「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

人事はみなの関心事、「核兵器なき世界」の実現に近づくのか

 

 内閣改造自民党役員人事が概ね決まったようです。「戦後最大級の難局に直面、難局突破のために、政府・与党の結束がこれまで以上に重要」と首相は述べ、挙党態勢の構築を目指しているといいます。

内閣改造で三原じゅん子氏抜てき案浮上も “脱旧統一教会”最優先でサプライズはなしか - 社会 : 日刊スポーツ

 国内外を見渡せば、厳しい状況にあり、どの問題を優先して解決していくのか問われそうです。

 まずは銃撃事件以降、顕在化した政治と特定団体のつながりを正し、意見がわかれる国葬問題の鎮静化を図るべきと思うのですが、どうも曖昧となりそうな布陣のようにも感じます。

 優先すべきこととは一体何なのでしょうか。この先、どうなっていくのでしょうか。

 

 

論語に学ぶ

子游 武城の宰と為る。子曰わく、女人(なんじびと)を得たるか、と。曰わく、澹台滅明(たんだいめつめい)という者有り。行く径(こみち)に由らず。公事に非(あら)ざれば、未だ嘗(かつ)て偃(えん)の室に至らず、と。(「雍也第六」14)

 魯国の沂水(きすい)の流域の要塞の地「武城」の地頭になった子游に、孔子は、「人物をみつけたか」と質問をします。秀れた人物を起用することこそ、政治の要点と考えてのことといいます。それに対して子游は澹台滅明の名をあげます。その人物は道を歩くときにショートカットをしない、また公用がない限り私宅にやって来たことは一度もない、という堅物だといいます。

 近道をしない人間は愚物視され、上役の部屋に出入りしないとおろそかにしているとみられてしまいがちですが、そうではなく、生真面目な人間こそ必要であるとの意味があるといいます。

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 人事はいつの時代にあってもみなの関心事なのでしょう。そうした話が持ち上がれば、派閥の領袖たちが首相のもとに集まり、うちは最大派閥だから何人とか、あれやこれやとお願いごとをしたとかしないとか。そんな報道が聞くと、こんな難局にあっても古い政治のままなのかと失望します。それで適材適所が適うのでしょうか。最大派閥は特定団体とのつながりを持つ人が多く、また、核共有への言及があったと記憶しています。

 

 

 米国下院議長のペロシ氏が、台湾訪問に対する中国の反応に米議会メンバーがひるむことはないとし、また中国の習近平国家主席は、「おびえたいじめっ子のように振る舞っている」と述べたといいます。

ペロシ氏、訪台への習主席の反応は「おびえたいじめっ子のよう」 - Bloomberg

 強い信念をお持ちのようで、米国が怯むことはないと主張したいのでしょうか。

 一方、中国はペロシ氏の訪台を口実に台湾への圧力を一層強めているようです。否応なくそちらに目を向けざるを得ない状況が続きそうです。

 

 

孟公綽(もうこうしゃく)趙魏(ちょうぎ)の老と為れば、則ち優なり。以て滕(とう)、薛(せつ)の大夫と為る可からず。(「憲問第十四」11)

 魯国の大夫、孟公綽は欲の少ない人なので、小国の君主より力がある大国 晋の実力者、趙氏や魏氏の家老あたりになれば、彼らの貪欲を横目にして、ゆったり暮らせよう。一方、小国である滕国や薛国のような外圧で多忙な国の執政はとても務まらないと意味します。

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 さて首相にはどんな欲があるのでしょうか。「核兵器なき世界」をよく口にしますが、改造内閣で、その実現に近づていくのでしょうか。足を引っ張る輩を近くに引き寄せていないかと心配になります。古い政治と決別するときではないかと感じます。

核兵器なき世界」、確固たる信念としてその実現のために行動してみてはどうでしょうか。口先だけで終わらせてはならないはずです。

 

「参考文書」

ペロシ氏訪台は口実、台湾海峡の「新たな現状」構築か-中国演習 - Bloomberg