変わらぬ面々、それでも政策断行内閣なのか - 「論語を現代に活かす」　時代を超えて読まれた名著

新型コロナの新規感染者が全国で25万人を超え、過去最多を更新したといいます。お盆休みの影響でさらなる増加の恐れもあるといいます。

国の借金が6月末時点で1255兆1932億円になり、こちらも過去最大を更新したといいます。

国債を乱発してきて結果なのでしょうか。国民１人当たりに換算すると、約1005万円の借金になるそうです。もう目もあてられません。

亡くなった首相がかつて「日銀は政府の子会社だ」と発言したことを思い出します。日銀による大量の国債買い入れに支えられ国の借金を膨らませてきたのが「アベノミクス」といわれ、批判されました。

問題は一向に解決されることなく、かえって事態が深刻さを増しているように感じます。問題に対処すると同時に、真因を探り、多面的な対策が求められているのでしょう。

第2次改造内閣が発足、19閣僚のうち14人が交代となったといいます。「政策断行内閣」と首相は強調し、「数十年に1度とも言われる難局を突破するため、経験と実力に富んだ新たな政権を発足させた」と述べたといいます。期待してもいいのでしょうか。

「（旧統一教会との）関係を点検し、見直すことを厳命し、それを了承した者のみを任命した」と首相は会見で説明し、また、宗教団体が法令を逸脱した場合、厳正に対処し、悪質商法などの被害者救済に万全を尽くすことを指示したそうです。

そうはいっても、内閣改造後早速、任命された7人が、旧統一教会や関連団体との関わりを認めたといいます。何も変わっていないのではと感じます。まして首相が重要視する閣僚ポストにそうした人たちが任命されているのですから。少々不安をおぼえます。

回や其の心三月仁に違わず。其の余は、則ち日月に至るのみ。（「雍也第六」7）

弟子の顔回は三月の間その心が「仁」から遠ざかることがないが、他の弟子たちはせいぜい1日かひと月「仁」の境地に到達しうるに過ぎないと意味します。

第2次改造内閣に任命された諸氏も、「仁」を第一義として、始終違わずに行動してもらいたいものです。

改造内閣の発足を受けて、各閣僚が記者会見に臨んだそうです。そんな中、再入閣の河野太郎デジタル相は会見をしなかったといいます。

「記者を待たせて深夜の会見を行うのは本意ではない」と河野氏は話していたそうです。前回の入閣時に、未明の会見で「前例主義、既得権、権威主義の最たるもの。こんなもの、さっさとやめたらいい」と就任会見の見直しを主張していたといいます。変革、改革の機運を高めて欲しいものです。

曖昧な「やさしさ」では、経営者は決して成功しないと、とある住職が説いています。

それによれば、お釈迦様が説いた「やさしさ」とは、エゴを捨てることであり、「慈悲喜捨」に従うといいます。「慈悲喜捨」とは、「生命の悩み苦しみに寄り添い、喜びを与えていく」心に他ならないといいます。

自分独りで生きていると思い上がったり、カッコつけたりせず、自分の期待や希望を素直に認めるのです。すると、他の生命も同じように、助けや慰めを期待していると分かるのです。（出所：日経ビジネス）

孔子は「仁」を説き、釈迦は「慈悲喜捨」を説いています。

閣僚諸氏が学ぶべきことはこうした「思いやり」や「やさしさ」であって、邪教の助けを借りることではないのでしょう。それがわかっていれば、問題は長引かずにもっと早くに解決されていたのかもしれません。正しく理解できるようになってもらいたいものです。

若死にした顔回を回想し、孔子は「惜しいかな。吾其の進むを見るも、未だ其の止むを見ざりき」（「子罕第九」21）と述べたといいます。

顔回の進歩、努力には、停止、怠惰がなかったそうです。常に学ぶという姿勢があったのでしょうか。新閣僚たちにもぜひ身につけて欲しい徳目です。

「参考文書」