「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

「富の公平な配分」、自民党本来の哲学を忘れた首相、続く裏金事件の後始末

エンゲル係数」、消費支出に占める食費の割合が上昇し家計を圧迫しているそうです。昨年は2000年以降で最高の27.8%に達したといいます。

消費冷やす食品高 エンゲル係数最高、日銀は賃上げ注視 - 日本経済新聞

 理由は言わずと知れた、賃金上昇を上回る物価高、食品価格の上昇だといいます。エンゲル係数の上昇は、家計における食費の割合が高まり、それ以外にお金を回しにくくなっている状態で、消費に影を落としているといいます。

 

 

 状況の改善がなかなか進まないようです。空気感が一変し将来展望が明るくなって欲しいものです。いつになったら経済が好循環し、右肩上がりのトレンドとなって勤労者の懐を温め、「賃上げ→消費増→収益拡大→賃上げ」という循環が実現するのでしょうか。

「好」がつく循環メカニズムは、家計と企業が「お金を使えばいずれ自分に戻ってくるものだ」という期待形成が強く働いている状態になる。(出所:第一生命経済研究所

 こうした期待がまだ形成されていないようです。悲観バイアスが根強く残り、まだまだ楽観バイアスに乗り切れていないのでしょう。

進まない実態解明、混迷する政治

 良くも悪くも政治が「賃上げ」をリードしようしているにですから、そうした雰囲気を政治が変わっていくことで示すべきなのでしょう。しかし、嘘をついても平気な不誠実な議員たちばかりで、彼らの関心事は世の賃上げよりも自分たちの懐を温めることに執着したままということが明らかになっただけです。

「異例の対応」も新事実出ず、茶番劇の政倫審 進まぬ裏金事件の実態解明(下)【解説委員室から】:時事ドットコム

 巨額裏金事件の追求の舞台が参議院に移るようです。政治改革へのきっかけになって欲しいものですが、首相が予算の自然成立にこだわったおかげで、政治はさらに混迷を深めているようです。

 

ロッキード事件

「雪国を出稼ぎに行かなくてすむような郷里にしたい。三国峠をぶっ壊そう」とはロッキード事件で有罪判決を受けた田中角栄元首相の言葉です。これは本来の自民党の哲学である「富の公平な配分」を元にして、担税能力がなく、経済発展の恩恵も少ない地方に、公平性を図るために税金を配分する必要があると考えての言葉だったそうです。

わたしの「角栄」:「オヤジ」から引き継いだもの 小沢一郎氏が語る田中角栄 没後30年 | 毎日新聞

あれだけの権力を持っていたんだから、本気になれば今のように検察だって抑え込めたんじゃないか。だが、オヤジはあくまで民主的なんだ。民主主義は数だと。数を集めることで自分の正当性が証明される、そう思ったんだろうな。(出所:毎日新聞

 そんな角栄氏は若手議員に選挙について、「一軒一軒歩け」「握手しろ」と語っていたといいます。

 事件を起こすことはいただけませんが、それでも政治家としての矜持は強いものがあったのでしょうか。思い描いた角栄の未来は100点満点ということはないのでしょうが、実現したようにも思えます。


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論語に学ぶ

 民の仁に於けるや、水火(すいか)よりも甚だし。水火は吾(われ)蹈(ふ)みて死する者を見る。未だ仁を蹈みて死する者を見ざるなり。(「衛霊公第十五」35)

 人々にとっての「仁」は、水や薪よりもずっと大切なものなのである。水や薪 ー 生活、そして収入、給与、ここに生命を賭ける者が普通だ。しかし、仁に生命を賭ける者はなかなかいないと孔子はいいました。

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 時代が変われば、自民党本来の哲学「富の公平な配分」も現代流にアレンジして、カタチを変え実現すべきなのでしょう。格差是正、弱者救済、相対的貧困の没滅などが今求められていそうです。

 忘れてはならない哲学を忘れて、引継ぐべきではないところを引き継いでいるように見えてしまいます。また、それがDNAとなって悪習化したのが今の自民党ということなのかもしれません。

 

 

「参考文書」

好循環にある「好」の意味は何か? ~メカニズムには2つの顔がある~ | 熊野 英生 | 第一生命経済研究所

「裏金」追及、第2幕へ 岸田首相、巻き返し見通せず―関門突破も続く苦境:時事ドットコム