子曰わく、苟(いやし)くも其の身を正しくせば、政に従うに於いて何か有らん。其の身を正しくする能(あた)わずして、人を正すを如何せん。(「子路第十三」13)
(解説)
孔子の教え。もし為政者自分自身を正しくしたならば、行政はたやすいものだ。自分自身を正しくすることができないで、人々をどのようにして正そうとするのか。(論語 加地伸行)
「顔淵第十二」7で、子貢が為政者の心構えを質問したとき、孔子は、「食を足らし、兵を足らし、民 之を信ず」と答えた。そして、こういった。
民 信ずる無くんば立たず
もし為政者への信頼がなければ、国家も人も立ち行かないのだと。
「顔淵第十二」14では、子張が政を問い、「之に居りて倦むこと無く、之を行なうに忠を以てす」といい、 孔子は、「倦怠することがなく、仕事をするときはまごころを尽くすことだ」と説いた。
其の身を正しくする能わずして、人を正すを如何せん
コロナ渦の昨今においては、孔子が生きた古代の言葉に何か新鮮味を感じる。日々のニュースにうんざりする。何千年との時を経ても、こうしたことを身に着けることができていない。
(参考文献)