「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

人道危機、解決されない問題、リーダー不在、深まる危機

 ガザ地区における人道危機に世界の注目が集まります。バイデン大統領のイスラエル訪問に期待もありましたが、どうやら不発になりそうです。これ以上事態が悪化しないことをただ祈るだけです。

バイデン氏、アラブ指導者の取り込み成功せず-紛争拡大懸念収まらず - Bloomberg

 VUCA 不確実な時代になったとつくづく感じます。こうなるのも避け得なかったことなのでしょう。この状態を受け入れて、少しでも政治的な対立を緩和できるようになって欲しいものですが、それにはまだまだ時間が必要になのかもしれません。

 

 

過去最大に積み上がった債務、高金利、気候変動によるコスト、高齢化に伴う医療・年金支出の増大、そして不安定な政治情勢といった状況が重なり、経済規模の大きな先進各国でいずれ金融危機が再燃しかねないとの警戒感が高まっている。(出所:ロイター)

焦点:債務膨張の先進国に金融危機の芽、最も懸念される米・伊・英 | ロイター

 ため息がでそうなくらいにリスクが高まりつつあるということなのでしょうか。日本政府はNISA制度を改定して「貯蓄から投資へ」と促していますが、よくよく世界情勢をウォッチしていく必要がありそうです。

 世界の金融市場が財政リスクに警戒感を募らせているといいます。英国、米国、イタリアの債務が増大し、今すぐに破綻することはないにしても、高齢化、気候変動、ウクライナや中東情勢などの地政学リスクを踏まえれば、将来的にも支出が増大するリスクが高まっているいといいます。それに加えて、金利上昇に伴い利払いが増大すればなおさらです。このままの状況が続けば、2030年代に危機が訪れるとの意見もあるようです。

近づく危機

 米金融大手のJPモルガン・チェースのダイモンCEOが「世界は過去数十年で最も危険な時期」を迎えていると警告しているといいます。

「過去数十年で最も危険な時期」 JPモルガンCEOが警告 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

ウクライナでの戦争は、先週のイスラエルへの攻撃と相まって、エネルギー、食料市場、世界の貿易、地政学的関係に広く影響を及ぼす可能性がある。世界は過去数十年で最も危険な時期を迎えているかもしれない。(出所:Forbes)

 また、ダイモンCEOも、世界情勢をめぐるリスクと高水準にある政府債務残高が、インフレ高進と金利上昇のリスクを高めていると述べたそうです。金利引き上げで好業績につながったJPモルガンですが、先々の状況次第では危機になり得るということでもあるのでしょうか。

 

 

 それにしては日本は相変わらずのようです。経済対策と称して大型暫定予算を組もうとしたり、危機的な財政状況でもあるにも関わらず、首相の人気回復のために減税では、さらに状況が悪化しかねず、どこかでまた辻褄を合わせが必要になります。

物価見通し

 日銀が2023年度の物価見通しを上方修正する方向で検討しているそうです。「消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の前年度比上昇率は3%付近となる公算が大きい」といいます。また、24年度も上方修正される可能性があるそうです。

日銀、物価見通し引き上げ検討 24年度は2%台視野=関係筋 | ロイター

2%台となれば、22年度以降は3年連続で2%を上回る見通しとなる。(出所:ロイター)

 金融政策が正常化に向かい、「金利ある世界」がいよいよ近づいてくるのでしょうか。放漫財政を続ける政府には痛手になりそうですし、他の国々以上に危機が現実化しかねません。

論語に学ぶ

雍(よう)や南面せ使む可(べ)し。(「雍也第六」1)

「冉雍(ぜんよう)は人君となれる人物である」と孔子が云いました。

dsupplying.hatenadiary.jp

「南面せ使む可し」、当時の天子や大名になるほどの才覚があると、「冉雍」をべた褒めです。その「冉雍」は卑しい階級の出身でしたが、人柄がよく、孔子に愛されいたといいます。それほどに人徳と才能に秀でるものがあったということなのでしょう。

 VUCA「不確実な世界」になってしまうのも、どの国においても、これぞという人物がいないということなのかもしれません。その中でも、我が日本の宰相は飛びぬけて劣悪なのではないかと感じたりします。やること為すことすべてが次の総裁選に勝つためにやっているようですから。

 

 

「参考文書」

市場、財政悪化に警戒感 - 日本経済新聞

日銀の24年度物価見通し、2%以上に上方修正の公算大きい-関係者 - Bloomberg

マイナス金利撤廃をためらうな 金融緩和は弱者を救わない - 日本経済新聞