「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

現職首相として初の政倫審出席、首相のサプライズ行動、上がらない評価

 政治のゴタゴタ劇が続いています。膠着状態の政治倫理審査会の開催を巡って、首相が自ら出席するという苦肉の策に出ました。現職首相として初めてのことなるといいます。これを受けて、他の疑惑議員たちも公開での出席に合意したようです。

[表層深層]傍観一転「俺が出る」 捨て石覚悟 見えぬ信頼回復 政倫審 首相が奇策 自民裏金事件 | 沖縄タイムス+プラス

「一人だけ抜け駆けするのダメだ」、疑惑議員の政倫審出席を巡っては自民党内で色々な駆け引きがあったようです。首相のサプライズ行動で一見、事態打開となったように見えますが、党内評判はあまりよくないといいます。

 国民が怒りを募らせる自民党巨額裏金事件、納得できる説明ができなければ、さらに国民の政治不信を助長しかねないことになります。首相は説明責任をどのようには果たしていくのでしょうか。

 

 

「岸田の乱」と揶揄される首相のスタンドプレー、党を救うことを大義名分にした突然の岸田派解散から始まったゴタゴタ劇は、党内権力構図も一変させる大博打といわれているそうです。

【点描・永田町】「岸田の乱」で自民権力構図一変:時事ドットコム

 権力を独占してきた最大派閥安倍派(清和会)を解散に追い込んだことによって自民党派閥政治が崩壊したとの見方があるといいます。

首相の一大決断は「内閣支持率を上昇させ、自らの求心力回復を狙った」(側近)もので、「『政治とカネ』の問題で先頭に立ち、政治資金規正法の抜本改正などに踏み切れば、政権浮揚につながる」との思惑があったとされる。(出所:時事ドットコム

 一方で党内では、安倍元首相が主導した保守回帰路線を継承する巨大派閥の解体が今後の憲法改正皇位継承を巡る議論の変質・混乱につながるとしての党内では不安や不満が広がっているそうです。

「岸田の乱」も自民党の内実をあからさまにしたということでは良いことのかもしれません。それにしても権力に恋々とし、国民生活を無視して憲法改正などに執着するその姿は不適切にほどがあるといってよさそうです。

疑惑議員の税務調査、拒絶する財務相

 疑惑議員らへの税務調査を実施するよう国税庁に指示すべきと、野党が鈴木財務相に求めたといいます。

権限強大も「チェック機関ない」 立民・江田氏、国税庁の分離独立を主張 | カナロコ by 神奈川新聞

「きちんと税務行政が行われていると信じている」と財務相は指示を拒否したそうです。これに対し、「強大な権限を持つ国税庁をチェックする第三者機関がない」として財務省から分離独立させるよう主張しているといいます。

 これだけ疑惑の目が向けられているのだから、調査だけでも実施してよそうものです。「国税は公平中立でやって欲しい。役所や役人を信じて欲しいと大臣がいっても国民が納得しない」と野党議員は述べたそうです。

 

 

論語に学ぶ

之を道(みちび)くに政を以てし、之を斉(ととの)うるに刑を以てすれば、民免(まねか)れて恥無し。之を道くに徳を以てし、之を斉うるに礼を以てすれば、恥有りて且つ格(ただ)し。(「為政第二」3)

 行政を法制のみに依ったり、治安に刑罰のみを用いたりすると、民はその法制や刑罰にひっかかりさえしなければ何をしても大丈夫となって、そう振舞っても何ら恥じることがなくなる。これに対して、行政を徳に基づき、治安を「礼」世の規範で整えるようになれば、心から不善を恥じるようになって正しくなると孔子は言いました。

dsupplying.hatenadiary.jp

女性への不適切な行為でトップ3人が続いて辞任したエネオス

 女性への不適切な行為でトップ3人の辞任が続いたエネオスホールディングスが再発防止策を発表しました。取締役が会食時に飲酒し過ぎていないか同行者が監視するルールを定め、不適切な行為を起こした場合は「連座制」で同行者も責任を問われることになるといいます。

エネオス、社長に宮田知秀氏昇格 役員の飲酒監視ルールを新設:東京新聞 TOKYO Web

 ここまでのルールが必要なのかと感じなくもないですが、棄損した企業イメージの回復のためということでしょうか。

「トップの人権に対する考え方が非常に甘いことが共通している」と新社長に就任する宮田氏は説明し謝罪したそうです。宮田氏は社長昇格にあたり第三者機関に身辺調査されたといいます。

 

 

宮城野部屋暴力事件

 大相撲では、元幕内の北青鵬が暴力問題を起こし、北青鵬は引退となり、宮城野部屋は一門預かりでこの先閉鎖になる可能性もあるそうです。大記録を打ち立てた横綱白鵬宮城野親方のガバナンス、指導力が問われているようです。

師匠代行の下で稽古開始 暴力問題の宮城野部屋|【西日本新聞me】

 閉鎖性が高いといわれる大相撲でも問題があれば厳しい処分となるようです。世間の目もあるでしょうし、今後の大相撲の発展を考えてもやむなしとなるのでしょうか。

 他のところでは問題が生じれば厳罰に処し、その上でルールを変えて整え、意識の変革も求めるようです。それなのに政治は特別なものとしようとする自民党は困りものです。自覚をもって自己を律してもらいたいものです。そうあってはじめて信頼の回復につながるのではないでしょうか。

 

「参考文書」

衆院政倫審、岸田文雄首相と西村康稔氏ら自民5議員出席 全面公開へ - 日本経済新聞

首相、自ら政倫審出席表明 報道公開で「説明責任」 | 共同通信