「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【右肩下がりのニッポン】止まらない少子化、43年連続で減少する子どもの数

 歴史的な円安水準、歯止めがかからない少子化、報道自由度の低下..... あまり明るくないニュースが報じられています。右肩下がりのダウントレンド、これではなかなか世の中が空気感が明るくなりそうもありません。

 何かを変えてトレンドを転じさせることができればいいのでしょうが、何をやっても空振りが多く、適時打が生まれません。もし引き寄せの法則が成立するのなら、変わろうとする願いがまだまだ弱いから、変わることができないといってよさそうです。いずれにせよ、まだまだ変えようとする力が不足しているようです。

 

 

43年減少続く子どもの数、

 総務省が人口推計から算出した子どもの数を発表しました。比較可能な1950年以降の最少記録を更新する1401万人だったといいます。43年連続で減少しているそうです。

子どもの数、最少の1401万人 総人口比率は最低の11.3% - 日本経済新聞

 これまでも少子高齢化問題が放置されていたということはないのでしょうが、それにしても一向に改善されないのはなぜなのでしょうか。的を得ない対策ばかりが実施されてきたのかなと思います。政府が国民負担を求めて、少子化対策を実施します。思い描くように出生数が増加に転じることはあるのでしょうか。

人口戦略会議

 地方では女性が減少し、東京が人を引き寄せ集中するようにとなっています。しかし、その一方で、多くの区部では出生率が低いといいます。

「人口戦略会議」が、地方自治体の「持続可能性」について分析を行った結果からわかったことだそうです。

「東京は人を吸い込むブラックホール」人口の一極集中に対して全国の知事が抱いている“複雑な心境” | 文春オンライン

 この分析結果をもとに2050年の地方自治体を予測し「消滅可能性自治体」「ブラックホール自治体」などに分類しています。狙いは「出生率の向上」「人口流出の是正」を求めるものなのでしょうが、キャッチーな言葉で対策を煽るのはどうなのでしょうか。政府の少子化対策の後押しとなって、自治体が政策を変え、結果を出していくことはあるのでしょうか。また掛け声倒れにならなければいいのですが。

 

 

論語に学ぶ

紫の朱を奪うを悪(にく)む。鄭声(ていせい)の雅楽を乱るを悪む。利口の邦家を覆すを悪む、と。子曰わく、予 言うこと無からんと欲す、と。子貢(しこう)曰わく、子 如(も)し言わざれば、則(すなわ)ち小子(しょうし)何をか述べん、と。子曰わく、天 何をか言わん。四時(しじ)行なわれ、百物生ず。天 何をか言わん、と。(「陽貨第十七」16)

 間色の紫色が流行して、正色の朱色より増えているのをとがめる。官能的な鄭系の音楽が流行して優美な正統系の音楽よりも世に受けているのを非難する。耳に心地よい邪道の弁舌が、国家を覆すのを憎むと孔子はいい、「私はもう発言して教えることをやめようと思う」といいました。子貢は「先生がもし黙ってしまわれますならば、我々弟子たちは何を伝えてゆけばよろしいのですか」と答えます。孔子は「天は何も指導していない。しかし、四季は自然とめぐるし諸物は生育しておる。天は何も教えていないのだ」といいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

「紫の朱(あけ)を奪う」「朱を奪う紫」、この孔子の言葉が語源とされ、まがいものが本物にとってかわり、その地位を奪うことのたとえ。また、似て非なるものの意味があります。

 

 

日本国憲法前文

国民主権を脅かす、ゆがめるような政治の行為は断じて正されなければならない」と、公明党の山口男代表が、自民党の裏金事件についてそう述べたそうです。

公明・山口代表「国民主権を脅かす」憲法引用し裏金事件で自民を批判 [公明]:朝日新聞デジタル

「そもそも国政は国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」という憲法の前文を引用した上で自民党を批判したといます。

日本国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民と協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。われらはこれに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。(日本国憲法前文

国民主権」は「基本的人権の尊重」「平和主義」と並んで憲法の3大原則です。山口代表は、たんに正論を述べただけなのでしょう。しかし、近年はその憲法の3原則を疎んじては、邪説を述べて、それをあたかも正論のように扱う傾向が強かったのかもしれません。改めて憲法前文を読むと、そう思わざるを得ません。

【原典完訳】引き寄せの法則

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 「福利」、幸福と利益。希望どおりになって生活などが落ち着くようにすることと、その人のためになることをいいます。

 権力を行使する者が、自らのためにそれを利用することはもってのほかということなのでしょう。権力が国民の福利のために正しく行使されているのなら、少子化など多くの問題が未解決のままになることはないのかもしれません。権力を悪用する者たちを憲法にある通り排除し、今を変えることから始めなければならないのかもしれません。