乱れ飛ぶ告訴、かみ合わない議論、壊れた秩序 - 「論語を現代に活かす」　時代を超えて読まれた名著

市民による刑事告訴に、逆告訴、様々な名誉棄損の訴え、発言の撤回など、秩序や規律が壊れ、世が乱れているようです。

麻生太郎氏、上川陽子外相巡る発言撤回岸田文雄首相「やゆ慎むべきだ」 - 日本経済新聞

自民党裏金事件、「政治とカネ」が問題視されています。そんな中、首相は国会質疑で、昨年12月に予定していた自身の政治資金パーティーを延期したと明かし、「諸般の事情で延期した。会費は延期後の開催に充てるが、参加困難の方には当然返金する方針だ」と説明したそうです。こんな状況になってもまだパーティに執着しているようです。質問した共産党の田村委員長は「まだ開くつもりなのか。政治刷新を語る資格はない」と批判したといいます。

企業献金については「政党が受け取ること自体が不適切とは考えていない」と述べ、「献金の多寡により政策立案の在り方がゆがめられることはこれまでも、これからもない」とも強調したそうです。懲りない人です。利権政治と言われてます。そう思われることが多々あるようにも感じます。

裏金

国会の質疑では野党が「裏金」という言葉を使って質問すると、自民党議員は壇上に上がって抗議し『裏金をもらった』という表現はおかしいと異議を申し入れたといいます。

「裏金」にピリピリ国会で再三の抗議カギ括弧付きならOK? [立憲] [自民]：朝日新聞デジタル

首相は、裏金の定義を問われると「一概に答えることは困難」と述べたそうです。

告発状

市民グループが、安倍派議員10人が、派閥主催のパーティー券の売上金を税務署に申告せずに脱税したとして、所得税法違反の疑いで、東京地検に告発状を提出したそうです。

億単位の裏金がバレても「政治資金」で届けたらOK 庶民なら「脱税」なのに…現行ルールのガバガバ具合：東京新聞 TOKYO Web

これだけの巨額裏金を「政治資金」として届け出れば問題なし、というのはどう考えても間尺に合わない。脱税として立件されるべきだ。（出所：東京新聞）

その安倍派では、所属議員たちが自分たちの責任はさておき、幹部たちは政治責任を取るべきとの意見も上がっているといいます。何から何まで滅茶苦茶と感じるばかりです。

論語に学ぶ

子貢（しこう）問うて曰わく、何如（いかん）ぞ斯（すなわ）ち之を士と謂う可き、と。子曰わく、己を行なうに恥ずる有り。四方に使いして、君命を辱（はずかし）めず。士と謂う可し。曰わく、敢（あ）えて其の次を問う、と。曰わく、宗族（そうぞく）孝を称し、郷党（きょうとう）弟を称す、と。曰わく、敢えて其の次を問う、と。曰わく、言えば必ず信、行なえば必ず果。硜硜然（こうこうぜん）として小人なるかな。抑々（そもそも）亦（また）以て次と為す可し、と。曰わく、今の政に従う者は如何、と。子曰わく、噫（ああ）、斗筲（としょう）の人、何ぞ算（かぞ）うるに足らん、と。（「子路第十三」20）

弟子の子貢が「どういう人物をできる士と言えるのでしょうか」と尋ねました。孔子は「実行し、もし自分に非道なことがあったならば、それを恥じる。どこに派遣されても、自国の代表として辱しめられるようなことなく行動する。これができる士だ」と答えました。子貢は、この際ですので、順位がその次のものをお尋ねると、孔子は「一族から孝行と褒められ、郷里の人々から先輩を立てると評判がいい者だ」と答えます。子貢はさらに、その次はいかがですかと質問します。孔子は「言ったことはとにかく守ろうとし、行うときは必ず果たそうとする。それはそれでいいのだが、それは型どおりの知識人、なんとか第三順位ということができる」と答えます。子貢は「現在の為政者はどんなものですか」と尋ねると、孔子は「升などで量れるような器の小さな人物ばかりだ」と嘆き、論ずるに足りないといいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

「斗筲の人」、何においても責任を取らず、逃げようとする今時の政治家どもはそんなものなのかもしれません。

各界の有識者からなる「令和臨調（令和国民会議）」が緊急提言をまとめ、「政党のガバナンスはまるでなってない」、「一体どの程度お金がかかってるのか。入りと出を含めた政治とカネの全体像を国民に対して明らかにすべきだ」と指摘したといいます。

「政党のガバナンスはまるでなってない」「令和臨調」が政治資金改革の緊急提言 | TBS NEWS DIG

さて、政治家たちはこうした提言に耳を傾けることはあるのでしょうか。

企業献金する経済界も、この問題を自分事として、政治改革が進むその日までは、当面政治資金パーティ券の購入や企業献金を自粛してみてはどうなのでしょうか。そうすれば、まとめた提言も成就に近づくような気がします。