時事問題
子曰わく、君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず。(「子路第十三」23) (解説) 孔子の教え。教養人は、和合するが雷同しない。知識人は雷同するが和合しない。(論語 加地伸行) 社会は多様な人間が存在して成立する。その中に、君子や小人も含まれる…
子曰わく、苟(いやし)くも其の身を正しくせば、政に従うに於いて何か有らん。其の身を正しくする能(あた)わずして、人を正すを如何せん。(「子路第十三」13) (解説) 孔子の教え。もし為政者自分自身を正しくしたならば、行政はたやすいものだ。自分…
子 喪有る者の側(かわら)に食するとき、未だ嘗(かつ)て飽(あ)かず。子 是(こ)の日に於いて哭すれば、則(すなわ)ち歌わず。(述而第七 九) (解説) 「孔子は、葬儀のあった家で食事をされたとき、けっして満腹されなかった。また、弔問された日は…
子曰わく、憤せずんば啓(ひら)かず、悱(ひ)せざれば発さず。一隅を挙げて、三隅を以て反せずんば、則(すなわ)ち復(ふたた)びせず。(述而第七 八) (解説) 「孔子の教え。心に求めるものがあっても、まだそれがはっきりしないときは、それをこうだ…
子曰わく、自ら束脩(そくしゅう)を行なう以上には、吾未だ嘗(かつ)て誨(おし)うる無くんばあらず。(述而第七 七) (解説) 「孔子の教え。自分できちんと社会生活のできる年齢となった者以上には、私は弟子として教えてきた。」(論語 加地伸行) (…
子曰わく、道に志し、徳に拠り、仁に依り、芸に遊ぶ。(「述而第七」6) (解説) 「孔子の教え。天の道を求め、道徳を根底にして、人の道を身につけ、学芸の世界を楽しむ。」(論語 加地伸行) (参考文献) 論語 増補版 (講談社学術文庫) 作者: 加地伸行 …
子曰わく、甚だしいかな、吾が衰えたることや。久しいかな、吾(われ)復(また)夢に周公見ず。(「述而第七」5) (解説) 「孔子のことば。ひどいものだなあ、呆けてきたわな、このごろ。もう長い間、周公の夢を見なくなっている。」(論語 加地伸行) 「…
子の燕居(えんきょ)するや、申申如たり、夭夭(ようよう)如たり。(述而第七 四) (解説) 「孔子のくつろいでおられるときの様子は、伸びやかであり、楽しげであった。」(論語 加地伸行) (参考文献) 論語 増補版 (講談社学術文庫) 作者: 加地伸行 …
子曰わく、徳の脩(おさ)まらざる、学を講せざる、義を聞きて徙(うつ)る能(あた)わざる、不善改むる能わざるは、是れ吾が憂えなり。(述而第七 三) (解説) 「孔子の教え。徳が積もらないこと、学習が進まないこと、道義を学んでも実践できないこと、…
子曰わく、黙して之を識(しる)し、学びて厭わず、人に誨(おし)えて倦(う)まず。何か我に有らんや。(述而第七 二) (解説) 「孔子の教え。黙って心に刻んで記憶し、学んで厭きるといことがなく、人に教えて倦むこともない。それらは、この私において…
子曰わく、述べて作らず、信じて、古(いにしえ)を好む。窃(ひそ)かに我を老彭(ろうほう)に比(なぞら)う。(述而第七 一) (解説) 「孔子の教え。私は祖述しはするが創作はしない。信じ古典・古制・古道を好む。ひそかにこの私を心の中で、老彭にな…
子貢曰わく、如(も)し博く民に施して能(よ)く衆を済(すく)う有らば、何如。仁と謂う可(べ)きか、と。子曰わく、何ぞ仁を事とせん。必ずや聖か。堯(ぎょう) 舜(しゅん)も其れ猶諸(これ)を病めり。夫れ仁者は、己立たんと欲すれば人を立つ。己達…
子曰わく、中庸の徳為る、其れ至れるかな。民 鮮(すく)なきこと久し。(「雍也第六」29) (解説) 「孔子の教え。道徳における中庸の位置は、この上ないものだ。しかし、人々は中庸を欠いて久しい。」(論語 加地伸行) 偏りや極端でないこと、とかく尖が…
子曰わく、賢なるかな回や、一箪(いったん)の食(し)、一瓢の飲、陋巷(ろうこう)に在(あ)り。人は其の憂いに堪えず。回やその楽しみを改めず。賢なるかな回や。(「雍也第六」11) (解説) 「孔子の評価。聡明である。顔回は。その食物はわずか、飲…
2024年度上半期に、1万円紙幣が刷新される。その新しい1万円札の顔に渋沢栄一が採用される。2021年放送の大河ドラマ「青天を衝(つ)け」の主人公は渋沢栄一。日本資本主義の父がどんなストーリ展開で描かれるか楽しみでもある。 1916年、その渋沢栄一の言葉…
ローマ法王が来日されている。長崎で、そして、広島でスピーチを行った。「核兵器を保有することも倫理に反します」とのメッセージを世界に向け、発信されました。 君子は義に喩り、小人は利に喩る。 バチカンは核兵器禁止条約をいち早く批准した。被爆国で…
安倍政権が憲政史上最長となったそうだ。安倍政権の一丁目一番地「アベノミクス」の評価はどんなものであろうか。【利に放りて行えば、怨み多し】積み上がる企業の内部留保、低下する労働分配率。景気の気という。幸福を感じる人々がどれだけ増えているのだ…
「桜を見る会」が話題のようである。 「桜を見る会」の招待客に安倍首相の地元後援者が多数含まれていたという。【君子は徳を懐い、小人は土を懐う】首相もひとりに人間である。地元のことを大切に考えたのだろうか。論語はそういう人を君子と呼ばない。
世情騒然。香港のデモが長期化したまま出口が見えない。米国上院で「香港人権法案」が可決されたとニュースが流れる。「君子の天下に於けるや、適も無く、莫もなし。義 之と与に比す」 香港市民を動かす「義」とは何であろうか。政府側も市民も互いに求める…
11月10日、祝賀パレードとなる「祝賀御列の儀」が華やかに行われた。雅子さまが、また涙された。【苟に仁に志さば、悪無きなり】仁斎は、『仁に志せば心もちはゆったりとして人を慈しむことになるから、おのずと人から悪まれることがなくなる、世間は公平に…
台風19号を通り過ぎ、東日本各地に甚大な被害を残したことは記憶に新しい。災害ボランティアが活躍し、地域で支え合い、各地で復興へ向けて動き出している。こうした動きから徂徠がいう「仁に里るを美と為す」との意味がよくわかる。 東洋経済の「武蔵小杉を…
東京オリンピックのマラソン会場が札幌に変更となった。IOCの危惧も理解するが、準備をしてきた人々にとっては、まさに「青天の霹靂」であったことであろう。「IOCという力の前では、われわれではどうにもできない」と語った瀬古さんの心中は、『成事は説か…
世界が注目する中、イギリス ブレグジット騒動が長引いている。来月12日、この4年間で3回目の総選挙が実施される。「君は臣を使うに礼を以てし、臣は君に事うるに忠を以てす」マーガレット・サッチャーはそんな指導者だったのだろう。 強引な手法が目立つジ…
「気候危機」が起こりつつある。地球温暖化の影響で気候変動が起こり、世界各地で災害を起こすようになっている。地球温暖化の主要因は無秩序な石油消費ではなかったのか。未だに石油産業を牛耳ろうとするのが石油メジャー。「手のひらの中のトランプ」、そ…
「是れ忍ぶ可くんば、孰れをか忍ぶ可からざらん。」こういうことを平気で行なうというのであれば、どのようなことでも平気で行なうことになるであろう、とも意味。高浜町と関西電力の関係。本来の礼の意味を分かっているのだろうか。
香港のデモが収まらない。「其の鬼に非ずして之を祭るは、諂うなり。義を見て為さざるは、勇無きなり。」そんな論語の教えが香港市民を支えているのだろうか。
「先ず実行だ。その説明は、実行の後でする」その言葉を実行しているのがスウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさん。悪化する環境を憂い、行動を起こした彼女。国連に登壇して窮状を訴えた。 彼女がはじめた #FridayForFuture 活動で、世界は動き始めた。そ…
終日違わずして愚なるが如し。退いて其の私を省みれば、亦以て発するに足れり。この言葉に、ラグビー日本代表主将リーチ・マイケルの姿を見る。彼のひたむきな姿勢はどうやって養われてきたのか。
日産を大改革をして再度成長路線に戻したカルロス・ゴーンさんはカリスマ経営者のひとりになった。そんな彼がなぜ不善を犯したのか。日本から多くのことを学んだはずの彼が...
先日、瀧本哲史さんがお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。彼の足跡をたどると、『往を告げて、来を知る。』そんな人物像が見えてきます。彼が遺したメッセージとは何か。