気象庁が異常気象分析検討会を開催し、今夏の天候の特徴と要因を分析し、見解をまとめました。
6月下旬の猛暑はやっぱり「異常」 気象庁検討会長が見解:朝日新聞デジタル
6月下旬~7月初めに記録的な猛暑となり、また、7月から8月中旬にかけては各地で記録的な降水量を観測する大雨が発生しました。こうしたことを受け、検討会の会長の中村東大教授は「平均気温の記録を更新し、時期も非常に早かった。異常と言って差し支えない」と述べたといいます。
気象庁によれば、記録的な高温は、日本付近で亜熱帯ジェット気流が北に蛇行し、上層の高気圧と地表の太平洋高気圧がともにこの時期としては記録的に強まったことが主要因とし、これに持続的な温暖化傾向が加わったためとの見解を示しました。
一方、大雨の発生要因にも亜熱帯ジェット気流が影響し、前線が停滞しがちになった地域で大雨になったとそうです。また、地球温暖化によって大気中の水蒸気が増えたことで、降水量が増加した可能性もあるといいます。
「気候危機」という状況なのでしょうか。どちらにも気候変動が影響していそうです。
もう少し早い時期から気候変動に注目し、その対策を施すべきだったのでしょう。「後悔先に立たず」、すでにしてしまったことをあとで悔いても、もう取り返しがつかなくなってしまいます。こうなってしまう前に熟慮すべきだったということなのでしょう。
論語に学ぶ
子貢曰わく、貧にして諂うこと無く、富みて驕ること無くんば、如何、と。子曰わく、可なり。未だ貧にして楽しみ、富みて礼を好む者には若(し)かざるなり、と。
子貢曰わく、詩に云う、切するが如く、磋するが如く、琢するが如く、磨するが如し、と。其れ斯の謂いなるか、と。子曰わく、賜や、始めて与に詩を言う可きのみ。諸に往を告げて、来を知る者なり、と。 (「学而第一」15)
秀才子貢が、「貧乏していても媚び諂うことなく、金持ちになっても高ぶらないというのはいかがでしょうか」と質問すると、孔子は「いいことだ、しかし、貧乏でありながら楽しく暮らし、金持で礼を好む者には及ばないだろう」と答えます。すると子貢は、すぐさま『詩経』の「衛風」の「淇奥(きいく)」の第一章を想起して「切磋琢磨」とはこのことを言うのでしょうかと、たずねました。
彼の淇のかわの奥を瞻(み)れば、緑の竹の猗猗(いい)とうつくし
有にも匪(あざや)けき君子は
切するが如く磋するが如く、琢するが如く磨するが如し・・・
緑の竹藪のそばに立派な貴族が立っている。それは衛の名君武公だとされ、彼が人格修養につとめることを歌ったものとされているそうです。
骨は「切」、象牙は「磋」、玉は「琢」、石は「磨」、これらはすべて加工を示す動詞であって、道徳をいやがうえにもみがくという意味であるといいます。
「切磋琢磨は孤独の瞑想ではなく、群居して、朋友が相互に錬え合うことだ」と孔安国の注にあるそうです。
「往」は過去、「来」は未来を示すといいます。
「お前こそ物事を、そして、言葉を、次元を変えて飛躍的にとらえることのできる頭脳の持ち主」と孔子は子貢を評しています。
子貢は諂いと驕りのないことを最高と考えていたようですが、孔子に教えられ、学問の道には終わりがないことを悟って、この詩を引用したと伊藤仁斎は解しています。
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「往を告げて、来を知る」、過去を学んで、未来を理解する、本来、こうあるべきなのでしょう。
自然は飛躍はせず、連続性に縛られています。突如、突飛なことが起こることはなく、突然変異もその前段階があって、静かに徐々に変化が進み、ある時に大増殖するだけのことなのでしょう。これまでの国の対応が残念でなりません。
多くの科学者が気候変動に警鐘を鳴らしていたのだから、そこから発想を伸ばせば、その対策に遅れが生じることがなかったのでしょうか。
人には知恵があり、「改善能力」があります。悪化を食い止め良い方向に変えていく。この能力があったからこそ、人類の発展があったのでしょう。これまでの気候変動の対応には疑問を感じずにはいられません。
世の中が混沌してきているように感じます。政治の混乱の影響なのでしょうか。過去に巻き戻すような行為があったり、突飛な新説をでっちあげる人もいます。
過去を振り返れば、一時的な混乱や停滞があっても、全体的に見れば、進歩、成長を続けてきたのでしょう。
停滞から抜け出ていくためには、もしかして今の混乱もが必要なことなのかもしれません。混乱が収まれば、整然となり、持続的な成長が訪れることになるのかもしれません。
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「参考文書」