「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

はびこる「不正」、ビッグモータ、自民党、トヨタグループ、続く「悪」の探索

 ビッグモーターの本社社員が逮捕されたそうです。川崎店に公道の街路樹の伐採を指示した疑いがあるといいます。

ビッグモーター本社社員を逮捕 街路樹の伐採めぐり器物損壊疑い:朝日新聞デジタル

 容疑者は各店舗を巡回点検する本社の「環境整備推進委員」だったといいます。ビッグモータでは、経営陣による環境整備点検が行われ、事前に本社の部長らが店舗を訪れ、本番の点検に備えることもあったといいます。従業員らは点検の対応のために本来の業務を「そっちのけ」にして、場合によっては数日かけて清掃や整理整頓を行っていたそうです。おかしな慣行です。しかし、常軌を逸していようが、上からの指示には盲目的に従わざる得ない。これもまたおかしな慣習のような気もします。

 

 

 自民党裏金事件について、「派閥パーティー券を地元で買ってもらうのは大変。都内の名だたる企業は幹部から手を付けられるので、力の弱い我々は自爆するしかない」、自民党の若手議員がこう嘆いているそうです。

自民党若手、最大勢力の静けさ 自爆営業が迫る政治家改革 - 日本経済新聞

ノルマを達成するため自腹で自社商品を買い取る自爆営業。アパレルやコンビニ業界、旅行会社などのほか、農業協同組合や郵便局でも横行した。政府は規制に乗り出したが、自民党派閥の政治資金パーティー券でも広がっていた。(出所:日本経済新聞

 なんとも情けない話です。自民党でもビッグモータ同様、上から圧力には従わざる得ない構図があるということなのでしょうか。

世界史的な悲劇の主人公はヒトラーでもポル・ポトでもありません。そのようなリーダーに付き従っていくことを選んだ、ごくごく「普通の人々」です。(出所:東洋経済オンライン

「悪」とは、システムを無批判に受け入れてしまうことだといいます。所与のシステムの持つ危険性について批判的な態度を持てているか、少なくとも少し距離をおいてシステムそのものを眺めるということが求められるといいます。

 

 

 グループ内で不祥事が多発しているトヨタ自動車の佐藤社長が、「今回起きていることはあってはならないことだ。従って、1回立ち止まってしっかりと反省し、問題に向き合って、改めて前に進んでいく」と述べたといいます。

なぜトヨタグループで不正が続くのか?佐藤社長に集中した質問 | 日経クロステック(xTECH)

技術の高度化が非常に速く進み、業務の負荷が高まっている中で、足元でしっかりと正しい仕事をすることの大切さに関して、バランスを崩していったところがあると思う。(出所:日経クロステック)

 何か言い訳のようにも聞こえます。技術の高度化が進めば、それと同時に業務効率も比例して改善が進みそうな気がします。高度な技術開発が陳腐なシステム上で実行できるはずもないものです。システムをアップデートされず、最適化されていないとしたら、当然どこかに歪みが溜まっていくのではないでしょうか。そこに気づけないのはマネジメントも問題のような気もします。

論語に学ぶ

唯仁者のみ能(よ)く人を好み、能く人を悪(にく)む。(「里仁第四」3)

 仁者、心ある人だけが善い人は善い人とし、悪い人は悪い人と見きわめることができると、孔子はいいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 孔子は好悪の情を抑圧せよとはいっていないといいます。むしろ好悪の情の存在を肯定し、これを鍛錬することが道徳とし、人間について、真の正しい理論を体得した者のみが寸毫もあやまつところのない好悪を実践しうるのではないかと考えているのではないかといいます。

真に健全な自由人は、自分の感情や行動に抑制を加えない。仁者とは、そうした至高の境地に達した人をいう。(引用:論語 桑原武夫

 

 

 悪質な組織ぐるみの裏金事件を起こした自民党、またその事件の舞台となった最大派閥安倍派に支えられてきた首相。そんな人物が未だに政権の座にあっていいのでしょうか。それに従わざわるないこの状況がこの国の悲劇になっていきそうな気がしてなりません。

 

「参考文書」

9割の悪事を「教養がない凡人」が起こすワケ 歴史と哲学が教える「悪の陳腐さ」の恐怖 | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン