国会では裏金事件に追求が続いていますが、飽きもせず同じことがただ繰り返されるだけのあまり進展はないようです。一方、自民党では不満がくすぶり始めているようで、「党則改正案など幕引きを急ごうとするあまり、手続きがおろそかになっている」とか「党大会で区切りをつけようと、スケジュールありきで結論を急いだ結果だろう」との声が上がっているといいます。
自民刷新本部急きょ開催、「スケジュールありきだ」反発受け…「森元首相ら聴取」求める意見も : 読売新聞
政治刷新本部が急遽開催され、「多くの皆さんから声を聞いてもらいたいという強い声が出され、こういった場を持たせていただいた」と首相が冒頭にそう述べたそうです。党内から批判の声があってのことのようです。
聞く耳を持たず、問題を長引かせるだけの首相の指導力の問題ということでしょうか。国民に負担を強いることをいとわず支持率を低下させきましたが、いよいよ党内からもそっぽを向かれ始めたのでしょうか。
岸田内閣支持、微増18.0% 裏金対応「評価せず」7割超―時事世論調査:時事ドットコム
日経平均株価が4万円を突破するなどの明るいニュースもありますが、それらを「追い風」にできていないようです。
選挙買収事件に判決
東京都江東区長選における買収などの公選法違反の罪に問われた元自民党衆院議員の柿沢前法務副大臣に東京地裁が「選挙の公正という民主主義の根幹への信頼を揺るがす悪質な犯行」として懲役2年、執行猶予5年の判決を言い渡したそうです。
有罪の柿沢未途被告「政治家は天職」法廷で見せたプライド 裁判長は一蹴「ルール守るのは当然。なぜできない?」:東京新聞 TOKYO Web
裁判長は判決理由で、自民党内での自らの立場や影響力を強めようとする自己中心的な発想があったと指摘し、「買収のために投じた金額は多額で、選挙の公正を害した程度は大きい」と非難したといいます。また、「ルールを守るという、ごく当たり前のことがなぜできなかったのか。国民の一般常識に立ち返ってよく考えてください」と柿沢被告を見て厳しく諭したといいます。
これが自民党の実態ということなのでしょうか。選挙不正、権力構造、そんなことも裏金事件とも符合するように思えてなりません。
論語に学ぶ
子 子夏に謂いて曰わく、女(なんじ)君子儒と為れ、小人儒と為る無かれ、と。(「雍也第六」13)
孔子が弟子の子夏に「君子 教養人であれ。小人に終わるなかれ」といいました。
「君子の儒」とは天下の事に責任をもち、民が安んずる志を持つものであり、「小人の儒」とは自分一身をよくするにとどまって、社会的影響を持ちえない者をいっているといわれます。弟子の子夏は文学に優れ「孔門十哲」にあげられる人物ですが、細節にこだわり、天下を考えることではやや欠けるところがあったようです。孔子は、視野を広くして、大きな問題をみずから考えるようになりなさいと言いたかったようです。
首相をはじめ自民党議員の多くが子夏のような「小人」、社会に良い影響を与えることの出来ない人物ではないでしょうか。
同性婚を認めない現行法の規定は、婚姻の自由を定めた憲法24条1項などに違反すると判断の札幌高裁が出したそうです。
同性婚認めぬ規定は違憲 「婚姻の自由」にも違反―初の二審判決、賠償請求は棄却・札幌高裁:時事ドットコム
異性間の婚姻を認めて同性婚を認めないのは「合理的な根拠を欠く差別的取り扱いだ」とも指弾し、法の下の平等を定めた憲法14条1項にも違反すると結論付けた。(出所:時事ドットコム)
「国会が正当な理由なく、長期間立法措置を怠ったとは言えない」として賠償は認めなかったそうですが、立法は議論をすべきということなのでしょうか。
こうした解決すべき重要な問題を政府自民党はなおざりにしていないでしょうか。こそこそと次期戦闘機の輸出を決めるのではなく、こうした問題を優先的に議論して欲しいものです。この他にも原発問題を含め解決すべき事項が山積みのままです。まずは政治改革、議員たちの意識改革から始めなければならないのでしょう。
「参考文書」
柿沢未途前議員に執行猶予付き有罪判決 江東区長選買収事件 - 日本経済新聞
次期戦闘機、自民党と公明党が第三国輸出合意 月内に指針改定へ - 日本経済新聞