2024年度予算の成立したそうです。首相は9月の自民党総裁選での再選に向け、衆院解散時期の検討を本格化させる見通しといいます。
2025年を見据えた岸田文雄首相 自民党総裁選再選へ衆院解散含み - 日本経済新聞
何か釈然としません。未だ裏金事件の解明が進まず、疑惑議員の処分、政治改革の道筋が不明瞭のためでしょうか。
待たれる岸田おろし
信頼回復とことあるごとに首相は馬鹿の一つ覚えのように語りますが、一向に改善の兆しが見えていません。「信頼回復のトレンドを確認できるまでは解散すべきではない」と連立与党を組む公明党の山口代表は早期の総選挙に否定的な認識を示し、また「岸田さんは国民をおおかた味方につけるような立場には至っていない」と苦言を呈したそうです。
デフレ脱却、2つの約束
予算成立を受け首相は昨夜、記者会見し、日本経済の現状について、「デフレ脱却への道は、いまだ道半ば」との認識を示し、国民に対する「2つの約束」として、「今年、物価上昇を上回る所得を必ず実現する」、「来年以降、物価上昇を上回る賃上げを必ず定着させる」と述べたそうです。賃上げするのは企業です。自分でコントロールすることができないことを約束するといわれても、信用できるはずもありません。相変わらずです。
日米同盟
他方、外交は大好きのようで、4月の訪米に向け、日米関係について「日本がアメリカをサポートしていく時代に入った」と、フジサンケイグループ代表などとの会食で意気込みを語ったといいます。
元トランプ政権高官、日本は米国防衛の要求に備えを - 日本経済新聞
米国に上手に利用されているだけのように思われますが、本人の受け取り次第でということなのでしょうか。
論語に学ぶ
篤く信じて学を好み、死を守りて道を善くし、危邦(きほう)には入らず、乱邦(らんぽう)には居(お)らず。天下 道有らば、則ち見(あら)われ、道無くんば則ち隠る。邦に道有りて、貧にして且つ賤(いや)しきは、恥なり。邦に道無くして、富み且つ貴きは、恥なり。(「泰伯第八」13)
堅く人の道を信じ、学問を好み、生命のあるうちは努力を惜しまず道を善くしていく。危機に瀕した国には足を踏み入れず、無秩序に陥っている国からは去る。世の中が人の道に支配されているのなら、そこで働き、人の道から外れているのなら退いて暮らす。国に人の道が行われているとき、貧賤であるのは恥である。国に人の道が行われず、その汚れた政治から利益を引き出し、金持ちになり高い地位を占めているのは恥ずかしいことであると孔子はいいます。
こうあってこそ君子 教養人だといいます。自分の信じるところを守り、これを社会にひろめ、人民のためをはかるためには、身の処し方は十分慎重にして配慮することが必要であるといっています。
不人気な首相に裏金問題、進まない改革、長年の積み重ねかもしれませんが、今の自民党は無秩序に陥っていそうです。孔子の言葉を借りれば、こういう時こそ、その場から離れ、自分の信じるところに従って、国民のために働くべきということではないでしょうか。その場に留まり漫然としていても政権与党としての利益を受け取れるのかもしれませんが、それは「恥」ということのようです。
☆
自民党の強みである強い団結力、つながりが弱みになっているよう気がします。政権を担っている誇り、党方針に従って政策を推進しようとする意欲、それらはポジティブなことに思えますが、それが足かせになっているのかかもしれません。党を守ろうとの意識となり、政権を維持しようとなっていないでしょうか。そのみなの思いが脱法行為を許容し、コンプライアンス意識を低下させ、国民からは信頼を失わせているようにも思えます。
社会に蔓延するようになった不正やコンプライアンス違反も同じ理由なのかもしれません。そんな危機に陥った会社はとっと去るのが賢明な策ということなのでしょう。時間を浪費するだけでしょうし、恥でもあるし、それが報酬につながるとは思えません。まして、人生を豊かなものにすることはないのでしょうから。
「国に道有りて富て貴き」に早く近づくようにしたいものです。
「参考文書」
2024年度当初予算が成立 岸田首相、衆院解散の検討本格化へ | 毎日新聞
「岸田さん、国民を味方につけるに至ってない」公明・山口氏が苦言:朝日新聞デジタル
岸田首相「日本がアメリカをサポートする時代に入った」 4月訪米を前に意気込み示す|FNNプライムオンライン
岸田総理「デフレ脱却への道は、いまだ道半ば」適切な価格転嫁や賃上げ支援などに取り組むと強調 | TBS NEWS DIG (1ページ)
デフレを後戻りさせないことに「私の政権の存在意義」-岸田首相 - Bloomberg
岸田首相、追加聴取の対象「森元首相も含まれ得る」 - 日本経済新聞
自民党の処分、郵政造反より軽く 非公認や役職停止なら - 日本経済新聞