「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

選挙イヤー、増加しそうなフェイク、質の悪い自民党の開き直り

 選挙となれば、最新テクノロジーを使って人々を欺き、分断を煽る行為、工作があたり前になりつつあるのでしょうか。2016年の米大統領選でトランプ大統領が当選したのは、ロシアによる工作によるものといわれ、その事実が確認されています。

 ただ今年の米大統領選に向けて、その動きはまだ鈍いとマイクロソフトの脅威分析センターが公表したといいます。

ロシアが米大統領選に向けAIを使った「偽情報キャンペーン」開始か | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 急速に普及するAIを活用したディープフェイク動画の懸念もありますが、その試みは失敗に終わっているそうです。ただ単純なフェイクニュース記事で人々を騙す事例は増加しているといいます。テクノロジーの悪用、その卑怯な手法に辟易です。

 

 

 衆院補選や自民党総裁選を控える日本での状況は如何なのでしょうか。米国同様に知らず知らずのうちに影響を受けていたりするのでしょうか。何かあってもおかしくはなさそうです。ただそれ以前に、政治がみずから醜態をさらしているように見えます。

やるやる詐欺

 自民党は政治改革に及び腰となり、政治資金規正法の改正を骨抜きなものにしようとしているといいます。

自民派閥「偽装解散」指摘も 政治団体、事務所が存続:時事ドットコム

 そればかりではなく、解散するはずの派閥が存続している状態で、「偽装解散だ」との声も上がっているといいます。それぞれの派閥が懇親会や昼食会などの活動を続け、総裁選を見据え、従来の枠組みを維持して影響力を温存したいのではないかといいます。

 フェイクニュースよりも質が悪そうです。正々堂々と国民を欺いているのですから。自民党の閣僚経験者からも「やるやる詐欺」との声も上がっているそうです。

 

 

 こうした姿勢に野党から糾弾の声もあがっているようです。維新の馬場代表は「次の選挙で、自民には国民の鉄ついが下る」と断じ、勢い余ってなのか、立憲民主党にも非難の矛先が向いてしまうようです。

立憲民主党・泉健太氏「日本維新の会、焦りで乱暴に」 馬場伸幸氏の発言巡り - 日本経済新聞

「たたきつぶす必要がある」。言葉を乱暴しなくとも批判はできるはずです。過激になったり、攻撃的な態度で魅了しようとするのはいただけません。そんな言葉で選挙に勝とうするのはどうなのでしょうか。

論語に学ぶ

異端を攻(おさ)むるは、斯れ害あるのみ。(「為政第二」16)

  江戸期の荻生徂徠は、「異端」を「異心を抱く者」と解し、そういう者を急いで攻撃を加えることは、相手を激発することになるばかりで、害があると、孔子は諫めていると読んでいます。

dsupplying.hatenadiary.jp

 選挙イヤーとなる今年は、日本ばかりでなく、世界のあちこちで同じように「異端」を攻撃するような言動が増えそうな気もします。中東でのいざこざも同様なことから生じているのかもしれません。好戦的な保守強硬派の主張が強すぎるようです。

 対立が生まれるのは相手を「異端」とみなしてはそれを排撃しようとするからなのでしょう。無理にひとつに揃えようとはせずに、利害が一致することを求め、その違いを徐々に整えていこうとすれば、いずれ調和も生まれることになるのではないでしょうか。

 

 

自覚の欠如

「過激ダンスショー事件」、自民党青年局が催した余興の対策が進んでいないようです。「自覚の欠如が大きな背景にあるのではないか」と新たに青年局長に就任した鈴木貴子議員は指摘したそうです。

「ダンサー事件」直撃、自民青年局の再生策 鈴木貴子局長に聞く【政界Web】:時事ドットコム

「未完成、青二才というところを強みにすべきだ。手綱を握ってくれている先輩がいるからこそ、われわれは突っ走ることができる」と鈴木新局長は語ったといいます。危うさを感じます。今の自民党を見れば、自覚のなさは先輩議員も同じではないでしょうか。みなが自覚もなく突っ走るから不祥事だらけになるのではないでしょうか。

 青年局といえば、歴代首相も局長を務め、そのポストは党内出世の登竜門といわれているそうです。よからぬことが伝統になっていそうです。

 しかし、いつまでこうした不祥事につき合わなければならないのでしょうか。ほんとうに嫌になります。議員自ら変わり、徳を高めて自覚を磨き、改革を推進しては、古ぼけた議員の影響力を排除していくのが筋のように思えます。

 

「参考文書」

規正法改正、自民及び腰 野党「統治機能喪失」:時事ドットコム

イラン、「平穏」強調 対イスラエル・米国で緊張望まず:時事ドットコム