「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

ロシアの都合と非人道的な行為を許さない欧米の流儀

 

 キーウ近郊からロシア軍が去ったが、ウクライナでの戦争はまだ終わりそうにない。ロシア軍は東部や南部に再配置され、攻勢を強めるといわれる。第2次世界大戦の対独戦勝記念日の5月9日にプーチン大統領が「勝利宣言」するためという。そのためには、東部の掌握を戦果しなければならないそうだ。

ロシア、5月の「勝利宣言」意識か 南・東部制圧へ攻勢: 日本経済新聞

 戦争を始めるのに「大義名分」が必要なように、戦争を終わらすためにも「大義名分」が必要になるという。その「大義名分」のために、キーウ近郊よりさらに残忍な行為が東部にも及んでしまうのだろうか。

 

 

論語に学ぶ

礼は其の奢らんよりは、寧ろ倹せよ。喪(そう)は其の易(おさ)まらんよりは、寧ろ戚(いた)めよ、と。(「八佾第三」4)

儀礼を行なうとき本来のありかたとしては、派手にするよりも質素にすることだ。喪礼のときも同じく、行き届き過ぎるよりも、哀しみで段取りがズレるほうがいい」と意味する。

dsupplying.hatenadiary.jp

 戦勝祝いなど派手にすることでもなかろう。まして必要もない戦争を自ら起こして、苦戦を強いられているというのに。なんと虚しい話ではなかろうか。

 それはよりはこの戦争で亡くなった人々を弔うことの方が筋というものなのだろう。

 

 

 欧米諸国のリーダーたちがブチャで起きた残虐行為を非難し、さらに制裁強化に動く。非人道的行為を許さず、そのためには自身の犠牲も厭わないということであろうか。それが欧米の流儀なのだろうか。

EUが新たな対ロシア制裁準備、民間人犠牲者とされる画像が動かす - Bloomberg

欧州委員会のボレル副委員長(外交安全保障上級代表)は、「大勢の民間人犠牲者を映し出した忘れることのできない画像」はロシア軍に責任があると糾弾し、「緊急に」追加制裁に取り組むと、EU加盟27カ国を代表して発表した。(出所:ブルームバーグ

 ロシアはロシアで言い訳をはじめ、醜い姿をさらけ出す。倫理もモラルも礼も何もなくなってしまう。

喪には哀(あい)を致して止む」(「子張第十九」14)という。

「葬儀においては、哀しみをつくし、そこでやめる」と意味する。

 哀しみをつくす...... さらに悲しみがきわまり、怒りに転じさせてはならないということなのだろう。また、それが死に至ることになってはならないのだろう。

dsupplying.hatenadiary.jp

 ロシアの残忍行為が停戦交渉に影響を与えることになってしまうのだろうか。ウクライナも引くに引けなくなってしまうのかもしれない。

 自身の愚かな野心的な目標のために、回りの人々が不幸に巻き込まれていく。掲げる目標は共感を得、協力を促すものでなければならない。

 プーチンがこれに気づくことがなければ、不安定はいつまでも続くことになるのだろう。