「参考文書」

ウクライナ「領土保全の尊重」など採択 和平サミット共同声明、インドや南アは見送り - 産経ニュース

ウクライナ平和サミット開幕、共同宣言草案でロシアの戦争非難 | ロイター

岸田文雄首相、スイス滞在5時間 国会控え国際会議に強行軍 - 日本経済新聞

麻生派議員が岸田首相退陣論 「責任誰かが取らねば」 - 日本経済新聞

岸田文雄首相、総裁再選へ攻め手欠く 麻生太郎氏と関係修復探る - 日本経済新聞

ハイブリッド化する新興国政治 民主主義と権威主義併存 Polar Shift サウスの論理 - 日本経済新聞

変質する民主主義の警鐘 日本も米欧を笑えない 論説委員長 菅野 幹雄 - 日本経済新聞

 

足踏み続く日本株、世は昭和ブーム、あの頃のようにはいかない現実

 世界の投資資金は、米国株だけに流れる「米国1強」の状況になりつつあるといいます。米株式相場は過去最高値の更新を続けるのに対し、日本株は足踏み状態が続いています。トヨタ自動車やNTT、ソニーグループなど日本を代表する主力株の一角すら売りに押されることもあるそうです。

出遅れ感強まる日本株 資金フローは米国「1強」 日経QUICKニュース 張間正義 - 日本経済新聞

 日本株の出遅れ感が強まっているといいます。期待先行で高値を付け、もしや日本復活もあるのでないかとの思いを巡らせたものですが、チャンスを活かすことができていないようです。

 

 

  損害保険ジャパンが、企業向け保険のカルテル問題を受けて設置した外部弁護士による調査委員会の報告書を公表したそうです。営業活動を担う125の部や支店などのうち、約77%で不適切行為が確認されたといいます。最も古い不適切行為は1968年にさかのぼるそうです。

ゆがんだ慣習、全て捨てる SOMPO奥村幹夫CEO - 日本経済新聞

事業モデルの古さが浮き彫りになった。(出所:日本経済新聞

「踏み込んだ構造改革を行わないならば、同様の不祥事を再発させ企業として存立が困難になる」、調査委員会はそう指摘したといいます。

 時代に適合しない古くてゆがんだ慣習は何もSOMPOだけではないのかもしれません。政治をはじめ、ありとあらゆるところに、しつこくはびこっていそうです。

 裏金事件、それを単にして明るみになった企業献金の問題。企業においても不正が次々に明るみになり、またモラルの低下による不祥事も相次いでいます。こうした陳腐化した慣習をアップデートできないことが、諸悪の根源になっていそうな気もします。

 

 

論語に学ぶ

述べて作らず、信じて、古(いにしえ)を好む。窃(ひそ)かに我を老彭(ろうほう)に比(なぞら)う。(「述而第七」1)

 祖述はするが創作はしない。自分の基本的な態度は、周公以来の礼楽の道をいまに伝えようとすることにあって、自ら新しい型を創り出そうとするものではない。それは殷代の彭祖と同じだとひそかに思っていると孔子はいいました。

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 古いものを精根こめて学びとろうとするうちに、もし当人に独異の才能があれば、それは必ず表層に現れてくる、しかし、みだりに幼稚な「独創性」をあわてて発揮しようとはしない、そう孔子は言いたかったのではないかといいます。

「述べて作らず、信じて、古を好む」、これが尚古主義の原点ではないかという意見もあるようです。「尚古主義」、古い時代の文物・制度などを尊び、これを模範としてならおうとする考え方で、停滞のもとになるとの見方もあるようです。

 

 

「昭和レトロ」が流行っているといいます。色々な理由があるのでしょうが、衰退を感じる現在にあっては、あの当時の力強さと勝手さに惹かれ、「ニッポンすごい」に憧れがあったりするのでしょうか。

昭和レトロはどこへ行く――令和の若者にウケるわけ|文化|中央公論.jp

 そんな時代を懐かしむのはいいのでしょうが、尚古主義につなげるようなことは避けなければなりません。

 伝統を墨守するようなことではなく、それを現代の火にかけて新しい味わいを問い直してみるべきであって、こうした知的訓練を重ねることで、複雑で混沌とした今の時代を、そして、切実な現実を鋭くまた筋道をたててとらえることができるようになるのかもしれません。またそうすることによって進歩につながっていきそう気もします。永遠の真理の今日的意味をさぐることなくして、新しさが現出することはないのでしょう。

「昭和ブーム」、まさかいい歳の大人までが若者に刺激されて昭和を懐かしみ、ただそれに回帰しようと願っていないかと心配になります。まさかそれが日本の停滞性につながっているとは思いたくないですが。

 

 

「参考文書」

損保ジャパン77%で不適切行為 営業担う125の部や支店のうち | 共同通信

パナHD副社長「想像力が欠如」 カメラ新製品サイト「写真問題」で:朝日新聞デジタル

大谷翔平出禁に続いて…「老いぼれ役員を辞めさせろ!」フジテレビに“モノ言う株主”がブチギレていた…!(マネー現代編集部) | マネー現代 | 講談社

『松本清張の昭和史』~作家・清張の目を通して問い直す昭和前期の日本:日経ビジネス電子版

 

思惑通りに進まないイベント、物憂げな6月

 6月、G7サミットなど色々なイベントが催されています。そのたびに世界の混乱ぶりがあらわになります。

プーチン氏、ウクライナに「最後通告」 NATO加盟撤回や4州割譲要求 | ロイター

 G7が結束すれば結束するほど、かえって反発を食らうことになっていそうです。経済規模で他を圧倒することもなくなり、その影響力が弱まっていることがはっきりしてきているようです。

 

 

日銀金融政策決定会合

 日本では、日銀の金融政策決定会合が開かれました。長期国債の買い入れを減額する方針を決定し、具体策は次回の7月の会合で決めるそうです。市場の期待と異なったためか、一時円安が進みましたが、総裁会見で火消しはうまくいき、無難に通過できたともいわれます。

日銀が国債購入を減額へ、相応の規模と植田総裁-7月利上げ排除せず - Bloomberg

 次回会合で具体策を決めることについて、「判断を的確にするためにも市場参加者の意見も聞き、丁寧に決定のプロセスを進めたい」と説明、「ある程度の予見可能性を担保するため、まず1-2年分のスケジュールを大まかに示す」と発言していました。植田総裁は「予見可能性」という言葉をしきりに使っていたようです。

予見可能性」、首相も国会答弁でよく使うようになっています。何か相通じるものがあるのでしょうか。

日本の将来の予見可能性を国民の前にしっかり示すためだ。明日は必ずよくなるという予見可能性があってこそ、多くの国民のみなさんに、だったら自分はこうしようと思ってもらえる。そのために大きな方向性を示さないといけない。日本は明日は今日より必ずよくなるという姿を見せたい。これが私の取り組んできた大きな目標だ。(出所:日刊スポーツ

 

 

 G7サミットで首相が不在の隙をついて、自民党の麻生副総裁と茂木幹事長が会食したそうです。

麻生、茂木両氏が会食 外遊中の首相けん制か、自民党総裁選控え | 毎日新聞

 政治資金規正法の改正を巡り、蜜月であった麻生、茂木両氏と対立するようになっているといいます。

論語に学ぶ

利に放(よ)りて行えば、怨み多し。(「里仁第四」12)

  利害打算だけで行動すると、他者から怨まれることが多くなると孔子は言いました。

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「利」とは、公益、公利であり、国家、社会のためとするのが孔子の考えです。この章での「利」は私利私欲を指し、それを批判しているといわれます。

 

 

 定額減税に始まり、首相の思惑が見え隠れする6月。国会の会期も迫ってきました。必ずしも首相の思惑通りになっていないようにも見えます。

 来月には東京都知事選があり、9月は自民党の総裁が控えます。混乱が収まるのは今しばらく先になりそうです。いつになったら政治家は国民のために働いてくれるようになるのでしょうか。

 

 

「参考文書」

来週のドル・円は上昇か、日銀慎重姿勢映し円売り-節目158円上回る - Bloomberg

【日本株週間展望】上昇へ、米利下げ期待再燃か-日本のCPIは警戒 - Bloomberg

岸田首相「何がやりたいのか」の指摘に「明日は今日より良くなる姿を」強調も国民には響かぬ答弁 - 社会 : 日刊スポーツ

岸田首相「麻生さんは納得してくれねえ」会食誘ってもつれない後見役:朝日新聞デジタル

 


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日本発の変革者は出現するか、巨大テクノロジー企業の独占を規制する法が成立

 SNSなどに投資詐欺や特殊詐欺がはびこり、犯罪の温床になってしまったようにも感じます。これだけ被害が拡大しているのですから、何か規制があってあってもよさそうです。

メタ日本法人代表、なりすまし広告詐欺「重く受け止める」 - 日本経済新聞

「広告監視強化」、 解決はプラットフォーマーなどによる自主的監視に頼らざるを得ないのでしょうか。しかし、その基準が曖昧であれば、通り抜けていくものも多そうです。監視だけでは限界もありそうな気がします。もう少し政治が積極的になってもよさそうなものです。

 

 

 ビッグテックと呼ばれる巨大テクノロジー企業によって生み出された様々なアプリ、サービスなどが生活に入り込むようになりました。その裏では個人などデータなどが取り込まれ、それらが巨額な収益の源泉となっています。

GoogleやApple…ビッグテックはお嫌いですか? 「超国家」に身構える市民 - 日本経済新聞

 それに加え寡占化も進んでいます。一部の企業があまりに大きな力を持つことになっています。まるで世界を支配する「超国家」のような存在になりつつあるといいます。

独占規制法成立 

 巨大テクノロジー企業によるアプリ市場における独占を規制する新法「スマホ特定ソフトウエア競争促進法」が成立しました。競争を促し、提供価格の低下や利用者の選択肢を増やすことが目的だといいます。すでにEU 欧州連合が同種の規制で先行し、日本が追随することで、市場に変化は起きるのでしょうか。

巨大IT企業の独占規制法成立 スマホアプリ、競争促し価格低下 | 共同通信

 こうした政治の動きに懐疑的な見方があるようです。

政治的「解決」は答えになり得ない。辛抱すれば、創造的破壊――絶えず現れる新たなスタートアップが、優れたビジョンを持って老いる巨人に置き換わることで自然に解決していく。いわば、ほぼ完璧な自己調整の特徴といえよう。(出所:ダイヤモンドオンライン)

 

 

巨大さとは、すなわち巨利を生む存在である。企業が社会的ゴリアテに成長するに伴い、新しく起業家精神あふれるダビデが倒す機会を見出す。年老いて太った狩人は、狩られる側となる。新たな変革者が出現して台頭し、素早く変化、適応、変革できない古い大物を転覆させるのだ。(出所:ダイヤモンドオンライン)

 新たに成立した巨大テクノロジー企業の独占を規制する法で、日本発の新たな有用なサービスが生まれることはあるのでしょうか。それらによって今ある問題が解決され、巨人を凌駕するようになっていくことが理想なのでしょうが、そんな変革者が現れるのでしょうか。

 経営とは、「価値創造」を通じて対立を解消しながら人間の共同体を作り上げることだといいます。しかし、今では価値を作ることに目を向けず、それよりも他者を出し抜いて自分のものにしようとか、うまくいかない原因は他人のせいだという考え方がはびこっているといいます。価値とは奪い合うものではなく、無限に創造できるものと気づくべきといいます。

 

 

 強欲インフレという造語が、欧米では広まっているそうです。便乗値上げなどをした企業の取り分が多すぎることを指しといいます。日本も同様でその傾向が強まっていそうといいます。

もうけを賃上げに回さず会社が丸取り…「強欲インフレ」が日本を覆う 「人への投資」を問われた経団連会長は:東京新聞 TOKYO Web

 長引く物価高は、企業による必要以上の値上げが一因になっているとの見方があるそうです。企業がコスト増加分を上回る値上げで収益を拡大させ、過去最高を更新しています。しかし賃金には十分還元されない状況が続いています。

 こうした見方に、経団連の十倉会長は、付加価値(粗利)に占める人件費の割合「労働分配率」が「世界的に低下傾向にある」と説明したといいます。自ら変化を求めず、世界のものまねをしてそれを言い訳にしているようであれば、いつまでたっても新たな価値を創造することはなさそうです。

論語に学ぶ

柴(さい)や愚、参(しん)や魯(ろ)、師や辟(へき)、由(ゆう)や喭(がん)。子曰わく、回(かい)や其れ庶(ちか)きか。屢(つね)空(むな)し。賜(し)や命を受けずして貨殖(かしょく)す。億(はか)れば則ち屢に中(あ)たる、と。(「先進第十一」18)

 柴君は愚直、参君は重厚、師君は習熟。由君は強気、孔子はさらに「回君こそ、私のありかたに近いぞ、毎(つね)に心空しの状態となる。賜君(子貢)は天命を待ち受けず、自力で財産を増やす。考えて発言するが、いつも正確である」といいました。

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 今の日本には子貢のようなタイプのリーダーが求められているのかもしれません。

 

 

 かつて日本を先進国へと駆け上ることができたにも、政治(自民党)と今の大企業の存在があったからなのでしょう。その成功でどちらも一時的は巨大となり、それが巨利を産み、この世の春を謳歌していたのでしょう。しかし、それはもう過去のことです。世界の競争に敗れ、素早く変化、適応、変革できない古い大物だったということが明らかになっています。さてさてこの先変われることはあるのでしょうか。

 足元で日経平均株価が足踏みを続けています。株価を押し上げる牽引役が不在といいます。

 

「参考文書」

ビッグテック「市場支配」は規制より創造的破壊が解決、世界トップ企業は入れ替わる | 政策・マーケットラボ | ダイヤモンド・オンライン

岩尾俊兵「世界は経営でできている」 無限に創造できる人生の価値|好書好日

日経平均156円安 株価失速が示すけん引役不在 大越優樹 - 日本経済新聞

 

不人気な首脳ばかりが集まるG7サミット、民主主義の衰えのよう

 政治の混乱は日本だけではないようで、欧州もまた混乱しています。フランスでは、マクロン大統領が欧州議会選での敗北を受け、突如国民議会を解散すると言い出し、選挙を前にして政党の合従連衡が活発になっているといいます。

フランス野党・共和党、党首を除名 極右と協力宣言巡り - 日本経済新聞

「国民連合(RN)との連携、右派の思想を支持する全ての人の連携だ」、中道右派共和党が極右政党との協力を決めましたが、党首が除名され、協力を見送る方向になったといいます。一方、左派の政党は大連合を組むそうです。マクロン大統領の与党連合が下院選で巻き返せるか、状況は混沌としているといいます。

 

 

 日本もゴタゴタ劇が収まりません。「ムジナ3兄弟」と揶揄される自民、公明、維新が混乱の元のようです。旧文通費の使途を公開するための関連法改正をめぐっては、今国会での実現に消極的な姿勢を示した自民党に対し、維新が「うそつき内閣」などと噛みつき、首相が弁明していました。

旧文通費、自民は今国会での見直し消極的 維新反発「うそつき内閣」 [自民] [維新]:朝日新聞デジタル

 公明は「自民党はなかなか具体策を出さずグズグズし、あっちの補欠選挙、こっちの知事選挙と、どんどん負け続けた」と自民の鈍重さを批判しますが、一方で、連立から離脱の気配はなく、「ご都合主義」のような対応を続けています。選挙で自民と共倒れになるわけにはいかないとの判断があるからだといいます。何だかなと思う状況が続きます。

 これでは国民生活が向上することはなさそうですし、社会にも悪い影響を及ぼしていくのではないでしょうか。

 

 

論語に学ぶ

魯、衛の政(まつりごと)は、兄弟(けいてい)なり。(「子路第十三」7)

 魯と衛の政治は兄弟のようなものだと孔子はいいました。 

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 魯、衛ともに、周王朝を建てた武王の2人の兄弟がよって統治されていました。建国当初はよく治まっていたそうですが、その後、政治は乱れていったといいます。この孔子のことばはそれを嘆いてのことといいます。

 

 

 長期政権の権威主義国ばかりでなく、民主主義国家の政治も乱れているのが今の世界のようです。こうなるとどっちもどっちのように見えます。G7サミットが始まりましたが、集まる首脳はみな国内政治に問題を抱え、不人気で低支持率に喘いでいるといいます。民主主義が機能せずに、衰退していないでしょうか。

七夕、首都決戦

 来月七夕に東京都知事選が実施されます。立候補が多数になるようですが、実質的に現職の小池知事と立憲民主党を離党した蓮舫氏の一騎打ちとの見方のようです。

日本維新の会、東京都知事選挙で独自候補擁立断念 馬場伸幸代表が表明 - 日本経済新聞

 男女平等度を示す「ジェンダーギャップ指数」が118位と低迷を続ける日本にあって女性候補同士の争いは喜ばしいことです。しかし、変わらぬ顔にどうなのかなと感じるところもあります。今の日本政治の実情、混乱ぶりをよく表しているのかもしれません。

 こんな政治に振り回されるのはもう懲り懲りです。一刻も早く混乱を鎮め、政治を一から作り直すくらいになっていって欲しいものです。

 政治家の能力に問題はないのでしょうか。複雑で変化の激しい、このデジタルの時代に見合う能力を有しているのか、甚だ疑問です。まずはこの時代に適合するよう「政治倫理」「政治道徳」を再定義するところから始める必要がありそうです。

 国民にリスキリングを求める前に、まずは政治家が自ら率先してアンラーニング 学習棄却して、古めかしく不適切になった習慣、知識、価値観などを棄て、新たに妥当性が高く、有用なものを学び直し、身につけてほしいものです。

 

「参考文書」

欧州右旋回、アジアに冷風 東欧・バルトとの連携に活路 本社コメンテーター 秋田浩之 - 日本経済新聞

フランス、極右を軸に右派連合 金融市場はトリプル安 - 日本経済新聞

裏金に「気付かなかった」場合、議員はセーフ…自民が認める 野党「今までと同じ」 あちこち抜け穴の自民案:東京新聞 TOKYO Web

ジェンダー平等118位、G7最低 男女格差の解消、停滞続く日本:朝日新聞デジタル