なぜ戦争が起き、その残忍な行為をいつまでも止めることができないのだろうか。
ウクライナの避難民が国外、国内を合わせ1000万人を超えたという。JIJI.COMによれば、侵攻前のウクライナの人口は約4200万人だったとされ、約4人に1人が避難を強いられたことになっているという。
ウクライナ避難民1千万人に 戦禍拡大、全人口の4人に1人―国連:時事ドットコム
「ウクライナでの戦争は壊滅的だ。自宅を追われた民間人が味わった苦しみの責任は、世界中どこでも、戦争を仕掛ける人たちにある」と、グランディ国連難民高等弁務官が糾弾したそうだ。
地元当局者によると戦闘は市の中心部にまで及んでおり、激しい砲撃のために人道支援もままならないという。#ウクライナ #マリウポリ pic.twitter.com/qsMxsGqolx
— ロイター (@ReutersJapan) 2022年3月20日
残忍な行為に目を覆いたくなる。なぜにこんな残忍な行為ができるのだろうか。
【解説】 「ウクライナは生物兵器を開発している」 ロシアの主張をファクトチェック - BBCニュース
その残忍さがさらにエスカレートしていくことが危惧されている。
国際秩序とは一体何なのだろう。冷戦後に築かれた秩序も、今では何の役に立っていないということであろうか。
カンボジアの首都プノンペンを訪問、フン・セン首相と会談した岸田首相は、共同会見でウクライナ情勢を念頭に「国際秩序の根幹を守るため緊密に連携することで一致した」と述べたという。
岸田首相、カンボジア首相と緊密連携を確認 「国際秩序の根幹守る」 | ロイター
こうしたことによって、戦争が即座に停止していくことにつながればいいのだが。
論語に学ぶ
樊遅(はんち)従いて舞雩(ぶう)の下に遊ぶ。曰わく、敢えて問う、徳を崇(たか)くし慝(とく)を脩(おさ)め惑いを弁ぜんことを、と。
子曰わく、善いかな問いや。事を先にして得ることを後にするは、徳を崇くするに非(あら)ずや。其の悪を攻(せ)めて人の悪を攻むること無きは、慝を脩むるに非ずや。一朝(いっちょう)の忿(いか)りに其の身を忘れて、以て其の親に及ぼすは、惑えるに非ずや、と。(「顔淵第十二」21)
樊遅が孔子に従って舞雩壇附近へ遊覧に出かけたときのこと、樊遅が「どのようにしますと、私の人格を高め、心の中の悪を正しく、迷いを分別することができましょうか」と質問したという。
孔子は「なかなかいい質問だ。まず実行、その酬いは後、これが人格を高めることではなかろうか。己の悪は責め、他人の悪を咎めない。これが心中の悪を正しくすることではないであろうか。嚇(か)っとなって怒り、我を忘れて争い、禍いが親にまで及ぶ。これが迷いではないであろうか」と答えたという。
「慝(とく)」とは、心の中に匿(かく)れているものを指すという。
「一朝(いっちょう)の忿(いか)りに其の身を忘れて、以て其の親に及ぼすは、惑えるに非ずや」
冷戦後の国際秩序に腹を立て、怒りに任せ行動し、禍をあたりかまわずに振りまいていく。
プーチン大統領が、己の中の悪を責め、他者の悪を咎めようとしなければ、このような惨事は免れていたのだろう。
古代から伝わる賢人たちの言葉と真逆に方向に、プーチンは突き進んでいるのではなかろうか。
平和、安心安全が元来、人が誰しも求める普遍的な価値であることを思い起こさせる。
秩序とは元来、社会や集団などが、望ましい状態を保つための順序やきまりのことをいう。プーチンは、普遍的価値に基づいた望ましい状態をはき違えているのだろう。
曾子(そうし)曰わく、君子は文を以て友を会し、友を以て仁を輔(たす)く。(「顔淵第十二」24)
「君子は、学芸を通じて友人と交わり、その友誼によって、お互いに人格を高めることを助け合う」と意味する。
プーチンの行為を眺め、改めて道理や徳を学ぶことの重要性を思い知る。