子ども時代、中学生のころかと思うのですが、将来の夢を実業家と分不相応なことを言っていました。その影響もあってかでしょうか、いつまでも「イノベーター」ということが頭に引っかかっていました。
人それぞれでイノベーターと思う人は異なると思いますが、私が思うイノベーターは、
トーマス A エジソン (発明家、起業家、GE創業者)
ジェフベゾス (Amazon.com 共同創業者兼CEO)
ムハマド ユヌス (経済学者、実業家、グラミン銀行創設者)
イノベーターの定義は「革新者」、「新技術などの導入者」
彼らの功績からそう考えるのはもちろんのことですが、私のその後に大きな影響を与えてくれた人たちでもあります。イノベーションという言葉に輪郭を与えてくれ、自分が目指すべきもののイメージを与えてくれました。
イノベーションという言葉の解釈もまた、人それぞれで異なるかと思います。先ごろまでは、P F ドラッカーのイノベーショ理論が盛り上がりを見せていました。その正しさはわかるのですが、私個人としてはどうしてしっくりせずに、どちらかと言えば、米国の経営学者クレイトン・クリステンセンの「一見、関係なさそうな事柄を結びつける思考」に正しさを感じていました。
『知らずして之を作る者有らん。~多く聞きてその善き者を択びてこれに従う。~』
(述而第七 27)
イノベーターたちはみな、知っているものの組み合わせで、新しいものを生み出すのではと思う。どんなに革新的なことであれ、脈々と積み重ねられてきた過去の延長でしかない。
「故きを温めて新しさを知る」 温故知新。イノベーターの素養なのかもしれない。
温故知新 (「為政第二」11)
『 子曰く、故(ふる)きを温めて新しきを知る、以って師と為るべし。』
(一般的な現代語訳)
「古くからの伝えを大切にして、新しい知識を得て行くことができれば、人を教える師となることができる。」
桑原武夫は、『過去の伝統を冷えきったそのままで固守するのではなく、それを現代の火にかけて新しい味わいを問いなおす』と訳した。
また、「伝統を墨守するのではなく、永遠の真理の今日的意味をさぐる。」そうした知的訓練を重ねることによってのみ、目前の複雑で混沌とした、しかし、私たちにとっても切実な現実を鋭くまた筋道をたててとらえることができるとした。
「不易流行」と松尾芭蕉は言った。
「古にして時に乖(そむ)かず、今にして弊に同せず」という古語もあるという。
ニコラス・G・カーは著作『クラウド化する世界』で、現代のネット社会を1世紀前の電気の普及に準え、解説している。この本に、エジソン、アマゾンなどが登場、たしかガースナーの名もあったような気がします(記憶が曖昧です)。
なかなか面白い本だと思います。