政治改革、自民党改革の機運が高まっています。国会では、野党が自民党の裏金構造の徹底的な事態解明を求めています。この問題における野党の結束は固く、自民党得意の野党の一部を与党側に引き付けて分断する国会戦術が機能しないともいわれているようです。
野党、裏金解明へ連携強化 維新「組織的犯罪」と批判:時事ドットコム
一方で、首相の答弁は精彩を欠き、はぐらかしては問題を矮小化させようとの意図すら感じます。「私自身が先頭に立って政治改革の取り組みを必ず実行する」と意気込みはどこにいったのでしょうか。
論語に学ぶ
小人の過つや、必ず文(かざ)る。(「子張第十九」8)
小人は過ちがあると、必ず言い訳をすると、子夏がいいました。
裏金事件に端して政治における不合理、その理不尽さがあらわになりました。それを正し改めるための改革が求められているのでしょう。その改革を進めるにあたっては、勝ち負けにこだわる必要もないはずです。
徹底的に勝つことにこだわるのではなく、決定的に負けさえしなければいいと、首相も割り切ることができれるようになれば、言い訳もなくなり、改革に誠実に向き合うこともできるのでしょう。
トヨタグループ認証不正
グループで不正が相次いで発覚したトヨタ自動車の豊田会長が謝罪し、ガバナンス不全があったことを事実上認めたといいます。
「絶対やってはいけないことをやってしまった。(一連の不正は)認証制度の根底を揺るがす極めて重いことだ」との認識を示した。(出所:日経ビジネス)
豊田会長は自らが責任者となって変革を主導する考えを表明したそうです。
トヨタグループの統治不全認めた豊田会長 「いいクルマ」なおざり:日経ビジネス電子版
いかなる組織においても不断な改革が求められているということではないでしょうか。改革を怠ったため、「ものが言えない」働きにくい職場の劣悪な環境が生じてしまうような気がします。みなが真の改革マインドをもつことが理想なのかもしれませんが、せめて管理職にある人たちにそれがあれば状況は異なっていたように思えます。
企業とは、永続的に利益を上げ、株主(出資者)利益を確保、地域社会に貢献する存在でなければなりません。そのためには、合理的に効率を追求していくことが求められ、日々改革に取り組まなければならないはずです。問題を見つけてはそれを正していくの連続です。これはいかなる組織・団体も同様なのでしょう。
仕事とは、人間の目的的活動またはその努力であり、組織は、仕事に必要な諸要素の複合体であるはずです。それは、人間、機械、もの、情報などを統合し、最適で、最経済なワークシステムであるべきです。そこには悪事や不正などつけ入る隙はありません。そんなものが存在するようになれば、合理性を失い、効率は低下し、最適、最経済は成立することはないのですから。
トヨタグループの新たなビジョンを発表したそうです。改革の必要性を示しているのでしょうか。
<ビジョン>次の道を発明しよう
<心構え>「誰かを思い、力を尽くそう」「仲間を信じ、支えあおう」「技を磨き、より良くしよう」「誠実を貫き、正しくつくろう」「対話を重ね、みんなで動こう」(出所:日経ビジネス)
変化を拒んでいては衰退するだけです。求められているのは不断の改革です。それが信頼を回復する確実な方法であり、近道でもあるはずです。
政治においても同様ではないでしょうか。
「参考文書」
首相「裏金の定義は困難。文脈で意味が異なる」 野党「無責任だ」 [自民] [岸田政権] [立憲]:朝日新聞デジタル