近づく「トランプ2.0」に世界が揺れます。価値観の変化を予見してのことか、その対策が各方面で進みます。ウクライナにおいても同様です。米バイデン政権の動きが慌ただしくなって、これにロシアが反応、核の脅しめいた発言も飛び出しています。
ウクライナ、ATACMSで初の攻撃か-ロシアは核使用基準緩和 - Bloomberg
「トランプの奇跡」で世界が平和に近づけば、それはそれで良しなのでしょうが、ちゃぶ台返しでとんでもない世界の入り口になりはしないかと心配にもなります。
常がなく、様々な浮き沈みがあるのがこの世ということなのでしょうけれども、ここ最近の世界の動きを見ていると切なくなります。
そのトランプ氏は、不法移民を強制的に送還するための国家非常事態宣言を発令する考えを示し、軍隊や州兵の動員を示唆したといいます。
トランプ氏、非常事態宣言を発令へ 不法移民を強制送還 - 日本経済新聞
来年に1月になれば、こうした現実を受け入れざるを得なくなります。そうなればそうなったで、それに対処していくしかないのでしょうから、今からやきもきしても仕方がないのかもしれません。
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場する悪役「ビフ」とトランプ氏がダブります。閣僚人事などここ最近のトランプ氏の言動がどうにもディストピア感満載だからなのでしょうか。
ビフのモデルはトランプ氏、「バック・トゥ・ザ…」脚本家明かす 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
この古い映画で描かれた悪役「ビフ」はトランプ氏がモデルだったそうです。だからそう見えてしまうのかもしれません。昔からそんなイメージということなのでしょうか。
こんなご時世になっているのですから、せめて日本がしっかりしていればいいのでしょうが、石破首相も心もとなく、世間も兵庫県知事選でのゴタゴタでざわついています。
政治家が「謙虚」「謙虚」というようになりました。逆に威厳さがなくなって、それが政治への信頼を損なわせる一因にもなっていそうな気がします。
座ったまま握手、スマホ操作に1人腕組み…石破茂首相、APECでの映像がSNSで物議 - 産経ニュース
謙虚と口に出しているのですから、言行不一致は致命傷です。海外でも信用を失うことになりはしないかと心配にもなります。先々が思いやられます。
論語に学ぶ
聖人は吾得て之を見ず。君子者を見るを得ば、斯(すなわ)ち可なり。子曰わく、善人は吾得て之を見ず。恒有る者を見るを得ば、斯ち可なり。亡きなるに有りと為し、虚なるに盈(み)てりと為し、約なるに泰(たい)と為す。難(かた)いかな、恒有ること。(「述而第七」25)
「聖人」完全な人格者、こういう人と出会うことはとてもできない。しかし、せめて「君子」と出会うことができれば、それでよしとしようと孔子はいいました。「善人」、こういう人と出会うことはとてもできない。しかし、せめて自分の気持ちに揺るぎのない者と出会うことができれば、それでよしとしよう。しかし、現実には、知識がないのにあるとしたり、人格は虚なのに充実しているように見せかけたり、貧しいのに豊かなまねをしたりしている。難しいなあ、心構えの揺るがぬあり方は、と孔子はいいました。
恒に変わらない正しい信念を持ちつづけることは難しい、孔子の嘆きが身に沁みます。
詩人の谷川俊太郎さんが亡くなられ、「生きる」という詩を思い出しました。
「国民詩人」谷川俊太郎さん死去 平易な言葉で深遠な世界 - 日本経済新聞
「生きる」を知ったのはもうだいぶ前のこと、小室等さんの「いま生きているということ」という歌を通してでした。特に感動したということはなかったのですが、今でもその歌詞とメロディを憶えているのが不思議にです。
....生きているということ、いま生きているということ、
それはミニスカート、それはプラネタリウム、それはヨハン・シュトラウス、それはピカソ、それはアルプス、すべての美しいものに出会うということ、そして、かくされた悪を注意深くこばむこと
生きているということ、いま生きているということ
泣けるということ、笑えるということ、怒れるということ、自由ということ
生きているということ、いま生きているということ、
いま遠くで犬が吠えるということ、いま地球が廻っているということ、いまどこかで産声があがるということ、いまどこかで兵士が傷つくということ、いまぶらんこがゆれているということ、いまいまが過ぎてゆくこと
生きているということ、いま生きているということ
鳥ははばたくということ、海はとどろくということ、かたつむりははうということ
人は愛するということ、あなたの手のぬくみ、いのちということ
(引用:谷川俊太郎「生きる」
この詩の記憶が今の自分の思考に何らかの影響を与えるのかなと思ったりします。地球や気候変動のこと、サステナビリティの事を考えるとき、この記憶の影響がありそうな気もします。改めて、ぐらつかない心、常に定まっていて変わらない正しい心を持つのことが大切さなんだなと思います。
「参考文書」
バンス次期米副大統領、ゲーツ氏やヘグセス氏と上院議員との会談調整 - Bloomberg
トランプ時代の「ESG2.0」 環境や人権、企業評価に必須 上級論説委員 小平龍四郎 - 日本経済新聞
兵庫知事選 斎藤氏支援のムーブメント 背景にある有権者の「義憤」 | 毎日新聞
詩人の谷川俊太郎さん死去、92歳 「二十億光年の孤独」 - 日本経済新聞