「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

これが望んだ未来だったのか、止まらない、止められない円安

 どうにも円安が止まらなくなっているようです。あっさりと158円突破。もう少しもみ合いがあって160円に近づいていくと思っていましたが、そうならないのかもしれません。

円が157円台後半、米指標発表後に下げ加速-介入警戒ラインも割る - Bloomberg

 金融政策決定会合後の植田日銀総裁の発言が超ハト派的に過ぎたことに市場が反応してのことのようです。失望の円安との声もあります。

 植田総裁の発言がもう少し円安を牽制するものがあれば、そんな期待もあったようですが、そうならなかったのですから仕方がありません。専門家たちは様々な意見を述べ、財界からも懸念する声が上がっています。

 

 

「由々しき事態。企業の努力の効果がなくなる可能性があり、大変危惧すべき状況だ」「物価と賃金の好循環が実現しつつあったが、円安がそれを邪魔する可能性がある」と、経済同友会の新浪代表幹事は述べ、輸入物価上昇による日本経済への悪影響に懸念を示したそうです。

止まらない円安、電気料金のさらなる値上げリスクに - Bloomberg

 円安の進行は、電気料金を押し上げる要因となり、さらに家計や企業のコストを圧迫することになりかねないといいます。「燃料費が上がると料金に反映されるので、円安は好ましいものではないと認識している」と四国電力の東京支社社長は語ったそうです。

 円安は好調な企業業績につながりますが、一方で、デメリットも目に付くようになってきています。学生たちが留学を諦めたり、今留学している学生が途中で断念するケースもあるといいます。

止まらない円安 実は「円弱」 日本は“後進国”に転落か 国力低下の現実とは【報道1930】 | TBS NEWS DIG (2ページ)

もうちょっと払えないっていう限界が来てしまって、そうなると生活を楽しめない。ただお金を気にしちゃって…。これじゃ留学じゃないって…。そう思っちゃう人は途中で帰国しちゃう。私の友人にもいた。もう限界だって、払えないからもう1年半で帰っちゃう… (出所:TBS NEWS DIG)

 ほんとうにこれでいいのだろうかと思ってしまいます。

 

 

 政府日銀による介入があるのかが次の注目のようです。急ピッチで進む円安に政府日銀の介入があったのか、またこの先あるのか、協調介入があるのか。

為替介入を巡る日米当局間の軋轢:円安阻止で日銀への依存が高まるか|2024年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)

 日本がGWに突入したこと、また米国FRBの会合が控えていることもあり、ちょっと読みにくくなっているようです。

論語に学ぶ

子貢(しこう)問いて曰わく、師と商とは孰(いず)れか賢(まさ)れる、と。子曰わく、師や過ぎたり。商や及ばず、と。曰わく、然(しか)らば則ち師は愈(まさ)れるか、と。子曰わく、過ぎたるは猶及ばざるがごとし、と。(「先進第十一」16)

 弟子の子貢が「師(子張)と商(子夏)と、どちらがすぐれていますか」と尋ねました。孔子は「師は多いな、商は少ないな」と答えました。子貢は「では師のほうがすぐれているのですか」と尋ねると、孔子は「多いも少ないも同じことだ」といいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

「過ぎたるは猶及ばざるがごとし」、「過」も「不及」も同格であって、中庸を失っている点では、ともに良くないという意味です。

 何においても行き過ぎが目立つ今日この頃、倫理の基本であろう「中庸」がなくなっているということでしょうか。色々問題が生じる理由はここにあるのかもしれません。

 

 

新しい日本

「新しい日本」、エマニュエル米駐日大使が支持する語ったそうです。「新しい日本」、外交政策や金融・企業の活力、防衛戦略、ポップカルチャー、さらにはスポーツなどあらゆることが、株式相場のブレークスルー以上に、日本が低迷期から抜け出しつつあることを示している。

【コラム】失われた30年が変えた日本、進化し次の時代へ-リーディー - Bloomberg

日本を立ち直らせた立役者である故安倍晋三元首相は、日本が「普通の国」になることを望んだ。かつての日本であれば、世界中のどの国からも課題を抱えた国にしか見えなかったかもしれないが、現時点での日本の物語は希望を与えてくれる。衰退は不可避ではないのだ。(出所:ブルームバーグ

 米国から見たということなのでしょう。傲慢な米国にとっては都合がよかったことにすぎないような気がします。安倍氏は日本が自国の防衛に全責任を持つようにするという自身の野望を達成するために、ある意味では手段を選ばず、国民には我慢と犠牲を強いてきたように思えます、それを過小評価しているようにも見えます。

 故人の功績が皆無だという気はさらさらありません。数多くの功績があったのは間違いないのでしょう。しかし、一方で円安が恐ろしい速度で進み、政府施策の実行のためには増税などの負担が強いられるようになりました。防衛力は強化されたのかもしれませんが、豊かさが生活の中から失われつつあるようにも感じます。これが望んだ日本の未来なのかと感じます。違うような気がします。

 

 

「参考文書」

ハト派的日銀、さらなる円安への道開くとアナリスト-160円の可能性 - Bloomberg

円安加速「由々しき事態」 国内投資拡大で抑制を―新浪代表幹事:時事ドットコム

【コラム】米国の対日認識、米大使がアップデート求める-リーディー - Bloomberg

超円安で「新興国化」、日銀は何をすべきか たとえ介入でしのいでも:朝日新聞デジタル