「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【未だ之を行なうこと能わずんば、唯聞くこと有るを恐る】 Vol.108

 

子路 聞くこと有りて、未だ之を行なうこと能(あた)わずんば、唯聞くこと有るを恐る。(「公冶長第五」14)

  

(解説)

子路は、何かを学んで、それをまだ身につけことができないうちは、他に学ぶことが出てくることを恐れた。」論語 加地伸行

 

 桑原はもう少し詳しく解説する。「子路は真直ぐな人間で、知行合一を常に求めた。先生から教わったことはすぐに実行に移したい。しかし、まだそれが成果をあげていないうちに、また次の教えを聞くと、それも実行したくなり、あぶ蜂とらずになる恐れがある。だから、一つのことを成就するまで次の教えを聞くのが恐ろしい、といった。もちろん、それは子路本人が「恐ろしい」といったのか、他の門人がこれを見ていて、子路は恐れているといったのかわからないが、いずれにしても「恐」という強い言葉によって、子路の学問への純真な気持ちを的確に表している。こういう言葉によって、子路は後生の読者の人気を博しているのだ。」

 

  

 「子路」、姓が仲、名は由、子路は字名。顔回(顔淵)とともに「論語」の二大脇役。大国の軍政のきりもりを任せられる人材と桑原はいう。子路は晩年、衛の国に仕えるが、内乱に巻き込まれ殺される。

 

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「関連文書」

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(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

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論語 (ちくま文庫)

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