「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【NISA見直しとインフレ課税】資産所得倍増プランといいつつ不満も倍増させないか

 

 コロナ禍に始まり、まるで世界が一変したかのように様々な問題が噴出しています。政治、経済、社会、どれをとっても問題ばかりです。

 SDGsにESG、より良い社会を目指そうとしたことの反動なのでしょうか。不正や不善と思われるようなことばかりになっているかのようです。

都のコロナ協力金、不正受給総額3億円超え 累計で64件、最大5900万円(1/2 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン

 欲望をコントロールできなくなってしまったのでしょうか。何が正しいことで、何が悪いことなのか、それがあやふやになっていないかと、少々不安を感じたりもします。

 

 

 政権与党は特定団体とのつながりを指摘され、慌てふためき、狼狽しているように見えます。真因に対峙せず問題に対処するばかりで、期待する結果を得ることができるのでしょうか。功を焦るばかりに強引になるようでは本末転倒の結果になりかねません。

論語に学ぶ

学びて思わざれば、則ち罔(くら)し。思いて学ばれば、則ち殆(まど)う。(「為政第二」15)

 知識や情報をたくさん得ても思考がなけければ、それをどうして活かせばいいのか、応用することすらできない。逆に、思考するばかりで知識や情報がなければ、一方的になり、独善的になってしまい、疲れ果てしまうと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

「罔」には、道理にくらいとか、おろかとの意味があり、「殆」には、困り果て、うんざりする気持ちとの意味があります。

  まるで今の首相を見るかのようです。

 

 

 政府債務が積み上がり、まるで「バベルの塔」のようだとロイターは指摘します。

 この政府債務を減らす現実的な方法として、忍び寄るインフレ(クリーピング・インフレーション)があるといいます。

コラム:忍び寄るインフレ課税、格差拡大し不満増幅する構図=熊野英生氏 | ロイター

好況・不況でも一定ペースでインフレが進んでいくシナリオだ。そのとき、政府債務の実質価値はじわじわと目減りする。(出所:ロイター)

 これを経済学では「インフレ課税」と呼ぶそうです。人々が資産をタンスに仕舞い込んでいても、忍び寄るインフレはこっそりと財産を目減りさせるといいます。

「インフレ課税」とは、物価上昇に対して、賃金や金利、そして資産価値がスライドしないことで引き起こされる実質価値の目減りであると説明し、通常、実質賃金が低下、実質金利はマイナスとなるとき、その裏側に受益者がいるといいます。

その受益者とは、まずは債務者である。返済すべき元本の実質価値が下がるから、もう一方で債権者は損をする。(出所:ロイター)

 企業が賃上げに寛容で、インフレ率を上回るような賃金上昇率を認めてくれれば、労働者は、インフレ課税を免れられますが、企業が賃上げに消極的であれば、インフレによって購買力を奪われることになってしまうといいます。

 このインフレ課税から逃れる方法は、高利回りの金融資産に資産シフトさせることが防衛術になるといいます。インフレに連動して元本価額が増えたり、金利上昇する金融資産を選ぶことであるそうです。

 

 

 金融庁がNISAの制度見直しを行っています。まさかとは思いますが、政府・日銀はインフレを許容しています。

NISA恒久化と投資枠拡充、「資産所得倍増プラン」の目玉に : 読売新聞オンライン

 考え過ぎなのでしょうか。一見リーズナブルのように聞こえますが、究極的には政府債務の実質価値を下げることが目的にあったりするのでしょうか。

 政府債務を膨れ上がらせた過去の経済政策の失敗を蔽い隠すためではないかと邪推してしまいます。

 支持率を気にするばかりで国会論戦を避けていては、これまでと何ら変わりがなく、問題が多かった政治と同じのままです。

昔から言われるのは、インフレが起こるとき、社会的弱者が犠牲になることが多いという点だ。社会全体に格差への不満が高まり、不平等を恨む人が増加する。

すでに日本にはそうした予兆が感じられるが、インフレが続くことはますますその傾向を強くするだろう。静かに忍び寄るインフレにもっと警戒心を持った方がよい。(出所:ロイター)

「安民」を第一に考えないで、保身に走るばかりでは、取り返しのつかない事態に陥らないでしょうか。やり様を変え、悪しき習慣の模倣にならないようにすべきなのでしょう。

 

「参考文書」

物価基調、過去20年で最高 日銀が認識を微修正: 日本経済新聞