「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

プーチン大統領のように罪悪感を持たない人が増えていないか、続く企業の不正事件

 

 ロシアがウクライナに侵攻し3週間が過ぎるが、未だ戦火は鳴りやまず、停戦への道は険しい。

 国内ではこの間、企業の不正事件が次々と明るになった。日野自動車ではデータ不正が発覚し、行政処分が科され、生産に必要な認証を取り消すことになるという。また、SMBC日興証券でも相場操縦が発覚、関与した人物が逮捕され、法人も今後起訴されることになるという。

 嘆かわしい現実が続いている。なぜにこうも容易く不正を犯すようになってしまったのだろうか。

 

 

 SMBC日興証券の相場操縦事件で逮捕されたエクイティ部長だった容疑者は、メールで「会社のために買い支えた」と上司に報告していたという。特捜部の任意の事情聴取に、副社長は「取引の報告は受けていたが違法という認識はなかった」などと説明していたという。

 何ともおぞましい事件だ。コンプライアンス法令遵守のかけらもないのだろうか。

論語に学ぶ

君子は人の美を成す。人の悪を成さず。小人は是に反す。(「顔淵第十二」16)

 君子は、他者の美徳を褒めて勧め、さらに高めて達成させるし、悪があれば、忠告してそれを消滅させる。小人 知識人はこれと全く逆のことをすると意味する。

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 人とは元来、君子のようにあるべきはずなのに、孔子が指摘するようになぜか小人のようになってしまう。他者と協力するよりは、他者を追い落とすことばかりを考えているということなのだろうか。

 

 

罪悪感はないのか

 プーチン大統領が、モスクワで開催された集会で演説し、ウクライナ侵攻を正当化した上で、ロシアの全ての目的は達成されると断言したという。

プーチン氏、ウクライナ侵攻の目的達成を確約 スタジアムで演説 | ロイター

米国がウクライナを利用してロシアを脅しており、ロシアはウクライナによる「ジェノサイド(民族大量虐殺)」から新ロシア派を守らなければならないため、ウクライナでの戦争が必要だったと主張した。(出所:ロイター)

 戦争を起こすには理由が必要であろうし、その正当性を主張しなければならないのだろう。しかし、プーチン大統領には罪悪感というものがないのだろうか。

「善人 邦を為(おさ)むること百年ならば、亦(また)以て残(ざん)に勝ちて殺を去る可し、と。誠なるかな、是(こ)の言」と、「子路第十三」11 にある。

 善人が為政者となって百年もの時があれば、残忍な連中も感化し、死刑も不要となる、と意味する。

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 逆説的だが、今のロシアを見ていれば、この言葉の意味もよく理解できる。

 そして、今ウクライナで起きていることを第三者の立場で眺めれば、条理とは何か、人としての正しさとは何かを知ることができるのかもしれない。

 

 

苟(いやし)くも其の身を正しくせば、政に従うに於いて何か有らん。其の身を正しくする能(あた)わずして、人を正すを如何せん。(「子路第十三」13)

「もし為政者自分自身を正しくしたならば、行政はたやすいものだ。自分自身を正しくすることができないで、人々をどのようにして正そうとするのか」と意味する。

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  不正を犯すような企業のトップも、もしかしたらプーチン大統領紙一重なのかもしれない。自分ばかりで、他者が被る迷惑や痛みをまったく感じていないということなのだろうか。それに正しさはあるのだろうか。

 ここ最近、不正を犯す企業が増えて思えてならない。日本の劣化が止まらないということだろうか。これもまた政の影響があってのことなのだろうか。