「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

止まらぬロシアの愚行、強いられる犠牲、いつになったら平和になるのか

 

 ロシアが、国連人権理事会のメンバー資格を停止された。国連総会緊急特別会合での決議では、ウクライナに侵攻したロシア軍による「重大でかつ組織的な人権侵害と乱用」を指摘。「ウクライナにおける人権と人道危機に重大な懸念」を表明するとしたという。

国連総会、ロシアの人権理事会メンバー資格を停止 決議採択 | ロイター

 ウクライナで愚行を繰り返した結果なのだろう。JIJI.COMによれば、採択に先立ち、ウクライナのキスリツァ国連大使は「ロシアの資格停止は選択肢ではない。義務だ。ロシアの行為は常軌を逸している」と演説し、賛成票を投じるよう求めたそうだ。

 一方、ロシアは加盟国に「反ロシアの決議に反対の声を上げる」よう求める書簡を送付し、採決での賛成や棄権は「反友好的」と見なし、今後の2国関係などに影響すると警告したという。警告の域を超え、脅迫のように聞こえてしまう。

 

 

 協力を求める者がある一方で、脅迫のような言葉を用いて強要する者もいる。常識的に考えて、どちらが正か邪かはいうまでもない。

 ただこうした決議が採択されたからといって、平和が実現する訳ではなさそうだ。対立によって生じる不都合で世界全体が苦しめられ続け、犠牲を強いられる。何と理不尽な世界ではなかろうか。

論語に学ぶ

君に事(つか)うるに礼を尽くせば、人以て諂(へつら)いと為す。(「八佾第三」18)

 孔子生きた下克上の当時、魯の国では季氏ら力を持った者が君主を抑えて横暴をはたらいていたという。すでに礼法、モラルが乱れ、崩壊過程に入っていたそうだ。

 孔子はそうしたときにあっても、上下の秩序を尊び古来の礼法を完全履行することによって君臣の正しい関係を守ろうとした。ところが阿諛(あゆ:おべっかをつかうこと)と罵られた。それが古めかしく固苦しいと感じられたからというより、力ある者に属する連中はそれを政争の一手段として、嫌がらせしたという。

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 善意の行為も悪意の誹謗を免れない

 この章は、孔子自身が君主につかえたときの経験から、なかなか思うようにはいかないものだと、弱気をふと親しい弟子洩らしたのではないかと、桑原武夫は解説する。

 現代も、孔子が生きた古代の戦国時代と変わらないのかもしれない。

 

 

 西側諸国がロシアへの制裁を強化する。戦争を止めなければならないが、制裁は諸刃の剣で、制裁を科す国にばかりでなく、世界中にさらに悪い影響を及ぼしていく。この制裁で、ロシアが戦争遂行を諦めてくれればいいのだが、まだその兆しは見えない。

 世界が平和であること、これほどありがたいものはないのだろう。平和を取り戻していくには、やらなければならないことが山ほどありそうだ。

 自国の犠牲を最小化することに走りがちになってしまうのかもしれないが、まずは乱れている「礼」や「モラル」を回復しなければならないのだろう。そうしないと、この禍による世界における犠牲者がますます増えていくことなってしまう。可及的速やかに戦争を止めなければならない。

 

「参考文書」

人権理からロシア追放 国連総会、93カ国賛成で決議採択―中国など反対:時事ドットコム