「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【礼は其の奢らんよりは、寧ろ倹せよ】 Vol.47 ~平成の引き際 象徴天皇としての明仁さま

 

 明仁天皇が退位を御表明されたときはたいへん驚いたものだ。

 日本の歴史の中の天皇と、ご自身の象徴天皇という新たな立場も加わり、相当に悩まれたことと推測できます。

 

 林放礼の本を問う。子曰わく、大いなるかな問いや。礼は其の奢らんよりは、寧ろ倹せよ。喪(そう)は其の易(おさ)まらんよりは、寧ろ戚(いた)めよ、と。(「八佾第三」4)

  

(意味)

「林放が礼学の根本とは何ですかと質問した。「とてもいい質問だ。儀礼を行なうとき本来のありかたとしては、派手にするよりも質素にすることだ。喪礼のときも同じく、行き届き過ぎるよりも、哀しみで段取りがズレるほうがいいのだ。」と。」(論語 加地伸行

 

「林放」、「史記」弟子列伝に見えないので、孔子の弟子であったかどうかは不明だという。

 

 

 

 明仁天皇は、それまでの慣習を止め、子育てを自分でなされていたと聞く。より国民を理解するうえでもとのお考えがあったようだ。

 それまでの色いろな慣習を変える。天皇の地位にあることを甘んじることなく、「国民の象徴」としてどうあるべきかを模索されていたように思う。

 

礼は其の奢らんよりは、寧ろ倹せよ

 

「礼」を重んじる。 明仁さまにそんな生き方を見る気がする。

  

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 (参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)