「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【困しみて学ばざる、民 斯れ下と為す】Vol.429

 

孔子曰わく、生まれながらにして之を知る者は、上(じょう)なり。学びて之を知る者は、次なり。困(くる)しみて之を学ぶものは、又其の次なり。困しみて学ばざる、民 斯(こ)れ下(げ)と為す(「季氏第十六」9)

 

(解説)

孔子の教え。「生まれつき道徳を理解している人間が、最高である。学ぶことによって道徳を理解する者は、それに次ぐ。努力して道徳を学ぶ者は、さらにそれに次ぐ。努力はするものの道徳を学ぼうとしない、そういう人々、これは最低である」。論語 加地伸行

 

「之」を加地は道徳として解する。

 「困」は、「困る」ことではなく、「学ぶ時の努力」という。

  

 「之」を「道徳」すると、少し重い気がする。「学び」の大切さを説いているのであろうし、自分の歩む道に活かされれば、それは智慧となるのだろう。

 

子曰わく、君子は博く文を学び、之を約するに礼を以てせば、亦(また)以て畔(そむ)かざる可きか。(「雍也第六」27)

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「子罕第九」11では、 顔回が、同じ言葉を用いて孔子の教導について述べている。

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「之」、「文」ということなのだろうか、それともこの「論語」ということなのであろうか。 

 

(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

  • 作者:加地 伸行
  • 発売日: 2009/09/10
  • メディア: 文庫
 
論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫