「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

延期となる政治倫理審査会、追い込まれる首相

 疑惑議員たちが説明責任を果たすはずの政倫審の開催が危ぶまれているようです。疑惑議員たちのささやかな抵抗なのでしょうか。それとも首相への遺恨を晴らそうとする造反行為なのでしょうか。抵抗を続ければ、首相を窮地に追い込むことはできそうです。

 よくよく考えずに行動するから整合性を失い、ダブルスタンダードのようになって、結局、国民からは呆れられ、身内には禍根を残し、怨みを買う羽目になるのでしょう。

「あなたが政治改革の障害になっている」と、野田元首相は断じていました。首相の能力不足がより鮮明になってきているような気がします。

 

 

論語に学ぶ

子貢(しこう)曰わく、君子も亦(また)悪(にく)むこと有るか、と。子曰わく、悪むこと有り。人の悪を称する者を悪む。下流に居(お)りて上(かみ)を訕(そし)る者を悪 む。勇にして礼無き者を悪む。果敢にして窒(ふさが)る者を悪む、と。曰わく、賜(し)や、亦悪むこと有り。徼(もと)めて以て知と為す者を悪む。不孫(ふそん)にして以て勇と為す者を悪む。訐(あば)きて以て直(ちょく)と為す者を悪む、と。(「陽貨第十七」21)

 弟子の子貢が「君子 教養人もまた憎むことがあるのか」と質問しました。孔子は「憎むことがある。他者の悪事を吹聴する者、部下でありながら上司の陰口を言う者、度胸ばかりで礼儀を知らない者、思い切って行動するばかりで行き詰まりになってしまう者を憎む」と答えました。「賜君よ、憎むことがある。他者の意見を盗みとって自分の独創とする者、自分の傲慢な行動を勇敢と思っている者、他者の秘密を暴露して正直としている者、こういう連中をな」といいました。

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自民党にはもともと統治が及びにくい分権的な体質がある。代表的なのが地方組織や派閥だ。(出所:日本経済新聞

自民党改革に権力抑制論を 集権化にポピュリズムの芽 - 日本経済新聞

 これらが権力抑制の機能を持つ反面、統治の難しさでもあるといいます。

 さて首相の統治能力はどうなのでしょうか。恨みを買うよう言動は現に慎まなければならないのでしょう。私欲に走らず、自己を律することできれば違う結果もありそうです。

 

 

解消されない将来不安、止まらない少子化

 出生数の減少が止まらないようです。厚労省が発表した速報値によれば、前年比5.1%減の75万8631人だったといいます。8年連続での減少で、過去最少となったそうです。

2023年出生数、過去最少75.8万人 人口は初の80万人超減 - 日本経済新聞

 婚姻数も50万組を割り48万9281組となったといいます。婚姻が増えなければ、出生数増加への反転も見通せないといいます。経済的な理由から結婚に踏み切れない若者が多いそうですが、若者の将来不安の払拭に向けた道筋も不透明のままといいます。

 長く続いてきた自民党政治の限界が見えているように思えてなりません。「異次元な少子化対策」も掛け声ばかりで、成果を生みそうにありません。かえって、将来不安を助長しかねないことになりそうです。

 防衛力強化などには巨額なおカネが費やされるのに、カネがないないと言っては増税のチャンスを窺うようような政治にはうんざりです。野党よりはマシどころか最悪ではないでしょうか。自民党政治を終わらせ、新しいものへと変え、育てていくしかにようです。

 

 

「参考文書」

野田佳彦元首相に「あなたが政治改革の障害」とこき下ろされ… 岸田文雄首相は何一つまともに答えられず:東京新聞 TOKYO Web

森氏聴取、必要なしと判断 岸田首相、「国民の厳しい目」認識―衆院予算委:時事ドットコム

「結婚氷河期」見えぬ未来 婚姻数90年ぶり50万組割れへ - 日本経済新聞