「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

蔓延する「上に物を言えない企業風土」、グローバル企業 トヨタも「JTC」なのか

 トヨタグループの世界販売実績が過去最高を更新し、4年連続で世界一になったといいます。一方で、豊田自動織機ダイハツ工業などグループ内での不正が立て続けに露呈しています。

トヨタに「求められるまま」 グループ統治課題、「源流」で不正―豊田自動織機:時事ドットコム

豊田自動織機で発覚した品質不正問題では、特別調査委員会が29日に発表した報告書に「上司に相談したところで『何とかしろ』などと言われる雰囲気があり、技術部長に相談しても無駄と半ば諦め、部長に報告しなかった」との声が記載されました。(出所:日本経済新聞

 ダイハツ工業での認証不正と同様、「上に物を言えない企業風土」があったといいます。これが、法令順守か開発スケジュール順守かの究極的な二者択一な選択を迫るような雰囲気となっていたといいます。組織運営に関わるガバナンスの問題ともいえるのでしょうが、マネジメント層における個人の資質によるところもあるのかもしれないと感じなくもありません。

 

 

『何とかしろ』、よく聞く言葉です。理不尽な要求、会社勤めしていた時は、何度も経験したことです。時には「できないものはできない」「断じてありえない」とはねつけては衝突することがありました。「最大限努力はするが、時間的制約がある中では厳しい」「限られた時間内で結果を出すことはあまりにリスクが高すぎる」、結局は現実的な解を作るしかありません。 個人や一部門にリスクを押しつけるのではなく、リスクを最小化するコンティンジェンシープランを部門の壁を乗り越えて同時並行に検討、実行することを求めました。それに理解、協力してくれるものがあれば、『何とかしろ』も何とかなるものです。協力者がなくても、『何とかしろ』に取り組み続けることができれば、それは社内の問題にとどまり、不正に発展することはありません。ただ当事者は責められ続け、時に干されてしまうこともあり得ます。それを避けるがために不正、わからないでもないですが、そうならなくようにするためにマネジメントがあるようのではないでしょうか。

論語に学ぶ

狂にして直ならず、侗(どう)にして愿(げん)ならず、悾悾(こうこう)にして信ならずんば、吾之を知らず。(「泰伯第八」16)

「狂」集中力はあるけれども、「直」どこかまっすぐなものがない、「侗」ものを知らないのだが、「愿」分を心得ない。「悾悾」誠がありそうで、実は信頼できない、となれば、私はどう教え、導いていいのか分からないと、孔子は言いました。  

dsupplying.hatenadiary.jp

 マネジメントするのもされるのも、いずれにせよ人次第なのかもしれません。

 

 

 古い慣習が残る日本の企業のことをJTC(Japanese Traditional Company)と呼ぶそうです。福利厚生は整っているものの、古い制度と組織風土でがんじがらめ、時代遅れの塊とのイメージがあるといいます。大企業における不正・不祥事とは無縁ではなさそうです。

JTC(Japanese Traditional Company)とは? 古い企業体質、変革を模索 - 日本経済新聞

 自民党政治もまた同じなのかもしれません。古い慣習と時代遅れの組織風土、麻生副総裁は相変わらずでまた麻生節を炸裂させては周囲を驚かせます。時代錯誤も甚だしいのでしょうが、本人に自覚がないのだから手の施しようがありません。裏金問題で違法行為が明らかになっているのに、首相を筆頭にして保身に走り、権力への執着を捨てきることができないようです。昨日の施政方針演説の内容を見ればそれは明らかです。

 いつになったらこの悪しき慣習を捨て去ることができるのでしょうか。

 

 

「参考文書」

トヨタが4年連続世界販売首位、約1123万台-独VWに200万台差 - Bloomberg

トヨタ・豊田章男会長、グループ不正謝罪「深くおわび」 - 日本経済新聞

トヨタ会長、グループ不正陳謝 「責任者」として変革主導:時事ドットコム

政治改革「必ず実行」、脱デフレへ賃上げ 施政方針演説 - 日本経済新聞

物理の限界と成長の限界|山口周