子曰わく、臧文仲(ぞうぶんちゅう)は其れ位を窃む者か。柳下恵(りゅうかけい)の賢なるを知りて、而(しか)るに与(とも)に立たざるなり。(「衛霊公第十五」14)
(解説)
孔子の言葉。「魯国の大夫 臧文仲は、何もしないで給料をもらっているだけだな。柳下恵が賢人であることを知りながら、ともに政庁に立って政治を行おうとはしなかった」。(論語 加地伸行)
「柳下恵」、姓が展、名が禽。字名は季。柳下に住み、恵と諡(おくりな)されたことで柳下恵といわれる。魯の大夫で裁判官。直道を守って君に仕えた。
「臧文仲」、魯国の大夫で実力者のひとり。孔子はその「知」を認めていたようだが、「仁」や「礼」に対する分別がないようだ。
(参考文献)