消費増税と自民党への献金を呼びかける経団連 - 「論語を現代に活かす」　時代を超えて読まれた名著

問題を起こす企業や団体に共通しているのは、不誠実ような気がします。あってはならない過ちを犯したなら、素直に謝罪して、然るべき対応を取ればよいのでしょうが、そうならないから批判されてしまうのではないでしょうか。

ジャニーズ事務所がその最たる例なのでしょう。うそ、いつわりがなく、誠実に対応すればいいのに、どこかに虚構めいたところがあり、欺瞞を感じさせるからなのでしょうか。

このままジャニーズは不誠実のままなのでしょうか。誠実さの普遍的価値に気づいてもらいたいものです。

経団連が政治献金の判断基準となる主要政党の政策評価を発表したそうです。与党の政策を高く評価できるとして、会員企業に自民党への献金を呼び掛けているといいます。

何をみて評価しているのでしょうか。現状を是として、その政策の適合性からすれば、無難にこなしているとの評価はあるのかもしれません。ただそれが国民、企業にとっての顧客のためになるものなのでしょうか。

また、少子化対策の財源については、政府は異なり消費税増税を主張し、それを検討するよう自民党に求めたといいます。

経団連という団体だからなのでしょうか。国のため、国民のためではなく、あくまで企業利益が一義ということのように受け取れます。不誠実さが現れているような気がします。

子貢（しこう）問いて曰わく、一言にして以て終身之を行なう可き者ありや、と。子曰わく、其れ恕（じょ）か。己の欲せざる所は、人に施すこと勿（なか）れ、と。（「衛霊公第十五」24）

弟子の子貢が「生涯、行なうべきものを、一字で表せましょうか」と質問しました。孔子は「それは、恕（おもいやり）だな。自分が他人から受けたくないことは、他人にもしないことだ」と答えました。

「己の欲せざる所は、人に施すこと勿れ」、自分が他人から受けたくないことは、他人にもしないこと。

それとは真逆に、自分自身の利益を優先させ、自分の身に火の粉が降りかからないように、他者になんでかんでも押しつける、それが昨今の風潮なのでしょうか。ジャニーズ、経団連、ビッグモータに損保ジャパンなどなど、そうと思えることをあちらこちらでみることができまるようになりました。

増税メガネと揶揄される首相が減税を口に出し、与党でその政策検討がなされています。増税を求める経団連との主張と対立しそうですが、それでも与党自民党の政策が他よりも優れているのでしょうか。その評価基準がよくわかりません。

これが日本代表する大企業の経営者の集まりによる提言なのでしょうか。プロの経営者であるのなら、市場が求めるものを提供できたり、相手の細かい要望に応えられそうな気がしますが、そうではないのでしょうか。現状を否定する勇気を持てば、違った景色が見えそうな気もします。

いつまで経っても日本経済が低迷を続けるのは、これが理由のひとつなのかもしれません。