「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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政倫審で謝罪した首相、古ぼけたままの政治、民主制に募る不満

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、政治倫理審査会が首相が出席し開催されました。冒頭、「国民の大きな疑念を招き、政治不信を引き起こした」と首相は謝罪しました。裏金の実態に関する新たな証言が出ることはなかったといいます。

現職首相が出席しても「時間の無駄」だった政倫審 新たな説明なく「ただただ言い訳」「さっさと辞めて」:東京新聞 TOKYO Web

 首相に続き二階派の事務総長を務めた武田元総務相が審査会に出席し、裏金について自己の関与を否定し、派閥事務局長や会計責任者らによるものだった旨の答弁をしたそうです。

 

 

「衣食足りて礼節を知る」といいます。古代中国名宰相菅仲の言葉によるものとといわれます。政治家の務めは、倉庫を一杯にしておくことにある。なぜならば、人々は倉庫が一杯になってはじめて礼儀をわきまえるようになり、衣服や食糧が充分あってこそ名誉や恥について考えるようになるからだといいます。おカネの出入りについて無視することはできないというところでしょうか。

 上に立つ経つ者であればなおさらなのでしょう。会計・経理を業務として他者に託するところはあったとしても、その全体像や資金の流れを把握していなければ運営することなどできようもありません。おカネの心配をしなくても済むようになればいいのでしょうが、しかしなかなかそうできないのが現実のような気がします。それゆえ、首相を筆頭にみなが政治資金パーティーに明け暮れることになっているのではないでしょうか。

論語に学ぶ

志士、仁人は、生を求めて以て仁を害(そこ)なう無く、身を殺して以て仁を成す有り。(「衛霊公第十五」9)

 「志」に従い生きたいと思う者、「仁」人の道に生きようとする者は、生きていることのみを求めるあまり、「仁」人の道を損なって平気というようなことがなく、逆に、生命を捧げてでも「仁」人の道を全うとするのであると孔子は言いました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 孔子流にいえば、政治たる者、大切なおカネを浪費せず、倹約に努め賢く使って「仁」に生きよということなのでしょう。

 

  

「自国の民主制に不満を抱いている」人々が世界で増加しているという調査結果が24カ国を対象にした世論調査で明らかになったそうです。世界各国で既存の政治体制への不満が高まっている可能性があるといいます。

民主制に「不満」6割、1年間で11ポイント増 米民間調査 - 日本経済新聞

 日本においても同様な傾向で民主主義に不満を感じると答えた割合が63%となり前回調査から増加しているそうです。逆に「満足している」と答えた人はは5ポイント減少し、35%だったといいます。

各国の代表民主制への高い評価とは対照的に、選出された公職者への評価は厳しい。各国評価の中央値を見ると、74%がこうした政治家は「一般市民の考えに関心を持たない」と答えた。(出所:日本経済新聞

 日本ばかりでなく世界の指導者も同様なようです。どの国も政治がドラスティックに変わる世論についていけなくなっているということなのでしょうか。

 

 

 政倫審に出席し筋を通したと思ったのでしょうか、自民党が2024年度予算案を3月1日に採決する日程を、予算委員長の職権で決めたそうです。

予算案、1日にも衆院通過 職権で採決へ、野党抵抗の構え:時事ドットコム

 どうなのでしょうか。国政の混乱がまだまだ続きそうです。

 

 

「参考文書」

裏金実態、政倫審で新証言なし 首相、還流復活説明できず | 共同通信

武田元総務相の弁明・質疑 政倫審:時事ドットコム

町田市議会で「政務活動費」2500件が違法 自民など3会派に返還命令 「同じ時間に複数の駐車場代」も:東京新聞 TOKYO Web