「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

「政治とカネ」の問題、見過ごされてきた不正、問われる改革

「不正」が、あらゆる組織・団体、コミュニティに蔓延するようになり、再発防止や改革が求められるようになっています。嘆かわしいことです。一方で、精力的に改革を推し進める組織もあるようです。

「不正」とは、組織とか自分のために、他者を欺き、その結果、損失を被る被害者が発生し、組織や自分が利得を得るものだといいます。「不正」が起こる理由には、個人的利益の追求や目標達成のために「手段を選ぶな」という圧力があるといわれます。

 

 

 自民党における裏金事件が発覚し、また政治改革が求められています。

「政治とカネ」の問題が繰り返され、それが自民党においてばかり発生するのですから、自民党において、抜本的な改革が断行されなければならないのでしょう。議員の意識変革も不可避です。

「不正」を行った者は得てして、自分の行動を「不正」だったとは考えないケースがあるといいます。こうした見地からすれば、裏金事件の当事者でもある首相が政治改革を推進することには無理がありそうです。またいつか形を変え、「不正」が繰り返されるようになりそうな気がします。

 「不正」を防止すると意味においては、政治システム全体を見直していくことが求められているのでしょう。

 

 

論語に学ぶ

中人以上は、以て上(かみ)を語(つ)ぐ可きなり。中人以下は、以て上を語ぐ可からず。(「雍也第六」21)

 普通またはそれ以上の人間には、高度な話をしてもいいが、普通以下の人間には高度なことを話してもどうにもならないと孔子はいいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 人は先天的においては差異はなく、後天的な教育や生活によって向上もするし、堕落するというのが孔子の考えといいます。「唯 上知と下愚とは移らず」(「陽貨第十七」2)にあるように、例外的に最高の知者と最下等の愚者は、下降ないし上昇もしないといいます。

 ここでいう「中人」はこの両者の中間にあるごく普通の人のことをいっているそうです。しかし、そうであっても、時に通じない話もあるといいます。たとえば、改革のありかたとかもそうなのかもしれません。その本質を知ろうとせずに、改革、改革といったところで改革ができるはずがありません。こうした人たちを孔子は中人以下、もしくは下愚と呼ぶのかもしれません。

 

 

 JALの新しい社長に、CA 客室乗務員だった女性が選ばれ、話題になっているようです。世界の航空業界を見ても数少ない事例になると言われているそうです。

焦点:CA出身のJAL新社長、経営破綻が異例の人事に道筋 | ロイター

 鳥取三津子さん、現場たたき上げの女性が社長にまで昇進することは日本企業にあっては異例中の異例といいます。

 鳥取さんは地方の短大卒で、JALではなく、東亜国内航空にCAとして就職、同社がJAS 日本エアシステムに社名変更、その後JALに吸収合併されたのに伴い異動したといいます。これまでのJALの歴代社長みなが男性で、全員が四大卒(院卒も含む)で、その多くが東大卒を出ているのですから、異例中の異例といってよさそうです。

 

 

JALをつぶしたのは歴代の経営企画系出身トップと考えている社員は多い」....

鳥取氏の社長抜擢は「JALに根づいた稲盛氏の『現場主義』や『エリート嫌い』の表れ」と複数の関係者は口を揃える。稲盛氏は幹部のエリート意識が会社の一体感を阻む元凶と見ていたという。(出所:ロイター)

『親方日の丸』、官僚的な仕事の仕方をしてきたJALが経営破綻したのは2010年、官僚主義がはびこり、採算度外視で拡大路線に走り、高コストな企業体質になどがリーマン・ショックが追い打ちをかけ経営が行き詰まったといいます。経営再建、改革を当時の民主党政権から託されたのは故稲盛和夫氏。JAL再生には損益計算に関心を持つ組織になる必要がある」と語ったといいます。

「政治改革」、自民党の解体的出直しにも、こうした考えが必要なのかもしれません。

 向上心のあるごく普通な人が、改革を推進するようになれば、日本の政治が変わり、国の停滞にも変化が生まれることになりそうな気がします。

 

「参考文書」

「角栄逮捕時の日本と今の日本は変わらない」都心店で文庫売上7週連続1位を継続! 真山仁『ロッキード』はなぜ売れているか | 文春オンライン

JAL新社長は「女性、元CA、元東亜」 異分子トップを生んだ過去の苦い経験:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/3 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン