国会で自民党裏金事件を巡る論戦が始まり、首相が矢面にたって答弁しています。
「国民の信頼を損ねる深刻な事態を招いている」「現行法すら順守を徹底しなかった。コンプライアンス 法令順守欠如が最も大きな原因だ」
日本政治の異様さを目にしています。長年にわたって政権の座にあり続け、この間も悪習が改められることなく繰り返されていた。これがこの国にどんな影響を及ぼしていたのでしょうか。日本の劣化が進んだこともやむなしなのかもしれません。
「信頼回復へ火の玉になると言ったのは偽りか」、野党が厳しく追及しています。
「事務所の引き出しに数千万円を放置していたと言い訳する議員は人としても失格だ」「収支報告書の訂正には自民が党として使途を監査し、必要な納税をさせよ」、裏金を政治資金に変えて納税逃れるになっているとの指摘もあったようです。
「政党助成金の受け取りを自粛すべきだ」「ガバナンスの改善なくば自民に受領資格はない」、矢面に立った首相が火の玉ではなく、いよいよ火だるまになっていくかのようです。
ブラックボックス化していると揶揄される政策活動費を巡っては、約5年渡って50億円ものおカネが二階元幹事長に渡されていたとし、選挙買収など不正行為の温床になる危険性があると野党が糾弾します。野党は安倍派5人衆と二階元幹事長らの参考人招致や証人喚問を要求したそうです。これに対して、首相は「政治活動の自由そのものにかかわる問題だ、国民の知る権利とのバランスを考慮した上で現行制度が成り立っていると言い訳します。包み隠さず公開するだけのことなのでしょうが、言い訳するから疑義が深まります。
旧文書通信交通費の問題をもうやむやにし、また旧統一教会問題も明確な説明もなくうやむやになったことが思い出されます。法の支配を標榜する首相には、うやむやではなく合理的な説明が求められます。そうでなければ信頼回復などとうていありえそうにありません。
これでは社会が悪い雰囲気に包まれていくのも仕方がなさそうです。日本人の働く意欲が低下傾向にあることにも影響しているのでしょうか。社会を明るい雰囲気に変えていくためにも、まずは反社会的勢力のような自民党による政治を変えなければならないようです。
論語に学ぶ
後生 畏(おそ)る可(べ)し。焉(いずく)んぞ来者の今に如(し)かざるを知らんや。四十、五十にして聞こゆる無きは、斯れ亦畏るるに足らざるなり。(「子罕第九」23)
若い者を侮ってはならない。若い人は恐るべきだ。これからあらわれる人間が、現在の人間つまり自分たちに及ばないなどとどうして言えよう。青年も勉強し、四十、五十までになんらかの名声を得られないようでは、いっこうに恐れるにあたらないと、孔子は言いました。
40代、50代、60代の現役の多くが名声ではなく、悪名を轟かすようでは異常事態です。一体彼らは何を学んできたのでしょうか。
東南アジア タイでは日系企業が人気の就職先ではなくなっているといいます。給与が安いなどイメージが悪化しているそうです。何もかもが古臭く、アップデートできずにいるということでしょうか。世界からも取り残されるのも当たり前なのでしょう。
国がこんな体たらくなのですから、仕方ないことなのかもしれません。それにしても醜いことです。恥ずかしい限りです。
「参考文書」
首相「改革」踏み込まず 迫る野党「火の玉偽りか」 裏金国会論戦スタート | 山陰中央新報デジタル
裏金国会議論開始 首相「法令順守が欠如」 連座制、各党協議に意欲|四国新聞WEB朝刊
岸田文雄首相、連座制導入「各党と議論」 政治資金問題巡り - 日本経済新聞