「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

「めっちゃ」という新しい日本語表現と監視が厳しくなる電車の中【名正しからざれば、則ち言順ならず】 ~ 炉辺閑話 #44

 

 文化庁が国語施策の参考とするため、毎年「国語に関する世論調査」を実施している。

 「めっちゃ」ということばが浸透し、「じみに痛い」や「そっこう帰る」と言う人が4割近くいるという結果が、日本語の新しい表現についての調査でわかったそうだ。

令和2年度「国語に関する世論調査」の結果について | 文化庁

 その調査は、「日本語を大切にしているか」という問いから始まり、7割台半ばの国民が「大切にしている」と答える。 日本語を大切にしている理由には、「日本語によって、ものを考えたり感じたり善悪の判断をしたりしているから」と、5割の人々がそう答えたそうだ。

 

 

「めっちゃ」6割近く使用 「まるっと」1割、浸透せず―文化庁国語世論調査:時事ドットコム

「がぜん」の意味を「とても、断然」と回答したのは67%で、本来の「急に、突然」の23.6%を大きく上回った。

「破天荒」も、「豪快で大胆な様子」を選んだ人は65.4%で、本来の「誰もなし得なかったことをすること」を選んだのは23.3%だった。 (出所:JIJI.COM)

 多くの人たちが日本語を大切にしているながら、その言葉の使い方は時代とともに変化していくのであろうか。日常会話はそれでもいいのかもしれないが、仕事となれば、そうもいかない。

論語の教え

「君子は其の知らざる所に於いては、蓋(けだ)し闕如(けつじょ)たり。名正しからざれば、則ち言順(げんじゅん)ならず」と、論語子路第十三」3 にある。

 弟子の子路が「衛の国君が、先生を礼遇して政治を委ねられるとしますならば、先生は何から手をつけようとなされまするか」と、孔子に質問すると、「決まっている、名を正すことだ」と答え、「君子 教養人たる者は、自分が知らないことについては、知らないままにすることだ。名が正しくなければ、言が妥当でない」といったという。

 さらに孔子は、「言順ならざれば、則ち事成らず、事成らざれば、則ち礼楽(れいがく)興(おこ)らず。礼楽興らざれば、則ち刑罰 中(あ)たらず。刑罰 中たらざれば、則ち民 手足を錯(お)く所無し。故に君子 之を名づくれば、必ず言う可し。之を言えば、必ず行う可し。君子は其の言に於いて、苟(いやしく)もする所 無きのみ」と述べたそうだ。

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 「名」とは、文字や記号をいい、「言」は、言葉や筋、論理のこと。

言が妥当でないと、事が達成されない。事がが達成されないと、礼楽(規範や道徳)が盛んとならなくなる。礼楽が盛んにならないと、刑罰が当を得なくなる。刑罰が当を得なくなると、民には不安でゆっくり手足を伸ばして安らかに暮らすことができなくなる。だからこそ、君子 教養人は、名づければ、主張の筋を通すことができ、それができると政事が完成し、道徳が守られ妥当な刑罰を行える。その発言においては、知らないことは知らないままにしておき、軽はずみがあってはならない。 (参考:論語 加地伸行

 

 

 小田急線で8月、電車内で乗客が刺される事件が発生したのを受け、国土交通省が、その再発防止に向けた警備強化や被害回避・軽減対策を発表した。

小田急線の刺傷事件で国交省が対策発表 AIやピクトグラム活用 | 毎日新聞

 毎日新聞によれば、 人工知能(AI)の最新技術を活用するなどして、防犯カメラの画像を解析して不審者や不審物を検知する機能を高度化、技術の共有化を検討するそうだ。

 つい先日、JR東日本が不審者に対する防犯カメラの顔認証機能を使わないとしたが、その流れに反し、ひとつの事件がきかっけで、罪なき人々までもが監視されるかのようになってしまう。

言順ならざれば、則ち事成らず、事成らざれば、則ち礼楽 興らず。礼楽興らざれば、則ち刑罰 中たらず。刑罰 中たらざれば、則ち民 手足を錯く所無し

 こうしたことも言葉の乱れの影響があったりするのだろうか。

 

【礼は其の奢らんよりは、寧ろ倹せよ】中国恒大にみる過ぎた資金調達の問題 ~炉辺閑話 #43

 

 中国恒大集団の債務危機による世界経済への影響が懸念されています。中国恒大が今のままあり続けるということはないのでしょうか。

 当局の規制があったにせよ、資金調達が難しくなったからといって、常軌を逸したように、理財商品を乱発、その調達に問題があったのではないでしょうか。

 利回り12%、ダイソンの空気清浄器やグッチのバッグまでもらえ、中国随一の不動産開発会社による保証付き、こうした条件に誘われ、8万人もの投資家が中国恒大集団の資産運用商品「理財商品」を購入したといいます。

アングル:グッチのバッグやダイソン家電 中国恒大の理財商品、派手に販促 | ロイター

 ロイターによれば、その総額はなんと1000億元を超えているそうです。

 こんなことでは当局が目をつけるのも、何となく理解できます。「大き過ぎてつぶせない」と言いますが、救済に二の足を踏むことにつながっているのでしょうか。

 

 

論語の教え

「礼は其の奢らんよりは、寧ろ倹せよ」

 と、論語「八佾第三」4 にあります。

「礼を行なうとき本来のありかたとしては、派手にするよりも質素にする」との意味です。

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 古来、中国では、暴飲暴食は悪徳され、酒池肉林にふける特権者は暴君とされたといいます。

 当局による規制強化があったなら、光彩陸離、派手に振舞うよりは質素にすべきだったということでしょうか。

君子は食に飽くるを求むることなく、居(お)るに安きを求むること無し。事に敏に、言に慎み、有道に就きて正す。学を好むと謂う可(べ)きのみ、と「学而第一」14 にあります。

 こうした言葉で、奢侈を戒めてきたのかもしれません。

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君子 教養人は腹いっぱいの美食を求めたり、豪華で心地よい邸宅に住みたいなどとは思わない。なすべき仕事はすばやくこなす。しかし、言葉は少なくして出しゃばらない。もし意見があれば、まずは優れた人格者を訪れ、正していただくようにする。こういう人こそ好学の士と言うのだ。 (出所:論語 加地伸行

 

 

Wikipediaによれば、贅沢(奢侈)は、 古今東西を問わず、一種の犯罪であると考えられてきたといいます。

 論語ばかりでなく、カトリックにおいても、贅沢は「七つの大罪」における傲慢の罪にあたり、享楽的な生活に対する神の怒りが疫病や戦乱を生み出していると考えられてきたそうです。

もっとも時代が進んで社会が豊かになってくると消費生活の統制が困難となり、効果の低い奢侈禁止令がたびたび出されては遵守が徹底されないというジレンマも抱えることとなった。 (出所:Wikipedia

 この時代のことを言っているかのような記述です。

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 歴史に名を残す名君の多くは改革を断行しては世を救ってきました。その改革では、こうした奢侈禁止令(倹約令)などが用いられる例を数多くありました。それは中国でも、日本でも同じなのかもしれません。格式にこだわり、奢侈に陥っていた名家上杉を救った鷹山もまた質素倹約を旨としました。

 質素倹約というと少々堅苦しいですが、華美になり過ぎず、ほどほどが善いということなのかもしれません。

 中国恒大集団の騒動は今しばらく続きそうです。世界経済に波及しないように穏便に収束してもらいものです。

 

処分はされるが、長く解決することができない問題、東電とみずほの場合 ~炉辺閑話 #42

 

 あの時から10年の歳月が過ぎ去った。それなのに、東電は一向に改善にされることが無いようだ。柏崎刈羽原発でのテロ対策不備などの問題を受け、小早川社長と原子力関連のトップ牧野常務を処分すると発表したそうだ。

小早川社長ら減給処分 原子力部門の新潟移転検討―東電:時事ドットコム

 JIJI.COMによれば、再発防止のため、原子力部門の本社機能の新潟県内への移転を検討するよう、小林会長が小早川社長らに指示したという。

 これまで経営トップがいくたび代わったことか。歴代トップは本気で、問題解決しようとの意識があったのだろうか。今回もずいぶん遅い判断だったといわれても仕方ないのだろう。もうそろそろ東電による原発再稼働は諦めた方がよいときが来ているのかもしれない。

 

 

 金融庁が、システム障害を相次いで起こしたみずほに、業務改善命令を出したという。

みずほシステム、異例の国管理 新事業凍結も(1/2ページ) - 産経ニュース

 産経新聞によれば、みずほ側にシステムの保守や更新作業の計画について提出を求め、事実上管理するという。金融庁が検査の終了を待たずに、大手銀行のシステムを管理するという極めて異例の対応で、原因究明と再発防止の徹底に全力を挙げるそうだ。

 金融庁によるこのタイミングでの介入はよいことなのだろうか。問題解決されずに尾を引くような事態になることを恐れる。この方法で問題は解決に向かうのだろうか。

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 東電にしろ、みずほにしろ、なぜ長い時間をかけても一向に改善されることがないのだろうか。私たちの生活に欠かすことのできない重要なインフラなだけに、相次ぐ不祥事に強い危機感を覚える。

論語の教え

「士は以て弘毅(こうき)ならざる可(べ)からず。任 重くして道 遠ければなり。仁 以て己が任と為す。亦(また)重からずや。死して後已(や)む。亦遠からずや」

とは、論語「泰伯第八」7 にある曾子の言葉で、家康遺訓の原形と言われる。

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「弘毅」の必要をずばりといい、任務の達成にそれが必要だから、と出し、次にその任務とは他ならぬ「仁」の完成である以上、それは重大にして高遠でなくて、どうしよう、と二回まで押して納得させると桑原武夫は解説する。

「弘毅」とは、大らかで強い意志を持つこと。

「死して後已む」というのは、生命を投げ出して死ぬことによってのみ、任務が完成しうるという意味ではない。人間は死の瞬間まで務めねばならぬ、生きているかぎり任務から解放されることはないと意味する。得てして日本人は、生命さえ捨てれば万事解決、と思いがちと桑原武夫は解説する。

 

 

「仁」、孔子思想の基本概念、愛情を他に及ぼすこと。いつくしみ。なさけ。思いやりなど。つまり思いやりの心で万人を愛するとともに、利己的欲望を抑え、礼儀や社会的規範を守り実践することなどといわれる。

己れの欲せざるところ、これを人に施すなかれ

孔子この言葉が「仁」をよく表しているとも言われる。

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 東電やみずほの経営トップに、ほんとうにお客様のために問題解決しようとの気持ちがないのかもしれない。

「死して後已む」、命に懸けても絶対に解決してみるとの強い信念ではなく、桑原が指摘したように、問題が解決できなければ、辞めればいいと安直に考えているのかもしれない。それでは、いつまでも問題は解決されることはないのだろう。

 こうしたことが社会に蔓延っていないだろうか。そう思うことが続いているようだ。身の毛がよだつ思いがしている。 

 

「参考文献」

 

【プライバシー保護と防犯】JR東日本はルール未整備の顔認証機能付き防犯カメラをなぜ導入したのだろうか ~炉辺閑話 #41

 

 JR東日本が首都圏の一部の駅に設置した顔認証機能付きの防犯カメラを使い、刑務所からの出所者、仮出所者の一部を駅構内で検知する仕組みを導入していたという。

 共同通信によれば、顔認証技術を巡る社会のルール作りが進んでおらず、運用開始から今月上旬までに登録した事案もないため、撤回したと説明している。

容疑者として逮捕された時点で報道された顔写真などをデータベースに登録。出所後、駅構内に設置した顔認識機能がある防犯カメラに映ると自動的に検知する仕組みで、駅の警備員らが声をかけ、必要に応じて手荷物を調べるケースを想定していた。 (出所:朝日新聞

 

 

 朝日新聞によれば、通勤客ら駅利用者の顔の特徴などの顔認識データを撮影・検知することについて、個人情報保護委員会は「本人同意は不要」と判断しているという。顔認識データは、本人の同意なしの取得を禁じている「要配慮個人情報」にはあたらないとの理由からだそうだ。

「駅で出所者を顔認識」とりやめ JR東「社会的合意まだ得られず」:朝日新聞デジタル

個人情報保護法では、服役していたという情報は「要配慮個人情報」にあたり、取得には本人同意が必要だが、法令に基づく場合や人の生命、身体、財産の保護のために必要な場合は同意なしに取得できるという例外規定がある。同委は被害者等通知制度に基づいてJR東が提供を受ける今回のケースはこの例外にあたる、とみる。(出所:朝日新聞

 防犯理由ということは理解できても、一方的に利用目的を告知し、顔認識機能付きで撮影されることに抵抗を感じる。生体情報はプライバシー保護の対象ではないのではなかろうか。

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  IBMは昨年、汎用の顔認識テクノロジー市場から撤退すると公表し、その理由を「集団監視や、人種を観点にした分析、基本的な人権や自由の侵害のほか、われわれの価値観や、信頼と透明性の原則に一致しない目的のために利用される、他のベンダーらによって提供されている顔認識テクノロジーを含む、あらゆるテクノロジーの利用について断固として反対するとともに、その使用を許容しない」とした。

 

 

 防犯という大義名分はあるのかもしれないが、真にプライバシー保護と両立するのだろうか。何でもかんでも、AIで効率化することもなかろう。

 目的を間違えると、時として誤用が始まり、それが都合よく解釈されたりする。

 米アマゾンとマイクロソフトは昨年、法整備が行われるまで、顔認識AIを警察には提供しないと表明した。

駅で出所者の「顔」検知、JR東が取りやめ…「社会の合意不十分」と方針転換 : 社会 : ニュース : 読売新聞オンライン

 読売新聞によれば、国内には顔認識カメラの運用を直接規制する法令はなく、ルール整備が進むまでの間、JR東日本は検知を中止するという。「検知」は、カメラに映った人の顔情報と、データベースに登録した人物の顔情報を自動照合する仕組みのことをいうと説明する。「顔認証」ということであろうか。

 ただ、「指名手配中の容疑者」や「うろつくなど不審な行動をとった人」の「検知」は続けると読売新聞が伝えている。いずれにせよ、顔認識はされているということなのだろうか。

 

 

 朝日新聞によれば、JR東海JR西日本JR九州は顔認識機能がある防犯カメラは導入していないという。JR西日本では、国の「情報通信研究機構」が過去に大阪駅の駅ビルで通行人の顔を撮影する実証実験を検討したが「プライバシー権の侵害」などと反発があったと伝える。

論語の教え

「晋の文公は譎(いつわ)りて正しからず。斉の桓公は正にして譎らず」と、論語 「憲問第十四」15にある。

「晋国の文公は、いつわりの道を踏み、正義の人ではなかった。斉国の桓公は、正義の人であり、いつわりの道を踏まなかった」と読む。

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「文公」、「桓公」、それぞれ時期は異なるが、諸侯の上に立ち覇者となり、大会盟を行った人物である。

「文公」は本来なら天子の下に諸侯が集まるべきところを、自国に諸侯を集めたのみならず、狩りという名目で天子を自国に呼び寄せたという。一方、「桓公」は、あくまで天子中心の立場であったという。

 自ら正義と主張したところで、それが万人が受け入れることでなければ、それは偽りの道ということなのだろう。

【副業・兼業】規則違反で戒告処分を受けた地方公務員、地域貢献になるバイトも許されないのか ~炉辺閑話 #40

 

 北海道帯広で20代の公務員が7月末、許可なく農作業の副業をしたとして戒告処分を受けたという。公務員の副業は、原則認められていない。理由としては、公務に対する集中心が欠け、その職務専念義務に抵触するおそれがあるなどがあげられるようだ。

 北海道では、地域産業を守ろうと職員の副業を認めている自治体もあるそうだ。また、人手不足という慢性的な問題も、農業を守る社会貢献の意義もあるという。

 十勝毎日新聞によれば、帯広市は兼業・副業について、「一概に認めないわけでないが、内部協議が必要」という姿勢で、一方、処分を受けた消防士が所属するとかち広域消防事務組合(帯広)は「公務員は全体の奉仕者なので、個人的に収入を得るための副業は申請があっても認められない」という考え方のようだ。

 

 

「従業員が副業を求めるのは、収入が足りない、やりがいがないなど現在の仕事では十分ではない何かがあるというシグナルかもしれない」と話す、副業研究の著書がある東洋大学の川上淳之准教授の言葉を十勝毎日新聞は紹介する。

論語の教え

「大徳は閑(のり)を踰(こ)えず。小徳は出入(しゅつにゅう)すとも可なり」と、論語「子張第十九」11 に孔子の弟子 子夏の言葉がある。

 一般的には、「大徳が軌道を外れなければ、小徳は多少の出入りがあっても、さしてとがむべきではない」と読む。

「大徳」とは大きな徳目、「小徳」を小さな徳目として、大もとを踏み外さなければ、小さなところでの間違いは許容できるということであろう。

 それを加地は人に例え、 「大徳 人格者は、規範を越えることはしない。小徳 人格者にまだ達することのない未熟な者は、多少出入りしてもさしつかえない」と解す。

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 この章で説く道理からすれば、公務員として守るべき規範、大徳を守り、例えば個人として地域社会に貢献したいという小徳、それでなおかつそこから収入を得たいという個人の欲求を満たしても、よいのではないかとも解釈できそうだ。

 ただ現実の社会には法律があり、それを逸脱することは許されない。しかし、法も規則もルールももとは人が作ったものである。かつて弁護士の中坊公平氏は、「法律は最低限のモラルにすぎない」といった。

 モラル、規範に普遍性はあるものの、その解釈はときどきの時代によって変化する。法解釈もそうあるべきではなかろうか。

 

 

 あまりにも陳腐した法律は必要に応じ改正が求められているのだろう。それを実行できるのは人である。

 通り一辺倒に解釈し、適用するだけではなく、疑問的意識をもち、必要に応じ、声をあげることも必要なことなのだろう。そうでなければ、いつまでも息苦しく生活し難い社会になってしまう。

 社会が不変であるなら、規則、ルールも変える必要はないが、社会が変化している以上、常に規則、ルールを改定していく必要性があるのではなかろうか。 規則、ルールがあって社会があるのではなく、規則やルールによって、より良く維持されているだけではなかろうか。

 しかし、世の中、常に善人ばかりとは限らない。荀子が説く性悪説と、それに続く法治国家の意味も理解できる。

 時代に合わせ、規則やルールを見直すことができる人が求められているのだろう。

 

衰えない情熱、勝利への執念、帰ってきた35歳の長友、復帰戦を飾る

 

 サッカーの長友佑都選手が古巣FC東京に復帰し、11年4カ月ぶりにJ1の舞台に戻ってきた。長友復帰戦となったその日の試合は、FC東京が4-0で快勝した。

 長友選手も35歳となり、もうピークは過ぎているのだろう。それでもその熱量は衰えることがないようだ。

 

 

 イタリアセリアAの名門インテルに移籍したときの長友選手は光り輝いていた。インテルのDFの中で身長が一番低く、当時、ある伊紙では「小さな巨人、再発見された至宝」と評された。

 ワールドカップに3大会連続で出場し、日本代表チームを長く支えてきた左サイドバック。さすがにもう終わりかと思えば、そうでもないようである。

 4度目のワールドカップ出場に向け、「もう一回野心、情熱を持って守備で負けない長友を見せたい」と決意を新たにしているという。 

論語の教え

「敝(やぶ)れたる(おんぽう)を衣(き)、狐貉(こかく)を衣(き)る者と立ちて、恥じざる者は、其れ由か。忮(そこな)わず求めず、何を用(もっ)てか臧(よ)からざらんとあり」と、論語「子罕第九」27にある。

「由」とは、孔子の弟子の子路のこと。

「ぼろぼろになった綿入れの着物を着て、上等の毛皮の外套を着た人と並んで立って、ひけ目を感じないでいられるのは、由(子路)くらいだろう。 それは「妬(ねた)まず、ほしがらず、どうして善い人間でないことがあろう」という「詩経」の句にそっくりだ、と孔子子路をほめたとの意味。

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子路」、姓は仲、名は由、字名が子路孔子より9歳年少。孔門では年かさの弟子。顔回(顔淵)とともに「論語」の二大脇役。 

 もとは遊侠の徒で、孔子にからみに来て論破され、心服して門に入ったという。率直勇敢な情熱家で、孔子に愛されたそうだ。

 大国の軍政のきりもりを任せられる人材だったとされ、子路は晩年、衛の国に仕える。しかし、そこで内乱に巻き込まれ殺されてしまう。彼が死んだとき、孔子は「天われを祝(た)てり」と嘆いたという。「祝」は「断」と同じ。  

 

 

 長友選手が子路にだぶる。これまでのキャリアからすれば、無理せず引退しても良さそうなものだ。それでもまだチームの勝利と、その先の日本代表にこだわる。

「熱」もたらしたF東京の長友 復帰戦で存在感―Jリーグ:時事ドットコム

絶やすことなく仲間への指示や鼓舞を続けると、呼応するようにチームも躍動し今季最多タイの4得点。「熱のある選手が入ることで伝染していった。不思議なものだなと感じた」。長谷川監督が長くチームに求めていたものだった。 (出所:JIJI.COM)

其の以(もち)うる所を視、その由(よ)る所を観、其の安んずる所を察すれば、人焉(いずく)んぞ廋(かく)さんや、人焉んぞ廋さんや」と、「為政第二」10にある。

「その人物の日常生活の現在をしっかりと視る。その人物が経てきた過去を観めみる。その人物が落ちつこうとしている未来の着地点を察する。そうすれば、その人物は自分を隠すことはできぬ。本当の姿が分かる」との意味。

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 人とは面白いものである。これほどに情熱に感化されてしまうのだろうか。

 

【美談と現実】義足の女性が宇宙旅行へ、スペースXが民間人を乗せ打ち上げに成功、宇宙事業を虎視眈々と狙うコンサルティングファーム ~炉辺閑話 #39

 

 米スペースXが15日午後打ち上げた宇宙船クルードラゴンには、民間人4名が搭乗していたという。地球を周回する約3日間の宇宙旅行をするそうだ。

 宇宙利用がまた一方近づいたと感じる。

 ブルームバーグによれば、今回の打ち上げ目的は概念を実証するためのデモ飛行の役割を果たすだけではなく、小児がん研究のために2億ドル(約219億円)の寄付金も集めることにあるという。

スペースXが「クルードラゴン」打ち上げ、民間人4人搭乗 - Bloomberg

 米決済処理会社シフト4・ペイメンツの創業者のアイザックマン氏は、スペースXに今回の宇宙飛行の料金を全額支払ったほか、テネシー州メンフィスにあるセント・ジュード小児研究病院に1億ドルの寄付を約束したそうだ。

アイザックマンはスペースドラゴンの4人分の座席のうち1つに、同病院の元患者でがんサバイバーのヘイリー・アルセノー(29)を招待した。

10歳の時に骨肉腫と診断された彼女は、片足が義足だ。現在はセント・ジュード小児科病院で医療助手として働いており、宇宙に飛び立つ最年少のアメリカ人となる。 (出所:Newsweek

 

 

 1492年、クリストファー・コロンブスがヨーロッパから大西洋を横断し、アメリカ大陸周辺の島に上陸した。これが後の新大陸の発見につながり、アメリカが発展するきっかけになった。

 宇宙開発を進め、火星を目指すスペースXのイーロンマスク氏やブルーオリジンのジェフベゾス氏が現代のコロンブスのように見えてしまう。

 ただ気をつけなければならない。コロンブスの末路は悲惨だったといわれる。先住民に対し、数々の略奪や虐殺を行ったといわれ、植民地の統治に失敗し、手にした総督の地位を失い、彼の後ろ盾であったスペイン王室にも見限られ、信用も無くしていく。そして、1506年、コロンブスはこの世を去った。

 多額の資金を集め、意気揚々と大西洋の海原に旅立ったときが彼の絶頂期だったのかもしれない。

 

 

 先駆者が登場すれば、追従者が現れて、発展につながっていくのかもしれないが…

 宇宙開発に、コンサルティングファームまでもが参入するようになっているようだ。

【なぜ】2021年、コンサルが人工衛星を打ち上げる

 現在、世界の宇宙ビジネスの市場規模は約40兆円。これでも十分大きなマーケットですが、2040年頃には100兆円規模にまで飛躍すると言われています。ビジネスとして非常に魅力的な産業だからこそ、新規参入も増えているのです (出所:NEWSPICKS)

「まだ宇宙を活かしきれていない」、とデロイト トーマツは考えているという。

「衛星データ提供者が増えた今、データ販売だけではスケールが望めなくなっています」。「これからは、地球の課題を宇宙活用によって解決していく『課題ドリブン』なアプローチに変えていかなくてはいけません」

 宇宙開発を否定する気はない。しかし.....

「最近、『サステナビリティ』という言葉をよく聞きますが、突き詰めればこれは、地球が限界に来ているということでしょう。
それなら、私たちの生活空間やビジネス空間を宇宙に広げてみる。すると、地球の負荷が下がってサステナブルな地球環境が実現するかもしれない。(出所:NEWSPICKS)

 随分、横柄な意見表明ではなかろうか。地球での「サスティナビリティ」もろくにコントロールできていない人類がそんな大言壮語してもよいのだろうか。

 確かに、イーロンマスクもジェフベゾスも近いことを語るが、地上の「サスティナビリティ」に尽力し、その上で、自ら汗をかいて、その実現に精を出す。焦らあず、一歩一歩着実に技術開発し、安全を確立しながら。

論語の教え

「子 陳に在りしとき、曰わく、帰らんか、帰らんか。吾が党の小子は、狂簡(きょうかん)にして、斐然(ひぜん)として章を成せども、之を裁する所以を知らず」、と論語「公冶長第五」22にある。  

 孔子が陳にいるとき、郷里に残った若い弟子たちが、やたらと大言壮語し、きれいごとの理屈ばかり達者となっていて、それを役立たせる方法がわかっていないと、嘆いたという。

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 何でかんでも「スケール」させる必要があるのだろうか。物事には時宜があるはずだ。

 地球が限界に近づいたり、「サスティナビリティ」に近づくことができないのは必要以上にスケールさせ過ぎたからではなかろうか。

巧言令色鮮し仁

 言葉を巧みに飾り立てたり、外見を善人らしく装うのは、「仁」すなわち他者を愛する気持ちは少ないとの意味だが、コンサルティングファームに、そんなことを感じてしまう。

 コロンブスの再来になったりはしないだろうか。

 

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「関連文書」

地球周回、4人が米船で宇宙旅行 世界初「民間人だけ」 | 共同通信