「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

米大学の反戦運動続く、コロンビア大学の講堂にNY市警突入

イスラエルに金も兵器も送るな。これ以上の大虐殺を止めろ」。全米の大学でイスラエルの軍事行動への抗議デモが広がっていましたが、つい名門コロンビア大学に重武装したニューヨーク市警の警官隊数百人がキャンパス内の「ハミルトンホール」に突入し、占拠していたデモ参加者を強制排除したそうです。

「1968年」と重なる光景 米コロンビア大、学生占拠の講堂に警察が突入 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

「ハミルトンホール」は、1968年にベトナム戦争などに反対する抗議活動が行われた象徴的な場所といいます。学生によるこの建物の占拠について、ホワイトハウスは「バイデン大統領は表現の自由の権利を尊重している」とする一方、「建物を力ずくで占拠するのは平和的でなく、間違っている」との声明を出していたといいます。

 

 

 学生らは当初、キャンパス内にテントを張って抗議していましたが、大学側がテントを撤去するよう求め、それを過ぎても居座れば停学処分にすると警告していたそうです。こうした大学側の姿勢に学生が反発、抗議活動激化の引き金になったようです。学生たちの反発は反戦運動として全米に広がり、UCLA カリフォルニア大学ロサンゼルス校では、パレスチナを支持するデモ隊と反対派のグループが棒で殴り合うなど激しく衝突にも発展しているそうです。

 イスラエルを支援するバイデン大統領にとって、民主党支持の傾向が強い若者の反発は、11月の大統領選で逆風となる可能性もあるといいます。

 一方のイスラエル、ネタニヤフ首相が、ICC 国際刑事裁判所がガザでの戦闘について逮捕状を発行する懸念があるとして、発行を阻止するようバイデン米大統領に助けを求めたそうです。

イスラエル首相、米大統領に“SOS” ICC逮捕回避求め 米報道 | 毎日新聞

 身勝手に過ぎないでしょうか。自制心さえあればこのような事態に陥ることもなかったはずなのに。醜態をさらしているようなものです。しかし、自制心を失ってしまうのも人間というものでしょうか。こんな現実を目撃すると、やはりいかなることがあろうとも衝突は避けるべきということを物語っているのかなと思います。

 

 

1960年代のベトナム戦争への反戦運動は当時の政権の体力を落としたといいます。 今回は当時の反戦運動の比ではないのかもしれません。しかし、あの時と同様に何か文化面にも影響していくことになるのでしょうか。

 反戦ソング、ヒッピー文化、ピースサイン。第2次世界大戦中、反ナチスの象徴として勝利のビクトリーを意味するVサインが、ベトナム戦争反戦運動において、ヒッピーたちが「ピース」平和の象徴に変えたといいます。

変わる音楽

 1980年から2020年までにリリースされたポップス、ロック、ラップ、R&B、カントリー、5つの洋楽ジャンルの楽曲1万2000曲を比較した研究から、楽曲の歌詞が時間の経過とともに、よりパーソナルに、よりエモーショナルになり、すべてのジャンルで怒りに関連する言葉が増加していることが判明したそうです。

1980年以降、歌詞は「シンプルで怒りっぽく反復が多い」傾向に 研究結果 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 世相を何か表したりしているのでしょうか。怒りの言葉の増加には世の中に対する不満が鬱積していそうな気もします。


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論語に学ぶ

関雎(かんしょ)は楽しみて淫せず、哀しみて傷(やぶ)らず。(「八佾第三」20)

 関雎は楽しいがとめどもないわけではない。哀しいところはあるが、心をひき裂くまでにはならない、と孔子は言いました。

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 音楽は聞く者の心のけがれを洗い流し、かすを融かしきって、正しい人間性に到達させると孔子は考えていたようで、こうしたものこそもっとも美しい音楽だといわんとしているのではないかといいます。

楽しみと悲しみは人間に避けられないものであって、これと絶縁しようなどと考えるのは人間の本性にもとることである。この音楽は哀楽を生かしつつ節度を守り、その表現は中和を得ている。(引用:論語 桑原武夫

 「関雎」は、「詩経」巻頭にある「周南」の第一の詩といいます。 周の文王が、よき配偶者をと求めたが、なかなか見つからず憂悶、ついに見出し、夫妻が仲良く暮らしたという内容だといいます。音楽好きの孔子は、音楽の中から人の心の働きを知ろうとしていたのでしょうか。

 

 

映画

 ベトナム戦争終結して来年で50年になるそうです。いまなおそれに関連する映画が製作されているようです。

40代になった「ドクちゃん」、日常生活を追う◇映画公開、ベトナム戦争終結から半世紀:時事ドットコム

 戦争終結から約6年後の1981年2月、下半身がつながった結合双生児がベトナムで生まれました。ベトナム戦争で米国が大量に使用した枯れ葉剤の影響といわれていました。

 日本赤十字社の支援などを受けて、2人の分離手術が88年に行われたといいます。

「ベトちゃん、ドクちゃん」、兄のベトちゃんはその後亡くなりましたが、弟のドクちゃんは現在ホーチミン市で暮らしているそうです。

 そのドクさん(43)と家族の日常を追ったドキュメンタリー映画『ドクちゃん -フジとサクラにつなぐ愛-』が完成、5月3日から日本国内で順次公開されるそうです。


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今回のドキュメンタリー映画は戦争そのものを描いたものではありませんが、平和の大切さをこのフィルムを通して伝えられたらという希望があります。それから自分のように戦争の傷跡で苦しむ人間を見て、戦争の悲惨さの一端でも理解してもらえたらありがたいです。(出所:時事ドットコム

「約50年がたち、戦争の傷跡がどんどんなくなってきていることは間違いないと思います」ともドクさんは語っています。また「当事者が武力に訴えるのではなく、テーブルに座り、対話によって対立を解消するという努力をお願いしたいです」と、今なお戦火の絶えない世界についても話しています。

 政治があてにならなくなっています。米国の学生たちのように、そして、この映画のように世に訴えていくことが必要なのかなと思います。

 

「参考文書」

長谷川眞理子氏「日本の若者たちはおとなしくなりすぎた」:日経ビジネス電子版

全米デモ、バイデン政権に矛先 60年代想起の反戦運動 - 日本経済新聞

米コロンビア大の学生ら、ベトナム反戦運動の舞台になった講堂占拠 大学側と対立激化 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

UCLAでイスラエル抗議デモ 激しい衝突で警察出動する事態に | NHK | イスラエル・パレスチナ