「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

「日本終了」「昭和か」、増える揶揄、それでも捨てることができない古い慣習

 

 世界的な著名な投資家ジム・ロジャーズ氏が「このままでは20年後の『日本終了』が現実になる」と警告しているそうです。あまりうれしくない予測ですが、そう言われてしまう下地があるということなのでしょう。

 ロジャース氏は少子高齢化を主な理由にあげているようですが、その他にも巨額な財政赤字もあるといいます。

ジム・ロジャーズ「今から『日本終了』に備えよ」 | 投資 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

「インフレの怖さを気にし始める頃には手遅れになるリスクもある」と東洋経済オンラインは指摘し、そのために早期から「プランBへの準備が必須」といいます。

ロジャーズ氏は、経済危機について、賢い企業経営者なら、悪い膿を出し切らせ、復活するきっかけになる可能性があると言います。(中略)そのため、危機やクラッシュは必ずしもわるいことだけではないとよく口にします。(出所:東洋経済オンライン)

 

 

 世界的に経済が悪い方向にあると多くの専門家たちが指摘し、また、日銀の金融政策については今のままであろうとの見方をしているようです。

インフレ3%でも黒田日銀は現行の金融緩和維持へ-エコノミスト調査 - Bloomberg

 同じ政策を10年続けても効果がないのなら、それは失敗だったとするのが普通なのではないかと思いますが、「継続は力なり」といえば言い訳として通用するのかもしれません。

 大胆な金融緩和で低金利が維持されれば、政府は大規模な財政出動を続けることはできます。しかし、一向に経済回復はなく、政府債務だけが積みあがっています。

 これを「是」とせねばならないのなら、同じ政策を続けるしかないのでしょう。またそれが現実的な解になるような気もします。一方、こうした状況に疑問を持つ人たちは、改革すべきと主張しますが、難しいことなのかもしれません。誰が改革の担い手になるという問題が残りそうです。

 

 

論語に学ぶ

仲弓(ちゅうきゅう) 季氏の宰と為り、政(まつりごと)を問う。子曰わく、有司(ゆうし)を先にし、小過(しょうか)を赦(ゆる)し、賢才(けんさい)を挙げよ、と。

曰わく、焉(いず)くんぞ賢才を知りて之を挙げん、と。曰わく、爾(なんじ)の知る所を挙げよ。爾の知らざる所、人其れ諸(これ)を舎(お)かんや、と。(「子路第十三」2)

 仲弓が季氏の宰相になったとき、孔子に政治のあり方を質問しました。「まず担当官にしっかり担当させる。その成果における小さな失敗は許すことだ。そして、優秀な人材を抜擢する」と答えたといいます。

 仲弓は「どのようにすれば、優秀な者を見つけ出し抜擢できましょうか」と尋ねると、「お前がこれぞと思う人物を抜擢せよ。お前がまだ見出せないでいる在野の人物は、人がそのままにしておくはずがなく、きっと推薦してくることであろう」と教えたといいます。 

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「賢才」とはすぐれた才知。才知とは、才気(鋭い頭脳の働き)と知恵。心の働きのことをいいます。

 そんな人物が首相の回りにいるのでしょうか。

山際経済再生相、旧統一教会イベントに「出席したと考えるのが自然」:朝日新聞デジタル

 山際経済再生相が、旧統一教会関連のイベントに参加していたと報道されたことについて、「報道を見る限り、出席したと考えるのが自然だ」と述べたといいます。さらに「熟慮が足りなかった。率直に反省し、今後は一切関係を持たないよう慎重に行動する」と語ったそうです。

 何やら不自然さを感じますが、こうした人物を優れた才知を持つ賢才というのでしょうか。

 ただ口才があって、表裏がある。古くからの慣習から抜け切れずに何にも疑問を持たず盲目的に追従するような人物を賢才とは呼ばないのでしょう。

 

 

 新型コロナに感染した岸田首相がオンラインで記者団の取材に応じたことを揶揄するツイートが多いといいます。

「オンラインなのに密、奇妙だ」「昭和か」岸田首相取材の不自然さにネット上で揶揄:東京新聞 TOKYO Web

首相が映るモニター近くに、記者が密集して取材する光景を、「群衆が街頭テレビを見る昭和時代の図に似ている」との指摘もあるそうです。

首相と記者の双方がオンライン上でつながって質疑する方式なら、より多くの記者が参加できて感染防止にも役立つが、官邸では、記者側がパソコンなどで取材できるような環境は整っていない。(出所:東京新聞

 東京新聞によれば、官邸の担当者は「公邸と官邸を結ぶ専用回線はネット接続しておらず、セキュリティー上も外部とつなげることは考えていない」と説明、双方がオンラインでつながる方式は難しいと言い訳しているそうです。そんな政府がデジタル化を推進しているのですから奇妙といってもいいのかもしれません。

 何ごとも前の政権からの習慣を引き継いでいるうちは変化も起きようもなく、厳しい状況が続くということなのでしょう。

「参考文書」

森友文書改ざん首謀者を国税ナンバー3に 財務省「能力・経験にふさわしい」 - 奥山 俊宏|論座 - 朝日新聞社の言論サイト