「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

際立つ首相の愚かさ、異例の土曜日の国会審議

 政治が混乱しています。2024年度予算の自然成立にこだわった首相のおかげで、土曜日に国会を開いて、予算案を可決したそうです。土曜日の審議は異例のことといいます。その前の日は働き方改革に逆行するような深夜にまでおよび、それに続いての土曜日の審議だったそうです。首相の思惑通りになったようですが、自民党内でも評判があまりよろしくないそうです。

異例の土曜国会、露呈した政権の機能不全 幹部らも首相にそっぽ向き [岸田政権]:朝日新聞デジタル

初っぱなで『火の玉』とか『先頭に立つ』とか勇ましい言葉を発するが、その後は全く無関心で放置。窮地に陥るとサプライズ。サプライズは問題解決にならない。(出所:朝日新聞

 こう批判する野党議員に同調する自民党の閣僚経験者もいるといいます。

 

 

 予算案の23年度内成立のメドはつきましたが、首相の政権運営に不安が残るといいます。「ここまで来たらもうひけない。何のために首相が政倫審に出たんだとなる」と自ら政治倫理審査会に出席したことが足枷になりかねないようです。

自民の統治不全、政権運営に不安 執行部の動き鈍く - 日本経済新聞

「政治とカネ」のせいで 重要政策である少子化対策や「国民負担」については、議論が深まらないままになってしまったといいます。ただ問題の裏金議員については、「できるだけ早いタイミングで政治責任などのけじめをつけていきたい」との首相の答弁を引き出すことはできたようです。初っ端だけの首相がどこまでできるかは疑問は残りそうです。

論語に学ぶ

陳成子(ちんせいし)、簡公(かんこう)を弑(しい)す。孔子 沐浴して朝(ちょう)し、哀公(あいこう)に告げて曰わく、陳恒(ちんこう) 其の君を弑せり。請う之を討たんことを、と。 公曰わく、夫(か)の三子に告げよ、と。孔子曰わく、吾 大夫の後に従うを以て、敢えて告げずんばあらざるなり。君 夫の三子者(さんししゃ)に告げよと曰う。三子に之(ゆ)きて告ぐ。可(き)かず。孔子曰わく、吾 大夫の後に従うを以て、敢えて告げずんばあらず、と。(「憲問第十四」21)

 斉国の宰相 陳成子が君主 簡公を殺したとき、孔子は髪を洗って、湯あみし身を清めてから、魯の政庁に参じ、君主哀公に「陳恒が主君を弑逆(しいぎゃく)しました。討伐することを請い申し上げます」といいました。すると哀公は、魯国の実権を握る「あの三卿に話せ」と答えました。「私は大夫格の末席を汚しておりますゆえにこそ、申し上げたのに、君主はあの三卿に告げよと」。孔子は三卿に討伐のことを話しましたが、だれも聞き入れなかった。孔子は「私は大夫の末席ゆえに、主張せざるを得なかったのだ」といいました。

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 実力者と妥協を図り、政治の理想を目指した孔子ですが、その想いはなかなか実現することはなかったようです。あるべき意見も時の権力者によって、反対者の意見だとして封殺されてしまうことがあるのでしょう。孔子はそんな魯国に見切りをつけ放浪の旅に出ることになったといいます。古代も今もあまり変わっていないのでしょうか。

 

 

 職場の人間関係で悩む人が増えているそうです。「相手を見下す」「責任をなすりつける」「足を引っ張る」「人によって態度を変える」「自己保身しか頭にない」……そんな不和の種をまく人、職場を腐らせる人の言動に悩まされているといいます。

どの会社にもいる「他人を見下し、自己保身に走る」職場を腐らせる人たちの正体(片田 珠美) | 現代新書 | 講談社(1/4)

 しかし、当の本人は自分自身の言動が周囲に及ぼす影響について自覚していない場合がほとんどだと精神科医メンタルヘルスのプロは語っています。

長年にわたる臨床経験から痛感するのは、職場を腐らせる人が一人でもいると、その影響が職場全体に広がることである。腐ったミカンが箱に一つでも入っていると、他のミカンも腐っていくのと同じ現象だ。(出所:現代新書)

 自分が理不尽な目に遭い、つらい思いをし、被害者意識が強くなるほど、自分と同じような体験を他の誰かに味わわせようとするからだそうです。「自分もやられたのだから、やってもいい」と正当化することが理由といいます。

 世間で起きている現象と同じことが政治でも起きていそうです。だいぶ前に蒔かれたその種子が長い時間をかけて芽吹き、大きく成長してしまったのが今日の混乱につながっていそうです。しかし、そこに変化が生まれ、意識が変わり文化が変われば、その悪習も打破できそうです。現実、そうやって成功している企業も数少ないかもしれませんが存在しています。トップが変わり、そこから変化を生み出すことができればよさそうです。

 

 

 政治の混乱が停滞を招いているようです。その端を作り出した首相は史上最低レベルなのかもしれませんが、続いてきた自民党支配による最高傑作のなのかもしれません。拒絶し、悪習を断つときなのでしょう。変化を求めるときのようです。

 


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「参考文書」

「政治とカネ」のせいなのに 少子化対策も「国民負担」も、議論が深まらないまま予算案採決するなんて:東京新聞 TOKYO Web

裏金議員、早期に処分 岸田首相「収支報告修正見ながら」:時事ドットコム