「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

凋落する人たち、大赤字のソフトバンクG、改造内閣で外れる面々

 

 ソフトバンクグループが2023年3月期 第1四半期の決算を発表しました。最終損益が3兆1627億円の赤字となったといいます。世界的な金利上昇に伴う株安と円安が影響し「ビジョン・ファンド」の評価損失が2兆3308億円に達したことの影響が大きいといいます。

ソフトバンクG孫社長、ファンド人員削減へ-米フォートレス売却 - Bloomberg

 ブルームバーグによれば、孫正義社長決算会見で、「企業評価に対しバブル状態にあったのではないかと反省している」と述べ、ビジョン・ファンドの大規模な人員削減を行うとし、経営の守りを固めると表明したといいます。

2四半期連続で3兆円規模の赤字を計上した原因は「世界的な株安と急速な円安」だと指摘。戦国武将の徳川家康三方ヶ原の合戦で敗れた際、後の反省材料とするために描かせた肖像画を見せながら、「しっかりと反省し、戒めとして覚えておきたい」と語った。(出所:ブルームバーグ

 

 

 飛ぶ鳥を落とす勢いで最高益を叩き出した好調さもつかの間、ビジョンファンドの凋落ぶりに驚愕します。バブルに過ぎず、真に人々が求めているものではなかったということでしょうか。

 三方ヶ原の合戦で名将武田信玄に敗れたあと家康が自戒を込めて描かせた自画像を使って、反省するとのことですが、そこから何を学ぶことになるのでしょうか。

論語に学ぶ

如(たと)い周公の才の美 有るとも、使(も)し驕(たかぶ)り且つ吝(おし)めば、其の余(よ)は観るに足らざるのみ。(「泰伯第八」11)

 たとい周公ほどのすぐれた才があったとしても、もしその人柄が高慢で、驕り高ぶりなおかつ吝嗇であったならば、もうその他に詳しく見る必要はないと意味します。

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「周公」、周王朝を建てた武王の弟「旦」のことで、魯の国の君主に任じられますが、首相格として首都に残って政権を輔佐し、諸制度を整備したといわれます。また最大の功労者とされ、代々語り継がれ、孔子は「周公」の政治を理想としたといいます。

 

 

 孫社長の評価はどうなっていくのでしょうか。家康のように三方ヶ原での敗戦を活かすことができれば、今後の評価も変わっていくのかもしれません。

人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。

不自由を常と思えば不足なし。こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。

堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。勝つ事ばかり知りて、負くること知らざれば害その身にいたる。おのれを責めて人をせむるな。及ばざるは過ぎたるよりまされり(家康遺訓)

「AI人工知能」が対象という方針に変更はあるのでしょうか。足元の結果は、AIによる未来に疑問符がつき、それは欲しているものではなかったと、人々が失望したということなのでしょうか。

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 首相が進める内閣改造の人事もまた気になります。萩生田経済産業相が、重要案件が控えているとして、「私がやりたいということでなく、こんな大変なことを人が代わって大丈夫なのかという思いがある」と述べ、「(代わったら)俺は(政権の)骨格じゃなかったのか、という思いもある」と語り、「最後は総理の判断に委ねたい」と発言したといいます。

内閣改造に萩生田経産相「僭越ながら、継続が望ましい」「代わったら俺は骨格じゃなかったのか」 - 産経ニュース

 自信の現れなのか、それとも驕りなのか、その評価は異なるのかもしれません。退くときは退く、そうした人が真の勇者かもしれません。領袖いなくなり、特定団体とつながりが深いといわれる派閥を建て直すことが、心あるリーダーに求められていることなのかもしれません。