夜中の大きな地震があった。揺れが長く続いたように感じた。どうしても11年前の大震災の記憶が蘇ってしまう。大きな津波は発生しなかったようだ。ひとまず安心する。広範囲に停電がおき、また新幹線は脱線し、高速道路に亀裂が入ったという。大きな被害にならないことを祈るばかりである。
昨夜が首相の記者会見があった。冒頭、ウクライナへのロシアの侵略についてふれ、「ロシアの今回の暴挙は、歴史に刻むべき非道な行為です。自由、人権、法の支配といった普遍的価値を守り抜くため、我が国は、断固としてこれを糾弾いたします。そして、米国や欧州など、G7と連携して、事態の展開にあわせて、機動的に厳しい対露制裁措置を講じてまいります」と断じた。
ウクライナに対しては連帯の姿勢を改めて表明した。ウクライナからの避難民の受入れを始めるといい、国民に理解と協力を求める。
一方、紛争当事国のウクライナとロシアは停戦交渉を続け、まだまだ厳しい状況のようだ。ただ一定の前進もあるのだろうか。
停戦交渉、一定の進展か ウクライナ、ロシアの軟化示唆:時事ドットコム
ゼレンスキー大統領は16日の動画で「立場がより現実的になりつつあるが、国益にかなう決定に至るには時間が必要だ」と強調していた。(出所:JIJI.COM)
しかし、戦争を引き起こしたプーチンは強硬のままだ。制裁強化を強調する首相の言葉とは裏腹のように.....
プーチン大統領、西側諸国によるロシア解体の試み「成功せず」 | ロイター
ロイターによると、プーチン大統領は、ロシアを解体しようとする試みは成功しないと強調したという。
説得なしに、G7との協調による制裁で法の支配を回復することはできるのだろうか。
論語に学ぶ
子、子賤を謂う。君子なるかな、若(かく)のごとき人。魯に君子者無くんば、斯れ焉(いずくんぞ斯をとらん、と。(「公冶長第五」3)
孔子は弟子の子賤をこう評した。「君子と言っていい、このような人物は。もし魯国に君子と言える人物がいなければ、彼がどうして人格を磨きえようか」。
「子賤」、姓は宓、名は不斉、字名が子賤。孔子より49歳年少の弟子であったとされる。魯国の単父(たんほ)という地の宰となり善政を布いたという。
人間は生まれつきの素質に縛られる。しかし、それだけに終わるとすればペシミスティックな決定論となるほかはない。孔子は素質の重要性を認識しつつも、人間は愛情をもって助けあうことによって、素質の上に出ることができるというオプティミズムを捨てなかった。すなわち仁の精神である」。(引用:「論語」桑原武夫)
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法、規範の必要性を否定することはできない。しかし、プーチンを見る限りでは、これらは何の役に立ちそうにもない。プーチンを止めるためにどうすれば、良いのだろうか。この先、プーチンのようなならず者が現れなくするためには、今何をなすべきなのだろうか。今あるしくみに何かを足さない限り、同じことは繰り返されてしまうのではなかろうか。
孔子は忠恕を第一とし、仁を説く。対立を嫌い、中庸を説いた。こうした徳が今求められていないだろうか。
「参考文書」
令和4年3月16日 岸田内閣総理大臣記者会見 | 令和4年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ