情報技術が発展し便利なツールがたくさん開発され、SNSなどの日常使いも当たり前になりました。一方で、様々な情報や概念が暴力的に押し付けられるようになったともいえそうです。最近の選挙戦からして間違いなさそうです。
米国では、著名人による支持表明が大統領選の投票行動に与えた調査結果がまとまり、露骨な態度でトランプ氏を支持した実業家のイーロン・マスク氏がトップだったといいます。
トランプ次期米大統領:米大統領選世論調査 マスク氏の影響力、スウィフトさん以上 | 毎日新聞
面白い調査結果です。2位にはポッドキャスト番組司会者のジョー・ローガン氏が入り、絶大な影響力があるとされた歌手のテイラー・スウィフト氏は3位で、トップのマスク氏とは大きな差がありました。時代はやはり移り変わるようです。トランプ氏圧勝の原動力になっていそうです。
米国でも日本と同じように「ネットVSオールドメディア」みたいな構図があるのでしょうか。SNS「X」のオーナーのマスク氏に、ポッドキャストの司会者。情報の正確性、真偽はさておいて、興味をそそるインパクトある情報を頻繁に発信できる者が信用されやすくなったということなのでしょうか。
予想を裏切る「大勝利」…兵庫県知事選「SNS」が民意を変えた? 真偽より「インパクト」でバズった果てに:東京新聞デジタル
デジタルネイティブ世代の人口が増えて、ネット社会がようやく定着したともいえそうです。色々利便性が向上した面もあるのでしょうけれども、問題もまた内在していそうです。それでも、その問題よりメリットを強調し、それを上手に利用しようとする人がいるのが今日なのでしょう。一方、この状況に危惧する人もいます。
生成AIが急拡大、言論空間の「健全性」どう守る マイケル・オズボーン氏/江間有沙氏/ジェフ・ジャービス氏 - 日本経済新聞
生成AI(人工知能)の急速な発達に伴い、言論空間の健全性が低下する懸念が高まっている。インターネットを通じてAIがつくった誤情報や偽情報が拡散され、欧米では報道機関の経営体力を一段と低下させるとの見方も出てきた。(出所:日本経済新聞)
専門家はそう指摘し、政府に積極的な役割を期待する人もいます。
兵庫県知事選挙でのSNS影響 閣僚・政党幹部から発言相次ぐ | NHK | 選挙
しかし、政治家たちの反応もまた様々です。積極的に利用できる人がいる一方で、まだその波に乗れない人もいるようです。ネットが登場したときから指摘された「リテラシー」の問題とする人もいます。膨大な情報の中から正確で信頼できる情報を見つけ出し、適切に活用できればいいのでしょうが、その中に含まれる嘘や間違った内容を選別する「リテラシー」とは異なる能力も求められそうです。「正しさ」や「善・悪」を見分けることができなければ、騙されることになってしまうのですから。
「マスコミは信じられないけれど、SNSは信じられる」というのは、受動と能動の違いが大きいと思う。マスコミからは一方的に情報を受け取るが、SNSは自分が「探しに」行き、「能動的」につかみ取る。真実かフェイクかより、与えられたか選択したかが重要と感じる。なおかつ、マスコミは様々な情報を伝え…
— 鴻上尚史 (@KOKAMIShoji) 2024年11月20日
やはり一定程度の規制はあってもいいのかもしれません。しかし、どこで線引きするか難しそうです。
元文部科学省事務次官の前川喜平氏が、「学べば治る。賢くなれる。斎藤(氏)を当選させた兵庫県民も」とXでつぶやいたそうです。
前川喜平氏「学べば治る。賢くなれる」 兵庫県知事選、斎藤元彦氏に投票した有権者に - 産経ニュース
言い得て妙なのかもしれません。結局、学ぶしかないのでしょうか。
論語に学ぶ
学は及ばざるが如くせよ。猶(なお)之を失わんことを恐れよ。(「泰伯第八」17)
学びときは、自分はまだ十分でないという気持ちをいつも持て。しかも、得たものは失わないと心掛けよと孔子はいいました。
そうなのでしょうが、学びには歳月を要すのもまた事実。そこが悩ましいところではあるのでしょうけれども。
ネット上のあちこちに詐欺行為も蔓延するようになってます。SNS型ロマンス詐欺と呼ばれるマッチングアプリを悪用した新手の「ロマンス詐欺」も登場し、被害が拡大しているといいます。
「私はだまされないと思う人が一番危険で、みんなだまされる危険性がある」と、国内最大級のマッチングアプリ「Pairs(ペアーズ)」など運営主体も警鐘を鳴らす事態といいます。
しかし警鐘を鳴らすだけでなく、プラットフォーム側が厳格な対策を施して、「だまし」を入り込まさせないような仕組みを作るべきのような気がします。困難なことなのかもしれませんが、そこにイノベーションのネタがあるのではないでしょうか。テクノロジー業界の怠慢のような気もします。このままでは悪人のために利便性を向上させているような事態になりかねず、悪人を増殖させていくようなものです。言い過ぎかもしれませんが。
