「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

インフレ、オミクロン株で行き詰る米国、物価上昇する日本、それでも日銀は現状維持

 

 米国大統領 バイデン氏の不人気ぶりが気になります。「7%に達したインフレ率」、「オミクロン株への対応」など、米国人の半数が大統領のパフォーマンスに不満を感じているそうです。

バイデン政権の苦境鮮明、国民の7割がインフレ対応に不満 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 Forbesよると、CBSニュースの世論調査で、バイデン政権をどのように感じているかという質問に対し、「不満だ」と答えた人は50%に、「失望した」と答えた人は49%、「気がかりだ」と答えた人が40%になったそうです。

 なかでも最大の問題と言えるのは、7%と最悪のインフレ率で、大統領を支持しない人の63%が「インフレ率が下がれば大統領に対する見方が改善する」と答えたといいます。また、オミクロン株への対応では、64%がバイデン大統領の対応が「うまくいっていない」と答えているそうです。

 

 

 そればかりでなく、経済対策も不評のようです。

バイデン大統領は「ビルド・バック・ベター(よりよき再建)」と呼ばれる一連の社会改革の成立に注力しているが、回答者の39%が「大統領と民主党は国民が関心を持たない問題に焦点を当てている」と答え、この改革案が成立すれば大統領に対する評価が上がると答えたのは24%にとどまっていた。(出所:Forbes)

 前大統領の極端さを正そうとすれば、その真逆の方向に極端になってしまい、国民がついていけないということなのでしょうか。

「ちょうどよい」を見つけることは極めて困難なことなのかもしれません。

 過ぎれば害になる。前の政権との違いを見せつけるかのような経済対策が、インフレの引き金になったのであれば、その好例なのかもしれません。

「邦に道有れば、言を危(みが)き行ないを危く。邦に道無ければ、行ないを危くも言は孫(したが)う」と、論語「憲問第十四」3 にあります。

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「国が道理に従っているなら、正しく主張し、正しく実践する。もし国が道理に従っていないなら、正しい実践はするものの、主張は抑えておくのがいい」と解され、「当面の難を避けて順(したが)っておけ」との意味です。

 道理を失って極端に走った意見に対抗することばかりにこだわらず、まずは民衆の声に順い対応して、中庸、中和に努めることが肝要ということでしょうか。そうすれば、大統領が主張する「ビルド・バック・ベター」の方向に向かっていくのかもしれません。

 

 

現状維持、国内でもじわじわ物価高

 国内でもじわじわ物価が上昇しています。日銀が金融政策決定会合で2022年度の物価上昇率見通しを0.9%から1.1%へと引き上げたそうです。

 資源価格の上昇などを背景に企業が値上げに踏み切る事例が増えてきたことを反映したといいます。

日銀、物価見通し22年度1.1%に上げ 金融緩和は維持: 日本経済新聞

 ただ日銀は、物価目標2%には時間がかかるとみて、金融緩和政策の現状維持を決めたそうです。

最近の物価上昇はコスト高が起点だ。

日銀内では賃上げが鈍いままでは物価上昇は長続きしないとの見方が多い

23年度の物価上昇率見通しも1.1%と、従来の1.0%から小幅上昇にとどめた。(出所:日本経済新聞

 賃上げを進めたい政府と、そうはならないだろうと予測する日銀。何とも歯がゆいですね。民間予想では、4月以降の物価上昇率は携帯電話通信料の引き下げの影響が弱まることもあり、物価上昇率が2%に近づくとの見方も出ているそうです。

 違った意味で、米国の二の舞にならないことを願うばかりです。

論語の教え

「民の仁に於けるや、水火(すいか)よりも甚だし。水火は吾(われ)蹈(ふ)みて死する者を見る。未だ仁を蹈みて死する者を見ざるなり」と、「衛霊公第十五」35にあります。

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「水や薪」 ー 日々の営み、生活に直結することはやはり無視できず、その生活のために命を落とす人もいる。こうした状況を無視すれば、孔子の主張する「仁」から遠く離れてしまう。

 苦境を和らげ人々を「仁」に導く、そこに平穏がある。そんなことを感じさせる言葉です。

 「物価高」に「オミクロン株」、生活に関わることが問題となっています。道理に従い、そして「仁」を通して問題解決を図ってもらいたいものです。

 

「行蔵は我に存す」と決意を表す首相と「カネ余り」の日本

 

「日銀に預けているメガバンク当座預金の一部にマイナス金利が適用される」、2016年の制度導入当初を除き、大手行にはこの仕組みが適用されていなかったといいますが、6年ぶりに三菱UFJ銀行に適用となるといいます。

逃げ道ふさがるマイナス金利、三菱UFJ銀行に6年ぶり適用: 日本経済新聞

 日本経済新聞によれば、超低金利環境の長期化で行き場を失ったマネーが預金に積み上がり、コロナ禍で支給された給付金などが拍車をかけたといいます。カネ余りということでしょうか。

 

 

 一方で、手数料が高騰するど預金者負担は年々増していないでしょうか。何か矛盾を感じてしまいます。

 地方銀行や信託銀行、ゆうちょ銀行などには既にマイナス金利が課されているそうです。

持続可能な経済社会の実現に向けて

 岸田首相が17日、施政方針演説を行い、「経済再生の要は「新しい資本主義」の実現」と改めて主張しました。

 これまでの新自由主義的な考え方が、「中長期的投資の不足」など様々な弊害を生み出してきたと批判し、持続可能な経済社会の実現に向けて、「経済社会変革」が必要といいます。

市場に依存し過ぎたことで、公平な分配が行われず生じた、格差や貧困の拡大。市場や競争の効率性を重視し過ぎたことによる、中長期的投資の不足、そして持続可能性の喪失。

行き過ぎた集中によって生じた、都市と地方の格差。自然に負荷をかけ過ぎたことによって深刻化した、気候変動問題。分厚い中間層の衰退がもたらした、健全な民主主義の危機。(出所:NHK

 

 

 現実の金融では金が余り、資金需要が乏しく資金が向かう先がないというのに、一方で、首相は「中長期的投資の不足」を指摘しています。

 一体どういうことなのでしょうか。問題の根が深さを感じてしまいます。

「羣居(ぐんきょ)すること終日、言 義に及ばず、好んで小慧(しょうけい)を行う。難(かた)いかな」(「衛霊公第十五」17)。

「群れて一日中雑談し、話す中身に「義」はなく、小才を巡らす話ばかりに熱中している」との意味です。

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 もしかして、これまでの為政がそうであったということなのでしょうか。小賢しいことばかりで、社会全体が善い方向に向かうことがなかったのかもしれません。

勝海舟の「行蔵は我に存す」とは

 施政方針演説の最後に、首相は勝海舟の言葉を引用しました。

「幕末を生きた勝海舟は、「行蔵は我に存す」とともに、「己を改革す」、自らを律することに重きを置きました」、そして、「今、新たな時代を切り拓くに当たり、統計の不適切処理はもとより、我々政治・行政が、自らを改革し、律していくことが求められています」と述べました。

 

 

「行蔵は我に存す」

 福沢諭吉が「瘦我慢の説」を書き、その公表前に、写しを海舟に送り、感想を求めたといいます。すると、海舟は返書で、「批評は人の自由、行蔵は我に存す」と記し、公表されても差し支えないと答えたそうです。

「行蔵は我に存す」の後には、「毀誉は他人の主張、我に与からず我に関せず存じ候」と続いていたそうです。

「行蔵」とは、世に出て道を行うことと世をのがれて才能を表に出さないでいること。一般に、出処進退。

「毀誉」とは、けなすこととほめること。悪口と称賛との意味。

 今の言葉でいえば、「行いは己のもの。批評は他人の自由。知ったものか」との意味でしょうか。

 海舟は著作「氷川清話」でもこのことを述懐し、次のように言っています。

福沢は学者だからネ。おれなどの通る道と道が違うよ。

つまり「徳川幕府あるを知って日本ある知らざるの徒(ともがら)は、まさにその如くなるべし、唯百年の日本を憂うるの士は、まさにかくの如くならざるべからず」サ。(引用:「氷川清話」勝海舟 P152 福沢諭吉

 首相はこの言葉を「自分の行動の責任は自分で負うということで使い、決断について「自分が全て負う覚悟」との決意をアピールしたのだといいます。この決意に、大臣や官僚たちは応えることはできるのでしょうか。

 

 

 さらに、首相は「信頼と共感」の政治に向けて、謙虚に取り組んでいきますと述べ、「共に力を合わせ、この国の未来を切り拓くため、心より、国民の皆さんの御理解と御協力をお願いいたします」という言葉で結びました。

論語の教え

「君子は義以て質と為し、礼以て之を行ない、孫以て之を出だし、信以て之を成す」と、「衛霊公第十五」18にあります。

「君子は、「義」道理をもって根本とし、礼に従って実践し、謙遜して発言し、誠意をもって貫く」との意味です。

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 よくわかりませんが、首相は道理を説いたつもりでいるのでしょうか。そうであれば、この先、「礼」、規範やマナーに従った行動を示していくことが求められはずです。

 さしあたっては、日銀黒田総裁の後継人事が気になるところです。金融政策の転換はあるのでしょうか。

 染みついた悪習を正す、社会変容、変革には長い時間を要するものです。その一歩になればいいのかもしれません。

 

トンガの海底火山の大噴火、待たれる現地の被害状況の確認、今後の気象への影響調査

 

 南太平洋トンガの海底火山が大噴火し、噴煙は1万6000メートルを超え、その衝撃波は地球を駆け回り、日本にも到達しました。それによって気圧の変化が生じ、その影響とみられる津波が太平洋沿岸の広範な地域に押し寄せました。日本でも漁船の転覆被害があったようです。自然の凄まじい力です。

 火山が爆発すると「空振」が発生することがあるそうです。この「空振」によって、「海面の波と大気が共鳴し、気圧が変化したりすることで波が増幅された可能性がある」と、今回の津波の原因が推測されているといいます。

「100年に1度」の巨大噴火 波立つ太平洋: 日本経済新聞

 日本経済新聞によれば、「100年に1度の規模の噴火」との見方があるそうです。

 また、火山噴火の爆発規模を示す世界共通指標の火山爆発指数(VEI、0~8の9段階)は、上から3番目の6に相当すると推測さえているといいます。

 VEI6は1991年のフィリピン・ピナツボ火山の噴火以来で、噴出物の量は富士山の宝永大噴火の10倍に相当。(出所:日本経済新聞

 

 

論語の教え

「子は怪、力、乱、神を語らず」と、「述而第七」20にあります。    

 この章は2つの読みがあり、怪力(神秘的な力)、乱神(あやしげな神)との二者とする読みと、怪、力、乱、神と四つとする読みがあります。

 「怪」は怪異。「力」は信じられないような体力。「乱」とは臣が君を、子が父を殺すといった秩序の破壊。「神」とは鬼神のこと。

 孔子は、そういうことを口にすることを好まなかったといいます。この世にあってはならない非合理的なことだからだったそうです。孔子の合理主義の表明だといわれます。

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「怪しいと思われる妖怪変化といえども、これを深く研究すれば、怪しむことになり、力自慢の勇士に関する物語も、話し方次第では士気を鼓舞する一助にならないともいえず、悖徳(はいとく)の革命にもまた、歴史的に観察すれば多少の意義があり、鬼神についての議論も、哲学上から観察したら全然無価値のもので無いかも知れないが、人が、世間に普通でない極端な事柄に趣味を持ち、絶えず怪、力、乱、神を口にするようになれば、その人の思想は自づと平衡を失し、極端な行動を取るようになり、言行共に中庸を失う恐れがあるもの」と、渋沢栄一はこの章の意味を解説しています。

 今回の津波孔子の時代であれば、摩訶不思議な現象と受け止められ、あるいは怪力みたいなものに捉えられたのでしょうか。理解できない現象が生じれば、人は不安を感じ、極端に走ってしまうことなのでしょう。

 

 

 火山噴火が繰り返し起きては、膨大な噴煙が排出され、その噴煙が気候に影響を及ぼしてきたといわれています。

 最近ではフィリピンのピナトゥボ山が1991年に噴火し、翌年地球の平均気温が約0.5℃低下したといわれます。また、古くは江戸時代の天明大飢饉も、火山噴火による気象変化、低温による影響ともいわれています。

 今回の噴火によって、今後何らかの気象変化があるのかもしれません。これから気象、気候への影響が研究されていくことになるのでしょう。

 自然の力にはただ驚かされるばかりです。その力を前にすると人間の無力さを感じずにはいられません。ただ人には助け合うと能力があります。早速、ニュージーランドやオーストラリアで支援の動きがあるようです。まずは被害状況の確認が待たれます。

 

なぜ内閣支持率は向上したのか、成果がないからなのか ~ 炉辺閑話 #91

 

 政権発足から3カ月余り、1月の内閣支持率が51.7%(時事通信)となり、目立った実績もない中で支持率が上向いているという。

「負の遺産」清算、懸案先送り 内閣支持率が異例の上昇―時事世論調査:時事ドットコム

 コロナ対応で一定の評価を得、過去の政権の「負の遺産清算を急ぎ、批判を招きそうな懸案は先送りする政治姿勢は見逃せないとJIJI.comは指摘する。

負の遺産の後始末にも余念がない」。

安倍政権下で発覚した森友学園問題をめぐる公文書改ざん。自殺した財務省近畿財務局職員の遺族が起こした訴訟で、損害賠償責任を認めて訴訟を終わらせる同省方針を「それでやってくれ」と了承。遺族が求めた真相解明の機会を葬った。(出所:JIJI.com)

過去を清算する

「行政の私物化」と批判を招いた安倍元首相の「桜を見る会」については、開催することは考えていないと明言し、「世紀の愚策」と酷評された布製「アベノマスク」は大量在庫問題も年度内の廃棄を決めるなど、過去の過ちを積極的に清算しているようだ。

 

 

 また、「既定方針に固執しない柔軟さも目立つ」と、JIJI.comはいう。

 18歳以下への10万円給付では、現金・クーポン併用に批判が集まると、全額現金支給の容認にかじを切り、その「朝令暮改」ぶりも、「評価する」が「評価しない」を大きく上回ったという。

「敬に居(お)りて簡を行ない、以てその民に臨まば、亦(また)可ならずや。簡に居りて簡を行なわば、乃(すなわ)ち大簡(だいかん)なること無からんや」。(論語「雍也第六」2)

 論語にある孔子の仲弓の言葉で、「己に対して厳しく自律し、他者に対して寛大にして政治を行なうべきではあるまいか。己に寛大、そのまま民にも寛大というのでは、無秩序でなってしまう」と意味する。

「己に寛大」だった過去の政治が無秩序を生んでいたことに気づいたのだろうか。

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 JIJI.comによれば、「何かあったらすぐ修正し、発言も変える。それが国民に好意的に受け止められている」と、立憲民主党幹部が発言し、自民党の若手は「政策が評価されたわけでなく、目の前の問題にその都度対処しているからにすぎない」と冷めた声も聞こえているという。

 批判覚悟の対応も時には必要なのかもしれない。

「己に寛大」で、自らの失策を取り繕ってばかりでは、何の進歩もなくなってしまう。

論語の教え

「誰か能(よ)く出づるに戸(こ)に由らざらん。何ぞ斯の道に由る莫(な)きや」と、「雍也第六」17にある。  

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「外に出るとき、門戸を経ない者があるだろうか。同じく世に出るとき、どうして人の道を踏まないで歩み出すことがでありえようか」と読まれる。

 人としてあるべき道を辿ろうと思えば、まずは秩序の回復からということであろうか。そうであるなら、この先の党改革も避けて通れないのだろう。

 

 

「樊遅(はんち)知を問う。子曰わく、民の義を務め、鬼神を敬して之を遠ざくれば、知と謂(い)う可し、と。仁を問う。曰わく、仁とは、難きを先にし獲るを後にす。仁と謂う可し」と、「雍也第六」22にある。

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 弟子の樊遅に「知」とは、「仁」とは問われ、孔子が物わかりの良くない弟子に答えたものといわれる。

 首相を擁護する気はないが、民としての義を守り、神霊を尊び俗化、つまり、過ちのあった過去の政治を範とせず感化されない、その上で、国民に不人気だったこと、これまで手を付けることができなかった「難き」を先にしたら支持率が向上した、ただそれだけのことなのかもしれない。

「政権の真価が問われるのは、まだまだこれからと言えそうだ」と、JIJI.comはいう。そうなのだろう。

 

 

難きを先にし獲るを後にす」、まだやらねばならないことが多々あるのだろう。

 政府の基幹統計の7割ではオンライン集計もなされず、デジタル化には程遠く、文書の改ざんやデータ廃棄問題も後を絶たない。無秩序になってしまった行政の象徴のようなものだ。そればかりでなく、これまで原発問題もずっと放置されてきた。

 こうした問題に筋道を立て、成果があれば、もう一段支持率向上にもつながっていくのではなかろうか。

 

拡大するオミクロン株、拡大しそうな物価高 ~ 炉辺閑話 #90

 

 かつてないスピードでオミクロン株の感染拡大が続いています。いつになったらピークアウトするのでしょうか。

 重症化リスクが低いこともあってのことか、感染症の危険度分類についての言及もあるようです。この先、また変異株の出現も否定できないのしょうから、まずは今の感染拡大を早期に収束させていくべきではないでしょうか。

 

 

コロナ禍の物価高

 一方、昨年12月の国内企業物価指数が8.5%上昇し、物価上昇が広範囲にわたる懸念が高まっているようです。また、日銀の調査「暮らし向きD.I.」も悪化、1年前に比べて「ゆとりがなくなってきた」と答えた人が増加しているそうです。

日銀最新調査「物価が上がった」認識は77.4%、暮らし向きも大幅悪化…期待すべきは「経済正常化」の一手 | Business Insider Japan

 資源高や円安による原材料高が止まらず、コスト上昇分の一部を販売価格に上乗せる企業が増えたことによるものでしょうか。企業は「過度な円安は輸入コストがかさみ、原油や原材料価格のさらなる上昇を招く」と警戒し、円安是正を求める声もあるといいます。

 日本以外の先進国が、コロナ危機対応からの正常化プロセスを模索し、実行に移しているのに対し、「新規感染者数と行動制限に拘泥し続けた日本経済が資産運用先として選ばれにくかった」ことが、円安の背景のひとつになっていると、Business Insiderは指摘しています。

 行動制限にて経済成長を抑圧する政策運営の転換を図ることが必要だといいます。そうなのでしょうか。今行うべきことなのでしょうか。円安対策をすべきなのかもしれませんが、いずれにせよ、競争力が低下している日本経済には抜本的な対策が求められているようにも感じます。

論語の教え 

「苗にして秀でざる者、有るかな。秀でても実らざる者、有るかな」と、「子罕第九」22にあります。

 これは苗にたとえを引いて、途中挫折する事なき様にしなければならないとの教えだと、渋沢栄一はいいます。

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「稲の苗が成長して、花の咲かぬものがあらうか、花が咲いて穀を成さぬものがあらうか」、この比喩は「植物でも苗が成長して花咲き実を結ぶと同じく、学に志す人間も、倦まず惰らず勉強して止まざれば、遂に聖賢の材となり、君を輔けて仁政を施し、民を救うに至るべきに、中途にして学を廃する者の多いのは、誠に遺憾千万である」との意味であるといいます。

 

 

 ここまでコロナ対策に拘ってきたのであれば、やはり完遂すべきで、次の感染症がやってきても対処できるまで、しくみ作りを進めることが肝要なのではないでしょうか。それが定着し、感染が落ち着けば、経済も自然に回復していくものです。それをどれだけ早く実行できるのかということのようにも感じます。行動制限せずとも、感染が拡大しない環境が求められていないでしょうか。

理解はするが実行はしない

 「之に語(つ)げて惰(おこた)らずる者は、其れ回か」と、「子罕第九」20にはあります。

孔子が弟子に道を説くに当って、これを完全に理解し、またよくこれを実行して少しも違えることのないのは顔回のみだった」との意味で、他の弟子を励ましたものだと栄一は解説します。

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 当時の弟子の中には、聞いてもその意を解し得ない者がいたり、また、その意を解し得るも、実行しない者もあるので、折に触れて孔子は訓戒していたといいます。

 コロナ禍がいつまで経っても収まらないことからして、現代もまた同じなのかもしれません。

 

施政方針演説の内容固まる、どうなるのか、賃上げに、脱炭素 ~ 炉辺閑話 #89

 第六波、新型コロナの感染拡大に気を揉みます。なるべく早く収まってくれることを祈るだけです。

 ただその感染拡大の早さにはただ驚くばかりです。もっと効果的な対策が早期に開発できればいいのかもしれません。ウィルスを死滅させることのできる空間除菌は出来ないのでしょうか。そんな技術が開発されることを願うばかりです。

 

 

 通常国会が17日から始まり、首相が施政方針演説を行うとのことで、その原案が報道されています。

岸田首相、17日の施政方針演説で脱炭素に向けた経済社会大変革表明へ - 社会 : 日刊スポーツ

 それによれば、新型コロナ対策ではワクチンの3回目の接種を挙げ、接種を加速させるとの内容が盛り込まれ、「新型コロナとの闘いに打ち勝ち、経済を再生させる」として、必要な財政支出は躊躇なく行う方針が提示されるそうです。

 また、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、産業構造や国民生活を含め「経済社会全体の大変革」に取り組むと表明し、気候変動やデジタル、経済安全保障などの課題解決を図った上で、官民の投資を集めた「成長のエンジン」を主張するといいます。

 賃上げについては、賃上げ率の低下傾向が続く状況に触れ、「トレンドを一気に反転させる」と訴え、自身が目指す「新しい資本主義」にふさわしい賃上げに期待すると強調するようです。

 このコロナ禍を経験し、また異常気象が頻発するようになった気候からして、とにかく、暮らしやすい環境を整え、それが糧となって持続ある社会になればと願うばかりです。。

 

 

論語の教え

 「子張(しちょう)善人の道を問う。子曰わく、迹(あと)を践(ふ)まず、亦(また)室(しつ)に入らず。論(ろん)篤(とく)なるのみに是れ与(くみ)せば、君子者(くんししゃ)か、色荘者(しきそうしゃ)か」と、「先進第十一」19にあります。

「善人は、聖人の歩んだ迹(道)を学習しないで人生を歩むため、ここぞという妙処を知らないままなる」、「その人の意見が善人のように立派だからというだけで、その人物を信用するならば、本物の教養人なのか、見かけだけの者か」との意味です。

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「善人」とは、世に在って人として間違いは冒さないが、「聖人」と違うといいます。徳に欠けるところがあるのでしょうか。

 報道内容だけからすれば、いかにも善人のように感じますが、実際はどうなのでしょうか。差が拡大している諸外国を追い、また、追い越していく道筋になっていくのでしょうか。

 

 

「柴(さい)や愚、参(しん)や魯(ろ)、師や辟(へき)、由(ゆう)や喭(がん)」。「子曰わく、回(かい)や其れ庶(ちか)きか。屢(つね)空(むな)し。賜(し)や命を受けずして貨殖(かしょく)す。億(はか)れば則ち屢に中(あ)たる」と、「先進第十一」18にあります。

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 孔子の門人たちの性格を有りのままに形容したもので、門弟に対する訓戒ともいわれています。

 個々人において、それぞれ性格が異なるということであるでしょうし、性格によって現れる言動もまた異なるということなのでしょう。この章ばかりでなく、論語を読み解いていけば、弟子それぞれにおいて、適材適所、その役割があるということをいっているのかもしれません。

 岸田首相をこの章にならって一字で表すとどんな字が当てはまるのでしょうか。また、どんな役割を果たしてくれるのでしょうか。

 一見、飛躍と思えることも、後になって振り返れば、そこにはそれなりの前段階があったことが理解できたりするものです。功を焦らず、まず動き出していることから成果にすべきではないでしょうか。そうすることで、飛躍となり、目標とする賃上げなどにおいても成果が表れてくるようになるものです。

 たとえば縦割り行政が打破するなら、折角立ち上がったデジタル庁からではないでしょうか。大言壮語、大風呂敷を広げるまえに、行政のデジタル化を進め、そこでの成果を見える化すべきのように思えてなりません。

 

中国でも感染拡大、気になるオリンピック、サプライチェーンの再混乱

 

 また新型コロナの感染が拡大しています。あっという間の急拡大、オミクロン株の影響なのでしょうか。

 ゼロコロナ政策を布く、おとなりの中国でも感染が拡大しているようです。北京の隣町、政府直轄都市の天津市でオミクロン株の市中感染が確認され、来月開催される北京オリンピックへの影響も懸念されているようです。

 オリンピック前ということもあり、感染拡大を阻止するため、都市封鎖、ロックダウンなどの措置強化がされるとの見方があるようです。こうした措置によって、再び供給網、サプライチェーンが混乱するのではないかと危惧する声も上がっているようです。

 

 

 ウォールストリートジャーナルによれば、中部の西安、南部のテクノロジー拠点・深圳といった複数の都市では12月下旬以降、厳しいコロナ対策が導入されたといいます。また、コンテナ取扱量で世界第三位の寧波・舟山港では、周辺地域で二十数件の新規感染が確認されたことを受けて、トラック輸送や倉庫作業に制限が課され、さらにサプライチェーンの目詰まりが悪化する恐れがあるそうです。

世界の供給網に緊張走る、中国オミクロン株市中感染で制限強化必要に - Bloomberg

 ブルームバーグは、中国などアジア全体でオミクロン株感染が急増すれば、今年はサプライチェーンの「とてつもないつまずき」を招く恐れがあるといいます。また、アジアでまだオミクロン株の大規模な波は見られていないため、最悪の影響が出てくるのはこれからとの警告があるといっています。

 また、物価にも悪影響を及ぼす事態になってしまうのでしょうか。

論語の教え

「子の慎む所は斎、戦、疾なり」と、「述而第七」12にあります。

 孔子は平生、斎(ものいみ)、戦(いくさ)、疾(やまい)の三つに対しては大事を取り、斎では意を誠にし、容易に戦を主張せず、大に衛生を重んじていたのではないかと、渋沢栄一はいいます。

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兎角、自信力の強い英雄豪傑になれば、運命を軽んじ、敵を蔑り、身を軽んずる傾向が生じ、如何に傍若無人にも自分の力によって天を制し、敵を制し、疾をも制することのできるように思う傾きを生ずるものだが、このような軽率なる考えを起されず、運命を重んじて慎重に斎を致し、勇に誇って敵を軽んずる如きことを為さず、細心の注意を以て衛生の道を重んぜられたところに、孔子孔子たる偉い点がある。(参考:「実験論語処世談」 渋沢栄一記念財団

 孔子ではないですが、常日ごろ衛生に心がけ、感染対策をしっかりしていくしかないということでしょうか。また、社会にあってもさらなる公衆衛生の向上に努めていく必要がありそうです。ワクチンだけではなく、感染抑制となる環境作りも求められていそうです。

 

 

「子 疾病し。子路 禱(いの)らんことを請う。子曰わく、諸れ有りや。子路対えて曰わく、之れ有り。誄に曰わく、爾を上下の神祇に禱ると。子曰く、丘の禱るや久し」と、「述而第七」34にあります。

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「平素勝手気儘な真似ばかりして暮らし、病気が悪化してから、如何に神仏へ禱ってみたところで、神仏がその祈願を聞き届けて下さろう筈も無い。人間の一生と申すものはこれ祈禱であり、日々これ坐禅のごとくであらねばならないのが法だ」と栄一はいいます。

「祈禱とは他無し、天道に合し人道を履んで行く事である。これがまた坐禅でもある」ともいいます。

 この意味において、孔子は日々天道に合する事のみを言い、かつ行っていたから、特に音声を揚げて「助け給え救い給え」と禱らなくても、「丘の禱るや久し」といいえたのだろうと解説しています。

 あまり教訓的に捉えることもないのかもしれませんが、コロナの収束を願うということは、日々の衛生を怠りなくし、また、自分の身の回りにおいても、他者への配慮、うつさないと、日々祈って実行すべきとも解釈できるのではないでしょうか。結局、それによって日々の暮らしを平静に保てるということなのかもしれません。