「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

信用を失いつつある損保業界 ビッグモータ不正で自動車保険が割高になっていた懸念

 ビッグモーターによる保険金の不正請求問題で余計に支払った保険金の影響で、あらゆる契約者の自動車保険料が割高となっている懸念があるそうです

ビッグモーターの水増し請求、全ての自動車保険料に影響か - 日本経済新聞

 記事によると、損保各社で構成する損害保険料率算出機構が、保険金水増しによる自動車保険料率全体への影響を調べているといます。

 

 

 また、企業向け保険で不祥事が明るみになった損保各社の株価が下落しているといいます。ビッグモータとの関連が深いとされる損保ジャパンを有するSOMPOホールディングスの下落が大きいようです。

損保大手3社、株価に暗雲 相次ぐ不祥事、信頼失墜も | 共同通信

「マネジメントへの不信感はすぐには払拭されないだろう」、証券会社のアナリストがそう語り、SOMPOホールディングスの投資判断を引き下げたそうです。

 こうなることがわかっているはずなのに、なぜ不正に手を染めてしまうのでしょうか。いつからこうした体質になってしまったのでしょうか。

圧力

 デフレからの脱却が至上命題となり、改革が求められていたにもかかわらず、その動きは遅々とし、なかなか成果をあげることができずにいました。その間にまた新たな問題が作られ、あたかもその解決が喫緊の課題のように仕立てられることもありました。

 デフレを必要以上に悲観し、経済成長を渇望し過ぎたことがよくなかったのかもしれません。それを長い間、刷り込まれ続けた結果が今日の状況を生み出してしまったのかもしれません。多くの人や企業が、大切なことを忘れて、半場強制的に利益拡大を目標として持たされ、走れ走れと目に見えないプレッシャーをかけ続けられ、それを習慣にしてしまったのかもしれません。

 

 

論語に学ぶ

子貢(しこう)問いて曰わく、師と商とは孰(いず)れか賢(まさ)れる、と。子曰わく、師や過ぎたり。商や及ばず、と。曰わく、然(しか)らば則ち師は愈(まさ)れるか、と。子曰わく、過ぎたるは猶及ばざるがごとし、と。(「先進第十一」16)

 弟子の子貢が「師(子張)と商(子夏)と、どちらがすぐれていますか」と尋ねました。孔子は「師は過ぎ、商は及ばず」と答えました。子貢は「では師のほうがすぐれているのですか」と尋ねると、孔子は「過ぎたるも及ばずも同じことだ」と教えました。

dsupplying.hatenadiary.jp

「過ぎたるは猶及ばざるがごとし」、 「過」も「不及」も同格であって、中庸を失っている点では、ともに良くないという意味します。  

 度が過ぎて緩和を続ければ、それに慣らされていつしか感覚は麻痺し、規律も弛緩してしまい、何でもありになっていきそうです。人の話を聞いていても長い話は厭きるし、同じ内容が繰り返されれば猶更です。

 どちらかに偏るよりは、その中間が好ましい状態といわれます。日本ばかりでなく、今の世界を覗けばあちらこちらに偏りが生じていそうです。日本が国内外問わず、何においても中間のポジションをとれば、案外ことがスムーズになり、社会が健全化、正常化していくように思います。いつになったら日本は健全化するのでしょうか。

 

 

経済同友会

 経済同友会の新浪経済代表幹事が「健康保険証の廃止については必ず実現するよう、これを納期として向けてしっかりとやっていただきたい」との発言が話題になっているそうです。

岸田首相「保険証は廃止」発言で掘り起こされた、サントリー新浪社長の「廃止の納期を守れ」傲慢発言 | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]

 これも度が過ぎている一例なのでしょう。その経済同友会、政府と協調路線を取ることが多い経団連と異なり、一企業や特定業界の利害にとらわれない立場から自由に議論し、見解を社会に提言することを特色とし、物言う姿勢を重視しているといわれます。そうした伝統からしてもどうなのかと思うような発言です。

 ふと思い出すのは、前の代表幹事はSOMPOホールディングスの櫻田氏、よいタイミングで任期を迎えたと思ってしまいます。経済同友会から企業不正の撲滅の提言をまとめ、発信できるようになるといいのかもしれません。