「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

インド首相と停戦を呼びかける日本の首相、プーチンに反戦を伝えるシュワルツェネッガー

 

 避けなければならないはずの市街戦が、ウクライナ東部のマリウポリで始まってしまったようです。

「無謀で無差別な攻撃を含む消耗戦に移行し始めた」と英国の国防省が分析し、市民の犠牲がさらに増えることを懸念しているといいます。

 出口の見えない戦争に心が痛みます。

 岸田首相がインドを訪問しモディ首相と会談し、ウクライナで続く戦闘行為の即時停止を求めたといいます。

日印首脳、ウクライナ情勢協議 戦闘の即時停止を要求 | ロイター

 インドは武器をロシアから購入するなどして、ロシアと近い関係にあるといいます。また、ウクライナに侵攻したロシアに対する国連の非難決議の採択では棄権しました。

 

 

論語に学ぶ

子 九夷(きゅうい)に居(お)らんと欲す。或(ある)ひと曰わく、陋(いや)し。之を如何せん、と。子曰わく、君子之に居らば、何の陋しきことか之れ有らん、と。(「子罕第九」14)

 孔子は世の乱れを嘆き、いっそうのこと東方の夷(えびす)の国にでも行こうかと思ったことがあったといいます。すると、ある人が「夷狄は野鄙(やひ)なところですぞ。どうされますか」と言うと、孔子は「君子がそこに住むならば、どうして野鄙なことがあるだろうか」と答えたといいます。

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 ロシアを非難しない国を、ロシアと同等の国と見てはならないのかもしれません。その国が抱える事情を理解し、信頼を醸成させていくことが求められるのでしょう。

 

 

共同声明

 インドのニューデーリーで会談した岸田、モディの両首脳は共同声明に署名したといいます。

 ウクライナ情勢を「紛争(conflict)」と表現し、人道的危機への深刻な懸念を表明したそうです。また、戦闘行為の即時停止を要求することと、解決のためには対話と外交以外に選択肢はないことを強調したといいます。

 さて、その「対話と外交」とは当事国だけが実行すればいいのでしょうか。

歴史に学ぶ

公山弗擾(こうざんふじょう)費(ひ)を以て畔(そむ)く。召(よ)ぶ。子 往(ゆ)かんと欲す。子路 説(よろこ)ばず。曰わく、之(ゆ)く末(な)きのみ。何ぞ必ずしも公山氏に之(こ)れ之かんや、と。子曰わく、夫(そ)れ我を召(め)す者にして、豈(あに)徒(いたず)らならんや。如(も)し我を用うる者有らば、吾 其れ東周(とうしゅう)を為さんか、と。(「陽貨第十七」4)

 公山弗擾という人物が主家の本拠地「費」を占拠し、謀反を起こしたといいます。謀反人の公山弗擾は孔子を召し出そうとし、孔子も従おうとしたといいます。

 弟子の子路はそれに賛成しないで、「お行きなさるな。どうして公山一族のところに行きなさる必要がありましょうや」と引き留めたといいます。すると孔子は「そもそも私を召しだそうとするほどの者ならば、どうして単なる呼び掛けであろうか。もし私を用うるならば、私は周王朝の理想を、この東方のわが国に興してみせよう」と答えたといいます。

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史記」にはこの騒動の記述があるといいます。

 孔子軍縮を主君定公に進言し、子路が季氏の宰となり、その城郭を破壊しようとしたそうです。これに季氏も乗じ、「公山弗擾」が不法占拠する費の城郭の破壊を企てるが、逆に「公山弗擾」が魯の国に攻め込む。しかし、これがあだとなり、「公山弗擾」は戦いに敗れ、斉の国へ逃げることになったといいます。

 孔子は「公山弗擾」に従わず、結局、戦となったようです。歴史に「もし」はないのでしょうが、もし孔子が「公山弗擾」に従っていたなら、戦を回避し、もっと穏便に歴史は進んだのでしょうか。

 

 

シュワルツェネッガーが停戦を呼びかけ

 ハリウッド俳優で、元カリフォルニア州知事だったアーノルド・シュワルツェネッガー氏がロシア国民に反戦を呼びかける動画が公開し、プーチン大統領に向かって、「この戦争はあなたが始めたものだ。だから、あなたはこの戦争を止められる」と語りかけたそうです。

シュワルツェネッガー氏の反戦ビデオ、ロシアSNSで話題に - BBCニュース

「ロシアの人々の強さと心は、いつも私にインスピレーションを与えてくれました」とシュワルツェネッガー氏は述べた。「だからウクライナ戦争の真実を語らせてほしい」。

続けて、「これは違法な戦争です。全世界から非難されている無意味な戦争のために、あなた方の命や手足、未来が犠牲になっている」と語った。(出所:BBC

 従来の外交だけに頼ることなく、相手側に入っての説得工作が必要なのかもしれません。