「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

【未だ之を行なうこと能わずんば、唯聞くこと有るを恐る】 Vol.108

「子路は真直ぐな人間で、知行合一を常に求めた。先生から教わったことはすぐに実行に移したい。しかし、まだそれが成果をあげていないうちに、また次の教えを聞くと、それも実行したくなり、あぶ蜂とらずになる恐れがある。だから、一つのことを成就するま…

【性と天道とを言うは、得て聞く可からざるなり】 Vol.107

子貢曰わく、夫子(ふうし)の文章は、得て聞く可(べ)し。夫子の性と天道とを言うは、得て聞く可(べ)からざるなり。(「公冶長第五」13) (解説) 「子貢の回想。孔子から古典学は学ぶことができた。しかし、本質・実態とか普遍的なるものは学ぶことが…

ブラック企業大賞とハラスメント【我れ人の我れを加ぐことを欲せず】 Vol.106

「我れ人の我れを加(しの)ぐことを欲せず。吾れも亦人を加ぐこと無からんと欲す」 孔子は秀才である子貢にはできそうもないとたしなめたという。実践することは難しいことなのかもしれないが、この文章を肝に銘じて、会社生活に活かすことに努めたいものだ…

真の剛者は家康か【未だ剛者を見ず】 Vol.105

慾、情欲と剛は両立しない。慾を適正にコントロールして、自らも長命であった家康。孔子は「まだ強い人間を見たことがない」というが、激動の戦国を生き抜き、江戸幕府を開いた家康が真の剛者であると思えてならない。

【其の言を聴きても、其の行ないを観る】 Vol.104

「宰予は、自室で、ある絵を画いていた。孔子はこうおしゃった。「腐った木には彫ることはできない。ぼろぼろになった土塀は塗って修復することができない。宰予に対して責めてもしかたがない」と。孔子はこうおっしゃっておられた。「以前は、他者を見ると…

【一を聞いて以て十を知る】 Vol.103

「孔子が子貢に向かってこうおっしゃった。「君は回君と比べてどうかね」と。子貢は申し上げた。「私ごときが、どうして回君と比べてることなど望みましょうか。回君は一を聞けば十が分かります。私などは一を聞いて二を知るくらいのものです」と。孔子はつ…

【其の仁を知らざるなり】 Vol.102

自分で仁にはげもうというような意志をほとんど持たないでいて、このような大問題を軽々しく自分の弟子にひっかけて聞いてくるような儒子(若僧)には、正面から答えたくなかったのかもしれない。孔子が、この三人は仁についてはまだ未熟者なのです、と答え…

アウェイで自分を知る【桴に乗りて海に浮かばん】 Vol.101

いつの時代でも、なかなか自分が理想とするものは手に入らぬものらしい。その時、やはり先人たちも今ある環境からの脱出みたいなことを夢想したのだろうか。先人たちの時代とは違っていとも容易く移動ができる時代なのだから、何か閉塞感なり感じるのであれ…

【斯を之れ未だ信ずる能わず】 Vol.100

桑原は、「斯を官僚のあり方そのものととり、主体の問題よりも客体の存在そのものに疑問を感じ、そこにコミットする気持ちになれない、と弟子がいい、役人社会の表裏をよく知っていた先生が、お前の気持ちはよくわかる、そのとおりだよ、とうれしげに答えた…

エッジを少し緩めてみると...【何の器ぞや、と。曰わく、瑚璉なり】 Vol.99

「お前には、器才がある」。「どういう器才ですか」。「最高ということだ」と訳す加地と桑原の訳には差がある。桑原は、もう少し鋭鋒をかくしたほうがよいという忠告を含んでの比喩という。現代においては、エッジを利かせることがもてはやされる。しかし、…

【魯に君子者無くんば、斯れ焉んぞ斯をとらん】 Vol.98 福原愛ちゃんが紡いだもの

女子卓球の東京オリンピック代表争いが熾烈さを増す。愛ちゃんが切り開いてきた卓球人気。愛ちゃん活躍なくして、オリンピックでの連続メダル獲得もなかった。その愛ちゃんに続けと、石川佳純、伊藤美誠、平野美宇らが活躍する。そんな姿を愛ちゃんは喜んで…

【子、南容を謂う。其の兄の子を以て、之に妻わす】 Vol.97

「孔子は南容についてこうおっしゃられた。国政が安定しているとき、責任ある仕事についており、国政が乱れているとき、責任を問われ罪を得るようなことはなかった。兄の子を南容に嫁がせた。」 孔子は、肉親を嫁がすべき人物像を前章と合わせて、明らかにし…

【子公冶長を謂う。妻わす可きなり】 Vol.96

「孔子は公冶長についてこうおっしゃられた。私の娘と結婚させてよい。彼がかつて牢屋に捕らわれていたことがあっても、それは冤罪であったと。そして、御自分の娘を嫁がせたのである。」(論語 加地伸行) 公冶長は論語の中でこの章にしか登場しないことを…

【朋友に数からんとすれば、斯ち疏ぜらる】 Vol.95 ~マー君と野村監督

加地は「友人と交わってすぐ親しくなろうとすると、向こうが逃げてしまう」と解説し、桑原は「相手を見て法をとけ、つまり正論をうるさがってこちらをうとんずるようなつまらぬ友人は、ほどほどにしておくほうがよいと」いう。自分の失敗からみると、加地、…

「青天を衝け」の渋沢栄一と劉備玄徳【徳孤ならず、必ず鄰有り】 Vol.94

劉備玄徳、多くの人材を集め、蜀を建国とした。三国志では、徳の人として描かれる。幕末の志士から日本資本主義の父と言われるまでに成長した渋沢栄一。 栄一は生まれながら徳をもっていたのだろうか。生きた時代とともに徳を身につけていったのではなかろう…

【君子は言に訥にして、行ないに敏ならんことを欲す】グレタ・トゥンベリとグローバル気候マーチ Vol.93

「教養人は、口下手ではあっても、人の道はすぐに実践したいと願う。」

破産しても立ち上がる人たち リンカーン大統領【約を以て之を失う者は、鮮なし】 Vol.92

どん底の苦境に陥る。そんな経験をすることがひとつの契機になるのだろうか。自己破産などを経験しながら、そこから立ち上がり成功した人が大勢いる。その一人にアメリカ16代大統領エイブラハム・リンカーン。彼の言葉と論語の共通性をみる。「約を以て之を…