子曰わく、君子は言に訥(とつ)にして、行ないに敏ならんことを欲す。(「里仁第四」24)
(解説)
「君子教養人は、口下手ではあっても、人の道はすぐに実践したいと願う。」(論語 加地伸行)
「訥」、遅鈍を意味する。
君子は口は無調法でも行動は敏捷でありたいと思うべきである。これは訥弁の評価ではなかろうと桑原はいう。君子がおしゃべりでも困るが、自分の思うところを明快率直に伝達しうることは古代でも評価されたに違いないと解説する。
「関連文書」
アスペルガー症候群のひとりの少女が起こした行動が、世界各地に拡散した。
グレタ・トゥンベリとグローバル気候マーチ。COP25を前に、11月29日世界でグローバル気候マーチのデモが行われた。
“To change everything, we need everyone. Each and every one of us must participate in the climate resistance movement. We cannot just say we care; we must show it.” https://t.co/o1ZfuXeWta
— Greta Thunberg (@GretaThunberg) 2019年11月29日
君子は言に訥にして、行ないに敏ならんことを欲す
We cannot just say we care; we must show it.
弁舌のことはしばらくおき、実践行動は思い切りよく、かつスマートであってほしいと、行動の方に力点をかけ、言おうとしたのではないかと桑原はみる。さらに、孔子の理想は、密室の冥想家にはなく、人々のために「善」を敢行する実践者にあったことを示しているという。
ひとりの少女が始めた行動が、世界を動かし始めている。
(参考文献)