また企業の不祥事が相次ぐようになっています。
トヨタ自動車のグループ会社の豊田自動織機で、フォークリフト用エンジン認証での法規違反の可能性が確認され、これに関連するエンジン3機種を搭載するフォークリフトの出荷停止を決定し、関係省庁に報告したといいます。ショッキングなニュースです。
大型複合ビル建設での不正
また、大手ゼネコンの大成建設が札幌市中央区で建設中の「ハイアット セントリック 札幌」などが入る26階建て複合ビルにおいて、品質基準を満していないところが複数見つかったほか、発注元の企業に対し、鉄骨の組み立ての精度について虚偽の数値を報告していたことを明らかになったといいます。
大成建設が虚偽報告 鉄骨部分が精度不良 複合ビル建て直しへ | 毎日新聞
建設中の建物は撤去、再建設されることになるそうです。この責任をとって担当する取締役など役員2人が辞任するといいます。事業主のNTT都市開発は、大成建設との信頼関係を失って残念とコメントしたそうです。
大成建設・品質管理担当者は、事業主のNTT都市開発に対し「数ミリ程度であれば品質に問題ないと考え、実測値と異なる数値を報告していた」と明かしている。(出所:ABEMA TIMES)
極めて深刻な問題と感じます。嘆かわしいありさまです。信じ難いことです。
かつて日本という国は、高品質を売りにしていました。なぜこれほどまで悪くなってしまったのでしょうか。これでは世に存在する何かもが信用できなくなりそうです。
なぜこのような不祥事、不正が続くのでしょうか。当事者たちの意識とスキルの問題なのでしょうか。
真の原因を突き止め、根本的に正し、モラル、倫理を回復させ、業務遂行体制を正さなければなりません。それができない限り、断じて信頼の回復などありえません。
国会では放送法を巡って、捏造だの、不正確だのといって論戦が続いているようです。
どちらの主張が正しいのかわかりませんが、どちらにせよ、国政が正しく運営されていないということだけは明らかなのでしょう。こうした問題に真摯に向き合えずに、正すべきを正すことができないようであれば、国中で不正がはびこるのは当然なような気がします。
こうしたことを歴史で知ることもできますし、今この現実の社会でも知ることができます。
論語に学ぶ
禄(ろく)の公室を去ること五世(ごせい)。政(まつりごと)の大夫に逮(およ)びて四世(しせい)。故に夫(か)の三桓(さんかん)の子孫 微(おとろ)う。(「季氏第十六」3)
臣下の待遇を決定することが君主ができなくってもう五代。国政が重臣に握られて四代を経てきた。それ故、かの君主に仕える実力者の三桓たちの子孫の力が衰えてきたと意味します。
この国の実力者はよく民主主義の価値観とか口にしますが、どうにも実態はそれから大きくかけ離れているように思えてなりません。
民主主義が正しく機能しないのなら、その行き先は、国家元首に逮捕状が出るようなどこぞの国のようになっていくのかもしれません。怖いことです。
このまま何もかも建て直すことができない国になってしまうのでしょうか。それとも、孔子がいうように、そうした実力者たちもやがて衰退していくことになるのでしょうか。
「参考文書」
豊田自動織機 国が定めた耐久試験で法規違反の可能性 | NHK | 愛知県
フォークリフト用エンジン認証での法規違反に伴う国内出荷停止について | 株式会社 豊田自動織機
複合高層ビルを異例の立て直し 大成建設は虚偽報告「数ミリ程度であれば品質に問題ないと」 取締役ら2人の辞任を発表 | 国内 | ABEMA TIMES