「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

対立を乗り越えた平和の希求、迫りくる脅威を遠ざけるために

 

 北朝鮮が新型のICBM大陸間弾道ミサイル火星17号の発射実験を行い、日本のEEZ 排他的経済水域内、北海道の渡島半島の西方約150キロの日本海に落下したという。わずか150km、怖い話である。

 日本の周辺国を見渡せば、仲の良い国が少なく、少々心もとない。単に相手が悪いと断罪するだけでなく、友好関係を結ぶべきではないかと、遠い国の戦争を見ていると、そう感じずにはいられない。対立を乗り越えた平和の希求である。

 

 

論語に学ぶ

斉(せい)一変すれば、魯に至らん。魯一変すれば、道に至らん。(「雍也第六」24)

 武力による制覇を第一とする斉国がその態度を改めるならば、徳治を目指す魯国のようになれるだろう。その魯国も改革があれば、道に至るだろうと意味する。

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 相手国の問題は兎角目に付くものである。自国が国際秩序に従っているというなら、ただ単に盲目的に追従するだけでなく、それを極める努力を欠かすことはできないのだろう。そうあってはじめて、全世界が同じ秩序のもとで平和を謳歌できるようになるのかもしれない。

 

 

 ロシアがウクライナに軍事侵攻をしてから1か月が経過する。停戦を願い続けてきたが、未だ合意には至らず、長い時間を要するとの見方が支配的なのだろうか。

 ロシアが掲げた大義には共感は拡がらず、かえってプーチンの横暴さが暴露される。そんな彼の姿から、良識、良心、理性こそ大切なものであると痛切に感じる。

顔回なる者あり。学を好めり。怒りを遷(うつ)さず、過ちを弐(ふたた)びせず」(「雍也第六」3)

  孔子の弟子顔回は、修養に努め、八つ当たりなどせず、また同じ過ちを繰り返すことがなかったという。

「怒りを遷さず」、自身の怒りを他者に移さない、つまり八つ当たりはしないといことを意味するといわれるが、正当な理由があれば怒りはするが過度にならず、またその方向づけを誤らないという解釈もあるという。

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 仁者は人間を愛する情が深いだけに、人間をにくむことも激しい

不正に怒る情念がなくて、どうして正義を守りえよう。ただその怒りはいかに正当、強烈であっても、「」の枠内にあって、理性のコントロールの下になければならない。(引用:「論語桑原武夫

 顔回がそれがよくできたというのがこの論語の言葉の意味するところという。

 人が過ちを犯すのは一時の感情に駆られ、それを理性によってコントロールできなくなってしまうということなのだろう。プーチンしかり、また西側諸国のリーダーたちにも当てはまることなのだろう。

 

 

 かつて日本は満州に傀儡国を作り、国際批判を浴び、国際連盟を脱退し、戦争への道を突き進んでいった。当時の指導者層には思い通りに進まず、苛立たしいことが多々あったのだろう。その怒りを遷すことで、戦争が始まってしまうのかもしれない。

 そのような過ちを他者が犯さないようにするのが、日本の役割ではないのだろうか。