「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

ロシアを拒絶する欧米、この最悪の出来事から何を学ぶべきなのか

 

 歴史に学び、知性を育み、良識や良心を身につけていく。それを子らに伝え、暮らしやすく、住みよい社会を作っていく。そこに適正な競争と切磋琢磨があることで、協力と協調を生み、成長を促していく、それがごくごく当たり前のことと思っていた。

 そんな常識が、非道な非常識によって覆されているように思えてならない。

 ウクライナの首都キーウ郊外のロシア軍による戦争犯罪、ジェノサイドが疑われる行為が明るみになった。そして、いつものようにロシアは言い訳に終始し、フェイク、「でっち上げ」と主張する。

 

 

 一方、西側メディアはそれが間違いなく起きた事実であることを証明しようとする。

 米紙ニューヨーク・タイムズが、キーウ郊外のブチャのヤブロンスカ通りの状況について詳細な検証記事を掲載したという。

ブチャの民間人遺体、衛星画像でも確認 ロシア主張に矛盾 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News

通りに沿って遺体が横たわっている様子が捉えられた、4月1日と2日に撮影された動画と衛星画像を比較し、遺体の多くは、ブチャがロシア軍の占領下にあった少なくとも3週間前から放置されていたと結論付けた。(出所:AFP BB NEWS)

 衛星画像に捉えられている遺体の多くが、ウクライナの地元自治体職員や国際報道機関が撮影した遺体の位置と正確に一致しているという。

 ニューヨークタイムズの執念に脱帽せざるを得ない。その動機は一体何なのだろうか。うそを拒絶し、正しさを守ろうとすることがメディアの矜持、プライドなのだろう。

論語に学ぶ

温故知新、故(ふる)きを温めて新しきを知る、以って師と為すべし。(「為政第二」11) 

「過去の伝統を冷えきったそのままで固守するのではなく、それを現代の火にかけて新しい味わいを問いなおす」と意味し、そうしたことができて始めて他人の師となることができるという。

dsupplying.hatenadiary.jp

「伝統を墨守するのではなく、永遠の真理の今日的意味をさぐる。」そうした知的訓練を重ねることによってのみ、目前の複雑で混沌とした、しかし、私たちにとっても切実な現実を鋭くまた筋道をたててとらえることができる。 (引用:「論語桑原武夫

 「古にして時に乖(そむ)かず、今にして弊に同せず」ともいう。

 過去の戦争における残虐性を学ばずして、同じことを繰り返す者が、指導者、リーダーになりえないということであろう。

 

 

 ウクライナのゼレンスキー大統領が5日、国連安全保障理事会の緊急会合でオンライン演説したという。ロシアの攻撃を止めるべく一段の行動を強く求め、ロシアが国連安全保障理事会常任理事国の拒否権を悪用し、平和への取り組みを妨害しているとも訴えたという。

ゼレンスキー氏、安保理改革訴え 「国連は機能不全」: 日本経済新聞

「第2次世界大戦終結以降、最もひどい戦争犯罪だ」と非難し、平和維持を担う安保理と国連が「機能していないのは明らかだ」と述べ、改革と加盟国による行動を求めたそうだ。

 ブルームバーグによれば、欧州委員会のフォンデアライエン委員長は今週、キーウを訪れ、ゼレンスキー大統領と会談するという。

 既に一線を越えていたロシアの蛮行が、誰一人許すことできないような残虐行為にまでエスカレートしている。プーチン政権下のロシアが国際社会に存在することに恐怖を覚えずはいられない。

 欧米各国がロシアを拒絶し始めているようだ。外交官を追放し、領事館を閉鎖する国もあるという。人道だけは何があっても譲れないということであろうか。

 

 

 過去の残虐行為を歴史で学んだ。そこには論争があるのも現実かもしれないが、多くの罪なき人々の尊い命が奪われことは間違いないはずだ。

 こうした歴史を悪用することを知性とは呼ばない。同じ過ちを何度も繰り返し犯してしまうのも人かもしれないが、それを何としてでも阻止できるようにするのが学問であり、学習ではないだかろうか。

 如何にしてロシアを諫め、戦争を止めるのか、それが国際社会に求められている。叡智を結集すべきときのようだ。