「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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裏金疑惑、浅はかな政治

  自民党安倍派の裏金疑惑、政府自民党の狼狽ぶりは一体何を物語っているのでしょうか。

「国民から厳しい目が向けられており派閥だけではなく自民党の信頼を揺るがすような大変大きな問題で危機感を感じている」と自民党幹部は語ります。

<独自>首相、政務三役から安倍派の全員交代を検討 官房長官、経産、総務、農水の4閣僚ら - 産経ニュース

 首相は安倍派を一掃することになるのでしょうか。安倍政治を礼賛するかのように振舞ってきた首相の豹変ぶりに戸惑います。一体何を考えているのでしょうか。深い思慮もなく、安易な政治が行われてきたように感じるばかりです。 

 慢心が過ぎれば、好き勝手に振舞うようになり、危機感もなくなっていくのでしょう。それは驕った態度と映ります。

 

 

集団浅慮

「集団浅慮」という言葉があるそうです。集団が持つ同調圧力等によって、その集団で考えていることに対しての判断能力が損なわれ、好ましくない、非合理な結論を出してしまう傾向のことをいうそうです。

集団浅慮|グロービス経営大学院 創造と変革のMBA

 組織の閉鎖性や同調圧力によって、傍から見れば無謀な拡大政策を経営陣が止められずに経営破綻に至った例、明らかな不正行為や隠ぺい工作を組織的に行い経営破綻した例なども少なくない。 (出所:グロービス経営大学院

「集団凝集性が高い、外部からのプレッシャーが強い、閉鎖性・秘密性が高い、強いリーダーや専門家の存在等、いくつかの条件が重なった時に集団浅慮が発生しやすい」とジャニスは指摘しているそうです。

 政権奪還後の自民党がこんな状態に陥ったのではないのでしょうか。また、それに引きずられて政界全体が同じようなになっていたとようにも感じますし、それが社会へも伝播するようになったのではないかとも思えます。

 

 

論語に学ぶ

子貢(しこう)問いて曰わく、師と商とは孰(いず)れか賢(まさ)れる、と。子曰わく、師や過ぎたり。商や及ばず、と。曰わく、然(しか)らば則ち師は愈(まさ)れるか、と。子曰わく、過ぎたるは猶及ばざるがごとし、と。(「先進第十一」16)

 弟子の子貢が「師(子張)と商(子夏)と、どちらが優れていますか」と尋ねました。孔子は「師は多いな、商は及ぼす」と答えました。子貢は「では師のほうがすぐれているのですか」と尋ねました。孔子は「どちらも均衡がとれていないので、頃合い、中庸がないという点では、多いも及ぼずも同じことだ」と教えました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 度が過ぎるもの、足りないもの、どちらもよくないといいます。不十分なのも困るが、過剰なものには弊害があり、物事にはほどよさが大切であるとの意味といいます。

 集団浅慮から抜け出るには、一度導いた結論に対して、集団で決めたからよしとするのではなく、集団で決めたが故に意思決定の内容やプロセスに重大な落とし穴がなかったか、冷静に見極める姿勢を持つことが重要になるそうです。

 こんな視点で現状を総点検して、政治改革につなげない限り不信を払拭することはできないのでしょう。健全な政治が求められます。今の政治家たちによって、それが実現することはあるのでしょうか。 

 

「参考文書」

自民党の派閥政治資金問題めぐり与野党が議論 NHK日曜討論 | NHK | 政治資金

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